はじめに

はじめに

鎌田一孝(6組)



まずはじめに断っておくが、これは鎌田の独断と偏見によるベスト10〜35の映画を選んだものである。
今まで映画館で観た映画、レーザーディスクで持っている映画、VHSビデオに録画した映画、DVDに録画した映画の中から厳選したものだが、まだ整理のついていないビデオやDVDがあるし、過去に観た映画が思い出せなかったりもするので、以降もランキングなどは変更されることもありえることを断っておく。

映画は、日本では娯楽として捉えられているが、アメリカやヨーロッパなどでは文化として捉えられている。
そのため、好き嫌いに関係なくいろいろな映画を見てきたつもりだが、やはり偏りは出てくるものである。
映画によって生きる希望を見い出せた、むしゃくしゃしていたのがスカッとした、文化を学ぶことができた、などいろいろな映画の受け止め方があるが、ジャンル別、国別、年代別などに分類して書いていきたいと思う。
ただし、ジャンルにおいては重複したり、ジャンルに分類できないのも多々あり、そこのところはご容赦願いたいと思う。また、ジャンルによってはベスト10でとどまらずベスト35まで伸びるジャンルもあるがそれもやむを得ないことだとも思う。
また、大作映画よりもB級映画に焦点を絞りたかったのだが、どうしても大作映画が入ってしまうのも仕方ないかなとも思っている。

各映画には、一言コメントをつけてあるが、興が乗って詳しく解説しすぎたものもある。

映画を見ている一人一人によってその映画の評価は異なるものである。「これはいい映画だ」と思えばその人にとっては素晴らしい映画であるが、同じ映画を見た別の人が「それはくだらない映画だ」と思えばくだらない映画だろう。ことほどさように、一人ひとりの受け止め方は異なるので、いい映画ということでの押し売りはしたくない。こういう映画があるよ、ぐらいに思っていただければよいと考えている。
なお、独断と偏見で選んでいる(個人によって好みが分かれる)ので文句は一切受け付けない。ただし、ご意見、ご質問、訂正などは喜んで受け付けるのでよろしく。

これらを発表することにより、鎌田個人の好き嫌いや性格も判定することも可能であろう。それでもかまわないと思う。今さら素の自分を恥ずかしがる年でもないだろう。

また、ご自分で選んだベスト10映画などの投稿もお待ちしておりますので、映画好きの方はよろしくお願いいたします。

戦争映画ベスト10

戦争映画ベスト10

鎌田一孝(6組)



8月から始めることにしたので、8月と言えば終戦記念日があるので、戦争映画から始めたいと思う。

戦争映画には、戦意高揚映画、反戦映画、アクションを中心とした映画などがあるが、それらに関係なく選んでみた。

1位  大日本帝国  1982年 日本
 戦時徴用された庶民(床屋の親父)・学生(京大生)・軍人などの個々人の目を通して、不条理な運命を描いた作品。なぜテレビでやってくれないんだろう。見直す度に泣けてくる映画である。戦争を美化している映画と言われているが、純然たる反戦映画である。日本の戦争映画史上、これだけ冷徹に運命を見つめた映画があったろうか。
 また、俳優陣が凄くて、今ではこれだけの俳優を集めることはできないだろうと思われる。男優陣ばかりでなく、一人二役を演じた夏目雅子以外にも関根恵子や佳那晃子など錚々たる顔ぶれである。主題歌も五木ひろしの「契り」だった。

2位  西部戦線異状なし 1930年 アメリカ
 第一次世界大戦をテーマにした古典的作品。当然モノクロ映画だが、最後のシーン(蝶に手を伸ばしたときに響く銃声)が心に残る反戦映画の名作。この映画から10年も経たないうちに第二次世界大戦が勃発したとは、この映画の訴えるところが国の指導者には理解できなかったということだろう。

3位  トブルク戦線  1967年 アメリカ
 ジョージ・ペパードの演技が出色で、スパイ映画、アクション映画とジャンル分けが難しい映画。彼が最後に焼死するシーンが、中3の時にOSで見て以来ずっと記憶に残っていた。

4位  ひまわり   1963年 伊・仏・ソ連
 ひまわり畑に流れる主題歌に涙する映画で、ソ連映画「戦争と平和」のリュドミラ・サベーリエワとソフィア・ローレンの演技合戦。
 出征した兵士が記憶喪失となり、現地で結婚してしまったことを知った元妻は…。何度見ても泣ける・・・。条件反射でこのテーマ曲が流れるだけで胸が締め付けられるようになってしまった。

5位  地獄に堕ちた勇者ども  1969年 イタリア・西ドイツ
 実際にこの映画を見たのは、公開30年後だった。キネマ旬報で知ってはいたが、見る機会がなかったのである。
 ルキノ・ビスコンティ監督独特の退廃的な雰囲気がよく出ていて、ヘルムート・バーガーが女装しての踊りが目に焼き付いた作品である。「ゴッドファーザーPARTⅢ」に出演した時のヘルムート・バーガーとは全くの別人のように思える。
 このランキングを制作した頃はこの映画を思いもつかなかったが、録画した映画のデータを見ているうちにこれはランキングに入れるべきだと思った。

6位  地上(ここ)より永遠(とわ)に 1953年 アメリカ
 運命に翻弄されるモンゴメリー・クリフトの吹くトランペットの音が哀しい。

7位  荒鷲の要塞  1968年 イギリス・アメリカ
 スパイ映画かアクション映画か、はたまたサスペンスか、ジャンル分けがとても難しい。私個人としては、戦争映画と言うよりもサスペンスのジャンル分けしたい映画である。

8位  ナバロンの要塞  1961年 アメリカ
 「タイムトンネル」の主役だったジェームズ・ダーレンが出ていたアクション映画。ハラハラドキドキの連続。続編「ナバロンの嵐」は、キャスト総入れ替えでハラハラドキドキというサスペンス要素がなくなってしまったのは、残念の一言。

9位  戦場にかける橋  1957年 イギリス・アメリカ
 確か学校から見に行った映画だったと思うが…。テーマ曲の「クワイ河マーチ」があまりにも有名になってしまったが、今見ても佳い映画だと断言できる。

10位 史上最大の作戦  1962年 アメリカ
 戦場にかける橋のクワイ川マーチと並んで有名なマーチが豪壮に流れる。オールスター映画だけに、名だたる俳優が出ていて、ショーン・コネリーなどはたった7秒間の出演だった。

番外 ジョニーは戦場に行った   1971年 アメリカ
 ベトナム戦争で地雷のために四肢を失い、芋虫のようにベッドに寝転がっているだけの兵士の生き様を描き、典型的な戦争の悲惨さを表した現実感たっぷりの映画だが、カタルシスがないことから番外に。

これら以外にも、同級生の間で人気の高い「M★A★S★H」などいろいろあれど、独断と偏見ということでお許し願いたい。

アニメ映画ベスト10

アニメ映画ベスト10

鎌田一孝(6組)



「巨人の星」とか「あしたのジョー」とか名作は多けれど、劇場版となると途端に質が悪くなるのがアニメの特徴。
ここでは、劇場版のアニメ映画で判断したい。

1位  機動戦士ガンダムシリーズ 1981年〜1982年 日本
 初期三部作は最高傑作で、自衛隊でもガンダム計画が策定されるほどに。個人的には、セイラをもっと掘り下げてほしかった。
 (般若党の飲み会で雲財君とガンダムの議論をしていたら、他のお客も加わって夜中の3時頃まで激論を交わしたこともあった)

2位  新世紀エヴァンゲリオンシリーズ  1997年 日本
 大学での研究対象となるほど、奥深い作品。今でもすべての謎が解明されたわけではなく、これからも一時代を築いた作品として記憶されるだろう。

3位  宇宙戦艦ヤマト 1974年 日本
 沖田艦長の「何もかもみな懐かしい」の台詞が泣かせる映画だが、後のシリーズは、これがヒットしたために、無理に作られた付録の駄作。

4位  AKIRA  1988年 日本
 緻密な画面で近未来を描いた作品で、ブレードランナーなどに通じる映画、2020年の東京オリンピックを予言したことでも有名。

5位  白雪姫  1937年 アメリカ
 第二次世界大戦より前の映画だが、今見ても衰えない技術がてんこ盛り。

6位  ボルト  2008年 アメリカ
 映画界のスーパースターであった犬のボルトが現実の世界では普通の犬であることへの戸惑いを感じながらの笑いあり涙ありの冒険譚で、久しぶりに感動したアニメ。オススメ1位のアニメ。

7位  紅の豚  1997年 日本
 男同士の友情と秘めた恋心(このテーマが素晴らしく良い!!)を描いた映画だが、これをジブリ映画のトップに持ってくるところが独断と偏見。

8位  天空の城ラピュタ  1986年 日本
 ロボット兵がえらく人間的だったのと海賊の女ボスが良かった。
 公開後何年か経って初めて観た時、これはかつてはまったPCゲームの「イース」のもじりではないか、と思った。設定は多少異なるが、天空に浮かぶ古代の遺跡という基本設定は同じだから、どうしても「イース」を重ね合わせてしまう。だから、この映画を観て無性に「イース」をやりたくなって(観た当時は「イース」のソフトは手元になかった)、「イース」をやるためにPS2を購入したものだ。

9位  魔女の宅急便  1989年 日本
 ファンタジーと言うよりは一人の少女の成長記。この英語版のテキストを生徒に訳させたことがあったなぁ。この英語版の本はどこに行ったんだろう。まだ引越荷物の中にあるのだろうか。
 今いる猫のラッキーが、キキにそっくりなんだが…。

10位 アナと雪の女王  2013年 アメリカ
 言わずと知れた「レリゴー」だが、ミュージカル映画に入れるべきか迷った。しかし、一世を風靡したくらいだから、入れておこうと思った次第。
 「攻殻機動隊」をやはり入れるべきだったか。「攻殻機動隊」は、「ブレードランナー」と世界観がよく似ていて、雑多な背景が見応えのあるものになっている。

番外  パーフェクトブルー 1997年 日本
 精神医学が必要になるほど現代的なことを考えさせるアニメと言えないほどのアニメ。時代を先取りした設定は素晴らしい。表現手法がアニメというだけで、実際はサイコ・サスペンスの傑作だと思う。
 宮部みゆきの「パーフェクト・ブルー」(・が付いている)もよいが、こちらはサスペンス・ミステリーである。

「ガンダム」や「超時空要塞マクロス」などをロボットアニメと分類すべきかどうか迷ったが、今のところは大まかなジャンル分けで勘弁してもらいたい。増えてくるともっと細かく分類したいと思う。
また、「101匹ワンちゃん大行進」など思い出の映画もあるが、それはまた別の機会にしたい。
「攻殻機動隊」の実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」がハリウッドで作られたが、アニメ「攻殻機動隊」も改めてランキングに入れようとも思う。

パニック映画ベスト10

パニック映画ベスト10

鎌田一孝(6組)



このジャンルも「アラクノフォビア」などに代表される生物パニック映画・「グリズリー」などに代表される動物パニック映画・「タワーリング・インフェルノ」などに代表される災害パニック映画・「ゴジラ」に代表されるモンスター・パニック映画などいろいろ分類できるが、現段階では一括してパニック映画としておきたいと思う。

群衆の乱衆行動に焦点を当てて選んでみた。なので、細かい分類はいずれしてみたい。

1位  タワーリング・インフェルノ 1974年 アメリカ
 オールスター総出演の大作だが、相対する二つの映画会社が協力して作り上げただけに申し分ない出来映え。
 この映画を思わせるような火事が韓国とイギリスであったが、40年経ってやっと映画に現実が追いついてきたという感じだ。

2位  ジョーズ         1975年 アメリカ
 姿を中盤まで見せないスピルバーグ独特の手法でパニック映画の代表作となった。サスペンス映画としても一流。

3位  鳥            1963年 アメリカ
 ホラーといってもよいほどの恐怖感をあおり立て、子供の演技とも思えない恐怖の表情が素晴らしい。サスペンスというよりもスリラーに近い映画である。

4位  チャイナ・シンドローム   1979年 アメリカ
 一時、流行語ともなり福島第一原発を思わせる映画だが、この映画の公開直後、実際にスリーマイル島の原発事故が起こったという曰く付きの映画。ジャック・レモンの名優ぶりがわかる映画でもある。

5位  地球最後の日       1951年 アメリカ
    ディープ・インパクト    1998年 アメリカ
 この2本に「アルマゲドン」(1998年)と日本の「妖星ゴラス」(1962年)を加えた4本は、彗星が地球にぶつかるというプロットは同じであるが、それぞれ表現の仕方が異なる。「アルマゲドン」は彗星を爆破する方法に観点が置かれ、「妖星ゴラス」は地球を移動させる方法に観点が置かれている。また、「地球最後の日」は人類の移住、「ディープ・インパクト」はそれを受け止める人間の心の中に重点を置いている。
 しかし、ここで取り上げた2本は、どちらも残された人々がパニックに陥るところもよく描くことができていると思う。前者は、小説の「地球最後の日」を原作としているせいだろう。
 「地球最後の日」では、終盤のロケットに乗る人を選ぶ抽選後のパニックが凄い。抽選を受け入れたがその抽選に漏れた人たちが、自分だけは助かりたいということで反乱まで起きる点を評価する。オススメ映画の一つである。
 一方の「ディープ・インパクト」は、女性監督ならではの視点で人々の絶望や愛する人との別れなどを繊細に描いているが、これも避難できる人を選ぶ避難権を手に入れることのできなかった人たちのパニックぶりが凄い。この映画はアベック(死語!!)で観た方がよいだろう。

6位  ポセイドン・アドベンチャー 1972年 アメリカ
 リメイクされる前のオリジナル映画の方が良いというジンクスが当てはまる作品。というのは、生への執着と意見の違うグループに対してどうリーダーシップをとれるか、またリーダーシップをとりながらもその心中の不安を描ききっている点を評価したい。

7位  ゴジラ          1954年 日本
 第1作目はモノクロ映画だからこその逃げ惑う人々の恐怖感が作者側のメッセージ性を強めているが、以降の作品はお子様向けになってしまった。1984年版からは、また大人も見られるようになったが、メッセージ性はなくなってしまった。残念…。

8位  地球の静止する日     1951年 アメリカ
 「地球が静止する日」(2008年)でリメイクされたが、これも元のオリジナル映画の方が断然良く、一般市民の慌てぶりがよく出ている。確かにセットなどは、今から見ればちゃちではあるが、マッカーシズム全盛当時のアイデアを買いたい。特に原爆へのメッセージ性の強い映画だが、よくアメリカ自身がこういう映画を作ったものだと思わせるが、ハリウッドのリベラルさ(日本の自称リベラルとは全く違う)がそうしたのだろう。

9位  カリフォルニア・ダウン  2015年 アメリカ
 ついこの間観た映画である。日本では、東日本大震災のために公開が延期された映画である。しかし、地震や津波の教育のためにこそ、みんなに見せなければならない映画だと思うが、どうだろうか?
 「レフト・ビハインド」と続けて見たが、「レフト・ビハインド」のバックボーンには、キリスト教という宗教があり、それに基づく判断をしなければならない。しかし、この「カリフォルニア・ダウン」は科学的論理性を備えているため、納得させられることが多い。惜しむらくは、人物関係の描き方が少々雑である。

10位 ミスト          2007年 アメリカ
 ホラー映画に入れるかどうかで迷ったが、スーパー内に閉じ込められた群衆のパニックぶりが現実感たっぷりに描かれている良作で、バッドエンドな所がちょっとマイナスかな。
 人間、パニックになると神にもすがりたいという部分を上手に描いてる。

番外 ピラニア3D       2010年 アメリカ
 1978年の「ピラニア」もよかったが、リメイクされたこちらの作品の方が乱衆行動がよく描き切れていると思った。ただし、設定に無理があるので番外。

番外 スピード        1994年 アメリカ
 アクション映画に入れるか、パニック映画に入れるか迷った末、パニック映画の番外ということにした。バスの乗客のパニックぶりとパニックになった時の身勝手さはよく描かれているが、如何せんパニックになるバスの乗客の人数が少なくて乱衆行動とまでは言えないということで番外。ただ、名作であることには疑問の余地はない。高倉健の「新幹線大爆破」(1975年)との類似点が指摘されているが、問題はないだろう。


こうやって並べてみると、圧倒的にアメリカ映画が多く、やはりパニック映画は大金をかけてこそ金の取れる映画なのだなと思う。
他にも「インデペンデンス・デイ」もパニックぶりが凄かったが、SFパニックのように細かく分類したときに入れたいと思う。

ドラマベスト15

ドラマベスト15

鎌田一孝(6組)



ドラマ性の強い映画を15本選んでみた。

1位  ゴッドファーザー   1972年 アメリカ
 世間ではマフィア映画と見ている向きも多いが、実際は純粋なファミリー映画である。もう何も言うことがないほどの最高の三世代に亘る家族の歴史を綴る映画。
 同じキャスト・スタッフで20年以上かけて撮ったので、3本続けてみると俳優陣の年の取り方や人生の喜び・哀しみがわかる。特にⅢの思い出話に出てくる結婚式の場面では音楽のせいもあるが不覚にも泣いてしまった。
 これを見て人生を学んだ私はアウトロー?

2位  イヴの総て      1950年 アメリカ
 サスペンスと言っても過言ではない重厚な映画。まだ無名のマリリン・モンローが端役で出ているし、「黒蘭の女」のベティ・デイビス、「十戒」のアン・バクスターなどハリウッド全盛期の名作。

3位  コットンクラブ    1984年 アメリカ
 ギャングの世界に巻き込まれたさまざまな人の生き方を描いている秀作。何といっても19歳のダイアン・レインが可愛かった。実在の事件を元に作られているが、名もない役の俳優まで演出が行き届き、フレッド・グウィンなどの名優が花を添えている。
 コッポラ監督は、「ゴッドファーザー」や「コットンクラブ」などの群衆劇をとらせれば最高の監督であろう。

4位  スタア誕生      1954年 アメリカ
 3本あるスタア誕生(スター誕生)の中で、この映画が最も優れていると思う。ジェームズ・メイスンの演技が素晴らしかった。
 小学校時分に深夜、テレビで見たのは白黒だったので、1作目の「スタア誕生」(1937年)だと思うが、それ以降37年版は見ていない。夫の自殺した白黒の波打ち際が非常に記憶に残っているので、もう一度37年版を見ることができたら再評価したいと思う。いや、待てよ…。当時のテレビが白黒だったから、観たのは54年版なのかなぁ???

5位  華麗なるギャツビー  1974年 アメリカ
 大学時代に観たが、今でも色褪せない映画。文芸作品のジャンルとどちらに入れようか迷った(原作も有名だから)。リメイクの2013年版は録画してあるがまだ見ていない。やはりオリジナルを大切にしたいから。

6位  ライアンの娘     1970年 イギリス
 美しい自然をバックに、タフな男を演じてきたロバート・ミッチャムの無言の演技が素晴らしく、身につまされる映画だった。というのは、ロバート・ミッチャムと同じ立場に立たされたことがあったから…。

7位  慕情         1955年 アメリカ
 香港では、この映画のロケ地をよく回ったが、この頃の映画には名作が多く「旅情」や「旅愁」と言ったカタカナ語を使わない上手な映画の題名をつけていた。それに比べて、現代の外国映画の名前の付け方には、いっぱい文句を言いたい。英語の原題をそのままカタカナにするような映画会社のスタッフが、映画の衰退を招く一因になっていることをもっともっと自覚してもらいたい。特に英語を理解しない高齢者が人口の大半を占めているのに、カタカナ英語の題名で、誰がそういう映画を見ようという気になるだろうか。映画会社の猛省を促したい。
 ちなみに「香港映画ベスト20」の項目の海岸の写真は、この映画のロケ地。

8位  生きる        1952年 日本
 人生をどう生きるかを描いた映画は多いが、こういう生き方もあるという典型的な日本風の映画で、志村喬がブランコに乗りながら「ゴンドラの唄」を唄うところは涙…。
 この映画を観ていつも感じるのは、公務員のような安定した職業の生き様というものもひとつの生き方なのかな、と。最近、そう思うことが多くなったのは、年をとったせいか?

9位  ピアノ・レッスン    1993年 豪・新・仏
 女流監督独特の繊細な描写がものを言う映画だが、恋愛映画に入れるかどうか迷った作品。ホリー・ハンターの名演が素晴らしいが、子役のアンナ・パキンがアカデミー賞助演女優賞を史上2番目の若さで取った。
 とにかく出演俳優はその後名を為す名優ばかりだが、当時は それほど有名でもなかった。しかし、その確かな演技力でこの映画は成り立っているし、土着文化を犯していった白人文化に対する反省でもあろう。

10位 ル・ジタン       1975年 フランス
 ジプシー役のアラン・ドロンが吸っていたジタンの煙草を求めて、心斎橋の大丸まで買いに行ったことを思い出す。

11位 いそしぎ       1965年 アメリカ
 リズの映画はあまり好きではないが名作が多く、私にとってはこれが代表作。主題歌から入った映画。

12位 黒蘭の女       1938年 アメリカ
 希代の名優ベティ・デイビスが希代の悪女を演じる映画だが、ハッピーエンドで終わって良かった、良かった。

13位 女と男の名誉     1985年 アメリカ
 マフィアのコメディ映画だが、ドラマ性が非常に強く、ジャック・ニコルソンの怪演とキャスリーン・ターナー、アンジェリカ・ヒューストンの名演で最後まで目が離せない映画。

14位 道          1954年 イタリア
 神が降りたようなジュリエッタ・マシーナの演技と名優アンソニー・クインの演技には言葉が出ない。
 最後の場面では、やっぱりクインはマシーナを愛していたのだろう。ただ、その愛情の表現の仕方が問題だったのだと思う。愛すれば愛するほど、それが確固たるものになればなるほど、男は女に対して不安になり、Sっ気を出すんだろうな、やっぱし…。

15位 タクシードライバー  1976年 アメリカ
 現代の狂気がどのように芽生えるのかをベトナム戦争後のアメリカを舞台に描いた名作。ロバート・デ・ニーロの俳優としての素質を思い知らされた映画である。

番外 ディア・ハンター    1978年 アメリカ
 ロシアン・ルーレットをする時のクリストファー・ウォーケンの名演で名作中の名作だが、あまりにも重いテーマとストーリーのため二度と観たくない映画なので番外。

こうやって並べてみると、やっぱり大作が並んでしまった。ドラマ性の強い大作映画は初めて見る分にはよいが、一度見てしまうと疲れ切って二度目はなかなか見ようとしないものである。しばらく間を置いて、時間が経って忘れかけていた頃にもういちど見るのがよいようである。
ただ、ゴッドファーザーだけは英語のリスニング用に何度も見てビデオテープがすり切れてしまった。
ドラマ性の強い大作映画は1年に1本だけ観ることにすべきだ、というのが鎌田の経験則である。

文芸作品ベスト10

文芸作品ベスト10

鎌田一孝(6組)



文芸作品は原作がありそれを脚色して作られた映画という定義で言えばほとんどすべての映画が当てはまるので、ここでは狭義の「文学史に残るような文学作品を映画化したもの」と限定した。もっと狭い意味では、私が中2の時から読んでいた「世界文学全集」24巻の中から選んだ(3位・4位・5位・7位を除く)。
そのため、B級ではなくA級の映画ばかりが並んでしまった。

1位  戦争と平和      1967年 ソ連
 アメリカ・イタリア合作版の「戦争と平和」(1956年)はスター・システムで作られた映画なので文芸作品とは思えない。ソ連版のこの映画は、500人を超す登場人物も含めて原作に忠実に描かれており、前後編合わせて(VHSで)7時間を越える大作だったと思う。
 中2の時に原作を2ヶ月かかって読んだが、ちょうどその頃にOSグランドでこの映画を見てからもういちど原作を読むと1週間で読めた、私にとっては曰く付きの作品。やはり映像化されたものの方が、理解が早いということだろう。リュドミラ・サベーリエワの清楚さが素晴らしくいい。読んだ原作の「世界文学全集」に掲載されていた写真がこのリュドミラ・サベーリエワ主演の「戦争と平和」だった。

2位  風と共に去りぬ    1939年 アメリカ
 SFXがふんだんに取り入れられたカラーの(昔風に言えば総天然色)大作。これが戦前の映画なのだから、こんな国と戦争すれば負けるに決まっているしぃ…。これから生まれた英語の諺(Tomorrow is another day.)も大学入試問題に出たことがある程、定番の映画である。
 この映画のLDはまだあるが、LDプレイヤーがいつまで持つか心配である。

3位  テス         1979年 イギリス・フランス
 主人公テスの恵まれなかった生き様を冷厳なカメラで描き出した佳作で、ナスターシャ・キンスキーの佇まいが哀感を誘う。男の屈折した2通りの愛の間で揺れる女を演じたナスターシャ・キンスキーだったが、終盤で突如出現したストーンヘンジに、何か意味があるのだろうか? 原作を読んでいないからわからないが…。

4位  天地創造       1966年 アメリカ・イタリア
 歴史大作映画に分類しようと思ったが、旧約聖書を原作としているのでこちらに分類した。徳島と大阪の映画館でそれぞれ見て、聖書に興味を持つきっかけにもなった映画であるが、この項を書くのに調べてみると名優揃いの出演者だったことにびっくり、VHSをもういちど見直してみよう。

5位  十戒         1956年 アメリカ
 同監督のリメイク版だが、オリジナルの1923年版は見ていない。
 海の割れるシーンの特撮に感嘆したが、最近ではそれがサントリーニ島の大噴火による津波の引き潮の可能性が指摘されているので、出エジプトはその頃にあったのではないかという説も流布している。

6位  ロミオとジュリエット 1968年 イギリス・イタリア
 言わずと知れた高校1年のときの映画。1年7組の福永陽一君がギターで主題歌をよく弾いていて、その発音を気にしていたことを記憶している。しかし、オリビア・ハッセーが布施明と結婚するとは想像だにしなかった(`_´)プンプン!

7位  ドクトル・ジバゴ   1965年 アメリカ・イタリア
 パステルナークの原作は読んでいないが、映画を見てわかった気になっている。こういう激動の時代の恋愛とはこんなものだろうか。

8位  嵐が丘       1939年 アメリカ
 原作を読んでから映画を見たのだが、原作とは異なる描き方でちょっと落ち込んで、映画と文学の違いを体験した思い出の映画。

9位  ジェーン・エア    1970年 イギリス
 これも原作のあとに観た映画だが、調べてみると何度となく映画化されているようだ。私はこの1970年版しか見ていないが、厳つい顔のジョージ・C・スコットの計算され尽くした演技に感動した記憶がある。

10位 誰が為に鐘は鳴る   1943年 アメリカ
 原作を読んでから20数年経って観た映画だが(イングリッド・バーグマンの映画を探して見ていた頃)、鼻が高すぎてキスができないという台詞のやり取りに、お茶目でセンスある台詞だと思った。

番外 望郷         1937年 フランス
 番外にしたのは原作がそれほど有名でないから。
 日本映画「夜叉」の中で田中裕子が高倉健に向かって言う「あんたはミナミ(大阪難波)の臭いがする」と、この「望郷」の中でジャン・ギャバンが言う「君はパリの臭いがする」(だったかな)の2つの台詞がどうしてもダブってしまう。

恋愛映画ベスト10

恋愛映画ベスト10

鎌田一孝(6組)



恋愛映画は得意な分野ではないが、10本選んでみた。

1位  ノッティングヒルの恋人  1999年 イギリス・アメリカ
 今でも時々見ているホンワカ映画。設定がいい!! そして、ジュリア・ロバーツのしぐさや笑顔がたまらなくいい!! 
 細かくいえば、ジュリア・ロバーツの表情の作り方や目の動き・視点の定め方など、計算され尽くした映画である。英語シナリオ所有。

2位  あの胸にもう一度     1968年 イギリス・フランス
 台詞がかっこよかったし、ハイデルベルグの美しい風景などが思い出に残る映画。「ルパン3世」の峰不二子はこの映画から生まれた!! って知ってる人は知っているが…。
 アラン・ドロン演じる大学の哲学教授の元に不倫する新婚ほやほやの人妻役のマリアンヌ・フェイスフルが出かけていく場面での独り言。「鳥が飛び立つのは本能よ」など、台詞には哲学的なものが多く、高1の時に、キネマ旬報に掲載されたシナリオをすべて英訳することで英語力を高めた(と思っている)私は変? 今見ると日本語英語だが、訓練としては非常によかったと思っている。このうち、特に印象に残った台詞を書き留めたノートは、未だに残してある。
 この頃は、フランス映画に良作が多く、フランス映画ばかり観ていた。

3位  カサブランカ       1942年 アメリカ
 こんな台詞を言ってみたいと思わせる台詞・アングル・撮影方法・照明・カット割り・ストーリーなどほぼ完璧な映画。ハンフリー・ボガートがクールな表情でカッコいい台詞を吐くのを見ると、男でもカッコいいと思う。イングリッド・バーグマンも最も美しい時代だった。わざとフォーカスを甘くしてフィルターで、手が届きそうでと届かないもどかしさをうまく表現している。また、ところどころに親ナチスのヴィシー政権に対する皮肉が込められていて、例えばラストシーンでヴィシー水のボトルをゴミ箱に捨てるところなど拍手喝采したくなる場面である。
 この映画はリメイクなどせずに、このオリジナル版そのものを楽しませてほしい。

4位  マネキン         1987年 アメリカ
 ファンタジーにジャンル分けできる夢あふれる映画。マネキンに恋した男と呪いでマネキンにされた女の恋愛映画である。
 最初レンタルビデオで見て、徳島に帰ってからLDを購入した。だって、テレビではなかなか放映してくれないんだもん…。

5位  ローマの休日       1953年 アメリカ
 言うまでもなくヘップバーンの名作。ヘップバーン個人の映画では「ティファニーで朝食を」が最も好き(理由はヘップバーンの髪型)だが、設定やストーリー・テリングから、こちらをランキング。
 この「ローマの休日」の真実の口でのシーンはアドリブらしく、ヘップバーンの驚きようは自然で可愛いものだった。ちなみに「エイリアン」でも腹を食い破って出てくるシーンで、監督は出演者に何も伝えていなかったそうなので、このシーンの驚きようも本物である。
 そうそう、「ティファニーで朝食を」でヘップバーンが使っていたパイプを私は持っているのだ(自慢!!)。同じ型のものだが…。

6位  ヘッドライト       1956年 フランス
 一般庶民でもこういう恋愛ができるという誰にでもあるドラマをジャン・ギャバンが演じたが、相手役のフランソワーズ・アルヌール(サイボーグ008のモデル)の美しさも素晴らしい。
 どんな市井の人でも、それなりのドラマのある人生を送っているということを思い知らされる映画でもある。

7位  ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど  1979年 アメリカ
 ストーリーに難点はあるが、ハリソン・フォードの若さとレスリー・アン・ダウンの美しさで7位。

8位  ブーベの恋人       1963年 イタリア・フランス
 クラウディア・カルディナーレの魅力がいっぱいの映画だが、主題歌もよい。よくヤンリクでもかかっていた。
 野性的なショートカットのクラウディア・カルディナーレの拗ねたような唇の表情がたまらなくいい!!

9位  卒業           1967年 アメリカ
 教会での「エレ〜ン!!」が印象的で、サイモン&ガーファンクルのサウンド・オブ・サイレンスもヒットしたが、アン・バンクロフトの名演が映画を決定づけていると思う。
 この映画でのダスティン・ホフマン演じるベンジャミンは、歩く生殖器か?

10位 アデライン100年目の恋   2015年 アメリカ
 ファンタジー映画だが、古典的恋愛映画として捉えた。主人公の女性が事故で不老不死となってしまい、FBIにも追われ名前を変えながら、成就し得ない恋愛をあきらめていた。ある男を愛してその父親に会うと、なんとかつて自分が愛した男だった。「エクソシスト」で悪魔に憑かれた少女の母親を演じたエレン・バースタインが主人公の女性の娘役を演じていることにも驚いた。
 このテーマは、「永遠に美しく…」の対極にあるもので「ハイランダー/悪魔の戦士」のサブテーマとも通じるものである。しかし、主役のブレイク・ライヴリーとかつて愛した男を演じるハリソン・フォードの演技合戦は実に素晴らしかった。ハリソン・フォードが若い頃に愛した女の傷痕をアデラインの手に見つけたときの演技にはゾクッときたものだ。そのシーン以降はハリソン・フォードの演技にはホロッとくるし、画面はきれいだし、久しぶりにジーンとくる映画を観た。
 不老不死になると、ペットや恋人の死を何度も経験することになり、どれだけの涙を流すことになるのだろう……。

番外 ラスト・タンゴ・イン・パリ   1972年 イタリア・フランス
 本当はベスト10に入れたかったが、こういう恋愛をできる時期は限られていると思うので番外。ただ、マーロン・ブランドが「ゴッドファーザー」と同時期に撮影された作品とは思えない演技を見せている。

ファンタジー映画ベスト10

ファンタジー映画ベスト10

鎌田一孝(6組)



SFとファンタジーの区別は難しく、ここでは科学的知見に基づかない幻想映画ということにしておいた。
ファンタジー映画というとすぐに魔法が出てきそうですが、そればかりではなく児童文学も含まれるところが重要な点ですな。

1位  ベイブ       1995年 アメリカ
 続編に比べると失礼に当たるほど出来の良いハートウォーミングな映画で、ベイブの出来が素晴らしい。また声優の演技も素晴らしい!! だから、この映画は、絶対字幕で観るべきである。

2位  シャーロットのおくりもの 2006年 アメリカ
 ベイブに近い映画だが、蜘蛛のシャーロットの生き様は涙なくしては見ることができない。しかし、声優陣にこれだけの名優を揃えられるとき……。
 個人的には、こちらの方が隠れ1位と思っている。

3位  ロード・オブ・ザ・リング 2001年 ニュージーランド
 30年以上前に「指輪物語」というゲームをPC-9800でよくやっていたが、まさかそれが映画になるとは思わなかった。全作通して平均以上の出来。
 もともとはJ.R.R.トーキンの原作で、現在のファンタジー文学やRPGの基礎を作ったものだった。映画化不可能と言われた原作だが、CGの発達で映画化に漕ぎ着けたもので、トールキン自身が作った種族別の人工言語が使われていることでも有名である。

4位  エクスカリバー  1981年 イギリス・アメリカ
 幾度となく映画化されている「アーサー王物語」が土台だが、この映画では現在のアカデミー賞俳優や有名俳優がこの映画の端役に至るまで埋め尽くしている。画面はきれいだし、ロケ地も素晴らしいし、何といっても俳優陣が素晴らしい。また、ストーリー的にも「アーサー王伝説」を理解しやすいのではないか。

5位  ナルニア国物語  2005年 アメリカ
 1作目は非常に良かったが、2作目以降は平均点以下の出来。

6位  ジュマンジ  1995年 アメリカ・カナダ
 子役時代に「インタビュー・ウイズ・ヴァンパイア」で妖艶な少女吸血鬼を演じたキルステン・ダンスト(スパイダーマン)が出演しているのでこの映画を見たが、期待以上の出来で子供と大人の精神的成長をテーマとしている。続編の「ザスーラ」は駄作。
 新しくリメイクされるらしい。

7位  キャッツ&ドッグス 2001年 アメリカ・オーストラリア
 純粋に楽しめる映像作品で、犬好き・猫好きにはたまらない映画。2作目も面白い。動物の演技力に感心!! CGなくしては作ることができない映画である。

8位  オズの魔法使い  1939年 アメリカ
 ミュージカルに分類しようかとも思ったが、こちらに分類した。オズの魔法使いの映画は数が多いが、私はこれしか見ていない。

9位  シザー・ハンズ  1990年 アメリカ
 ホラー映画の名優ビンセント・プライスの遺作だが、ジョニー・デップを有名にした映画でもあり、最初と最後のシーン(おばあちゃんが孫に語りかけるシーン)で癒される映画となっている。

10位 スター・ウォーズ  1977年 アメリカ
 言わずと知れた連作映画だが、初期三部作はあまり好みではなく、個人的には「エピソード3:シスの復讐」が最も好み、ということはダース・ベイダーに思い入れがあるからか?

番外 美女と野獣    2014年 フランス・ドイツ
   マレフィセント  2014年 アメリカ
つい最近見た映画で2本とも甲乙つけがたく併記したが、どちらも過去作品のリメイクでありながら、物語をそれまでとは異なる全く新しい視点で描いたということで、十分楽しめる。


 ファンタジー映画は考えなくてもよいので、疲れたときに見るのがストレスの解消になる。

アドベンチャー映画ベスト10

アドベンチャー映画ベスト10

鎌田一孝(6組)



アドベンチャー映画も他のジャンルと重なる部分が多いのですが、とりあえず10本挙げてみた。
アドベンチャー映画はシリーズ物が多いので、単独で取り上げることはせずに「〜シリーズ」とした。

1位  インディ・ジョーンズ・シリーズ
 特に最初の2作「レイダース/失われた聖櫃《アーク》(1981年)」と「魔宮の伝説(1984年)」が面白い。この2本で、ハリソン・フォードの口に開き方や舌の動きで英語の発音練習がよくできたものである。
 全作通して平均点以上の出来。

2位  アルゴ探検隊の大冒険  1963年 イギリス
 現代にも通じるだけの技術で作られた映画で、ギリシャ神話にも親しむことができる。当時のSFXの素晴らしさが堪能できる。
 大昔に徳島で観た気がするが…。

3位  シンドバッド・シリーズ
 「シンバッド7回目の航海(1958年)」・「シンドバッド黄金の航海(1974年)」・「シンドバッド虎の目大冒険(1977年)」の全3作で回を追うごとに質が低下していった、が、ストップモーションなど目を見張るべき当時の技術がふんだんに使われていた。
 「シンドバッド虎の目大冒険」は、どこの映画館で観たっけなぁ…。この前後の年は、キタからミナミからあちこちの映画館に行ってたからなぁ。一緒に観に行っていたあの娘は、今どうしているんだろう・・・

4位  ハムナプトラ・シリーズ
 最初の2作「失われた砂漠の都(1999年)」と「黄金のピラミッド(2001年)」がよい。ミイラの動きが何度見ても面白い。3作目は、たとえジェット・リーが出ていても論外。

5位  地底探検    1959年 アメリカ
 ジュール・ベルヌの「地底旅行」を原作とした名作。まさかパット・ブーンが主演だったとは…。
 原作は幾度となく繰り返し読んでいるが、まさかその挿絵がリメイク版「センター・オブ・ジ・アース」(2008年)に出てくるとは思わなかった。

6位  失われた世界  1960年 アメリカ
 コナン・ドイルの「失われた世界」を原作とした名作。幾度となく映画化されているが、見たのはこの版と版が不明の(おそらくイギリス映画)2作だけ。まぁ、版が不明の方の映画は、ユーキャンのDVDがあるから確認すればすむことだが…。

7位  ロマンシング・ストーン・シリーズ
 「秘宝の谷(1984年)」と「ナイルの宝石(1985年)」の2作で、コメディ映画でもある。キャスリーン・ターナーはてっきりコメディ女優だと当時は思った。

8位  海底二万哩  1954年 アメリカ
 この映画も学校から見に行ったような気がする…。タコだったかイカだったか忘れたが、よくできていると思う。ネモ船長の話は、中1コースか中1時代の付録にあったと思う。

9位  ロマンシング・アドベンチャー・シリーズ
 「ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝(1985年)」と「キング・ソロモンの秘宝2/幻の黄金都市を求めて(1986年)」の全2作で、ロマンシング・ストーンの二番煎じの典型的B級映画だが、まだ無名のシャロン・ストーンが準主役で出ていた。

10位 H.G.ウェルズの月世界探検  1964年 アメリカ
 重力をなくす装置というところがSFだが主に月世界での冒険を描いているのでここに分類した。ただし、月世界の住人はちょっと出来が悪いかな。時代を考えればそれも致し方なし。

番外 ビバリーヒルズ・チワワ  2008年 アメリカ
 チワワの冒険譚なので、番外。出演している犬の演技、特に表情などを見ているだけでも楽しい。ストーリーもよくできているので、動物映画のジャンルがあれば、確実にランクインする映画である。


 現代では、科学が発達して冒険すべき場所もなくなり、アドベンチャー映画そのものが作りにくくなっているのではなかろうか。だから、古い映画ばかりになってしまった。

コメディ映画ベスト10

コメディ映画ベスト10

鎌田一孝(6組)



コメディ映画はあまり得意ではないので、単に笑わせようとするだけの下品なファース映画やスラップスティック・コメディ以外のシニカル・コメディとブラック・ユーモア満載の映画を選んでみた。ただし、アクションを中心としたコメディ映画は、別項アクション・コメディベスト10に記すことにする。

1位  マネーピット   1986年 アメリカ
 「スプラッシュ」で有名になりかけたトム・ハンクス、「ダイハード」で有名になる前のアレクサンダー・ゴドノフ、「ゴッドファーザーⅢ」で有名になる前のジョー・モンテーニャなど今見れば凄い俳優陣で、腹の底から笑えた何度見ても笑える映画。さすがスピルバーグ。スピルバーグだけあって、英語の駄洒落満載なので、英語のわかる方は字幕なしで見てほしい。例えば、waterとWalterなど、ネイティヴでも聞き間違えるような単語を上手に使っている。この映画で、トム・ハンクス=コメディ俳優の評価が定着したが、日本ではそれほど評価は高くなかったようだ。
 英語の駄洒落を楽しみたかったら、スピルバーグの「世にも不思議なアメージング・ストーリー」(1985年)が超オススメ。オムニバス映画だが、「Mummy Daddy」(パパはミイラ)のようにタイトルからして韻を踏んだ駄洒落になっていたりして…。この「パパはミイラ」は英語の駄洒落だけでできているようなホラー・コメディでランキングにも入れたい映画である。

2位  博士の異常な愛情または私は如何にして心配するのをやめて水爆を愛するようになったか
    1964年 イギリス・アメリカ
 これこそブラック・コメディの代表作で、キューブリック監督が異彩ぶりを遺憾なく発揮した映画。ピーター・セラーズとジョージ・C・スコット2人の怪演を見ているだけでもこの映画を見る価値がある。

3位  アダムス・ファミリー  1991年 アメリカ
 好きな俳優のラウル・ジュリアの演技の幅広さに脱帽したが、脇を固める俳優陣も実力派ばかりで凄い。2作目も面白かったが、ラウル・ジュリアが死んだために3作目が作られなかったのが淋しい。

4位  マダムと泥棒    1955年 イギリス
 とぼけたマダムと現金輸送車強奪犯の取り合わせだが、マダムのトボケぶりとアレック・ギネスの怪演が素晴らしく、最後のオチに至るまであらゆるところに伏線が張り巡らされているサスペンス・コメディ。如何にもイギリスの奥ゆかしいコメディである。

5位  宇宙人ポール    2011年 イギリス・アメリカ
 細かく言えばSFコメディに属するが、地球人の常識は宇宙人の非常識という異文化体験をできるコメディらしからぬSFコメディ風刺映画。

6位  お熱いのがお好き  1959年 アメリカ
 まず設定(脚本)が素晴らしく、そのうえマリリン・モンローの可愛さに演技達者なジャック・レモンとトニー・カーティスの女装ぶりが面白い。

7位  シリアル・ママ    1994年 アメリカ
 英語の題名の発音からして掛詞になっているブラック・ユーモアあふれるシニカルなコメディ映画だが、非常に面白い。
 モンスターPTAの走りで、この映画をなぞるように時代が追いかけているのが、どうにも気になる…。

8位  101        1996年 アメリカ
 アニメ「101匹わんちゃん大行進」の実写版だが、「ホーム・アローン」につながる面白さ。「ホーム・アローン」はスラップスティック的なのでランク外。
 続編の「102」もよくできている。が、これだけの動物の調教は大変だろうな、っていつも思う。

9位  テッド       2012年 アメリカ
 コミカル・ファンタジーの代表作だが、マーク・ウォルバーグ演じるジョンに痛烈なブラック・ユーモアが込められていて、汚い台詞が多いが設定(脚本)とテッドの表情が面白い。
 喋るぬいぐるみとともに育った男のいつまでも大人になれない悲哀をよく描いていて、続編もお薦め。

10位 永遠に美しく…    1992年 アメリカ
 永遠の美に憧れる女性をブラック・ユーモアたっぷりにシニカルに描いたファンタジー・コメディ。当時40代半ばのメリル・ストリープとゴールディ・ホーンの掛け合いは笑わせる。
 それにしても、女というものはそこまでして美しくありたいものなのか?

番外 逆噴射家族     1984年 日本
 相対的にはよくできたブラック・ユーモアたっぷりの映画だが、前半で少々ダレるところありで番外。

この記事を書いた日の深夜、スペイン映画「刺さった男」(2014年)を見たが、凄いシニカルなブラック・ユーモアたっぷりの映画なのでこの記事を書き直さなければならないかなと思った。しかし、エンディングでブラック・コメディ映画を離れてしまったことが残念。でも一度は見る価値ありの映画だった。

アクション・コメディベスト10

アクション・コメディベスト10

鎌田一孝(6組)



アクション映画に入れたいが、さりとてコミカルさに笑える映画ということで、コメディ部門・アクション部門から切り離してアクション・コメディというジャンルを作ったので、ご覧あれ。

1位 燃えよ! ピンポン   2007年 アメリカ
 普段は真面目に映画を見ているが、この映画は大爆笑した。何度見ても面白く、特にあのクリストファー・ウォーケンが真面目な顔で卓球をしながら演技しているのを見ているとこちらまで楽しくなってくる一押しの映画。オスカー俳優がこういう映画にも出演しくれているのが嬉しい。
 題名からして「燃えよドラゴン」のパロディだったり、いろいろな映画のパロディ満載で元ネタを探す隠れた楽しみあり。

2位 トゥルー・ライズ  1994年 アメリカ
 「キンダガートン・コップ」でコメディに演技開眼したシュワちゃんとホラー映画で有名だったジェイミー・リー・カーティスの掛け合いが面白く、本職がコメディのトム・アーノルドを喰ってしまっている。また、ホラー映画の「絶叫クイーン」と言われたジェイミー・リー・カーティスの驚き慌てる様は、その名にふさわしいものである。しかし、敵役のアート・マリク(007リビング・デイライツ)の演技に大ファンとなってしまった。すごみのある演技でありながらその中に一抹の笑いを含んでいるという演技は、なかなかそう見られるものじゃない。すごい俳優だ。
 脚本・演出などすべてにわたっていうことのない映画である。

3位 バード・オン・ワイヤー  1990年 アメリカ
 アクション俳優メル・ギブソンとコメディエンヌのゴールディ・ホーンの掛け合いが最高に面白い。途中で出てくる女獣医は美人だし…。
 でもこの映画のかわいいゴールディ・ホーンが45歳なんて誰が信じることができようか?

4位 マーヴェリック  1994年 アメリカ
 「バード・オン・ワイヤー」でコメディ開眼したメル・ギブソンとオスカー女優のジョディ・フォスターに名優ジェームズ・ガーナーとジェームズ・コバーンが絡むどんでん返しに次ぐどんでん返しのエンタテイメント映画。特に昔のテレビシリーズの役柄とは全く逆の役を演ずる二人の名優が素晴らしい。

5位 Mr.&Ms.スミス  2005年 アメリカ
 アクション映画に分類しても確実にランクインする映画だが、ブラッド・ピットのコメディアンぶりが面白い。ブラピを見直した。また、ブラピと恋愛中でこの映画のあと結婚したアンジェリーナ・ジョリーが恋愛しているさなかの美しさと表情で、演技ではないなんとも言えないいい味を出していた。気の利いた台詞など、脚本家の力も見逃せない。

6位 TAXi      1998年 フランス
 さすがリュック・ベッソンと言いたいところだが良かったのは1作目だけ、2作目以降は駄作になってしまったカーアクション+コメディの映画。

7位 ホット・ファズー俺たちスーパーポリスメン!ー  2007年 イギリス
 アクション・コメディというよりはサスペンス・コメディに近いが、なんのなんのアクションも凄いし、何と言っても笑える映画である。

8位 ミッドナイト・ラン  1988年 アメリカ
 ロバート・デ・ニーロの映画だからと見たが、コメディ映画とは思わなかった。でも非常に面白く、チャールズ・グローディンのコメディアンぶりが素晴らしい。

9位 ビバリーヒルズ・コップ  1984年 アメリカ
 1作目はコメディ色のあるサスペンスものだったが、2作目では典型的なアクション・コメディになり、3作目で沈没した。共演のジョン・アシュトンとジャッジ・ラインホルドのコメディアンぶりに笑える(特に2作目)映画。

10位 コンボイ      1978年 アメリカ
 コメディタッチは少ないものの最後にカタルシスを得られる思い出の映画。

番外 地球防衛未亡人   2014年 日本
 壇蜜のエロチック・コメディ映画(R指定なし)だが、パロディ満載でどちらかと言うと”ほくそ笑みながら”観る映画。

番外 龍三と七人の子分たち 2015年 日本
 詳しくは、日本映画ベスト35の35位をご覧ください。


 現実逃避したいときは、アクション・コメディを見て腹の底から笑うに限る!!

アクション映画ベスト30

アクション映画ベスト30

鎌田一孝(6組)



アクション映画と言えば、金をかけたアメリカの大作映画が中心になりそうだが、やっぱり半分はそうなってしまった。どれも甲乙つけがたくランク付けが難しいので、適当に並べた。
シリーズ物が多いが、大概1作目はB級映画として低予算(5千万ドル以下)で作られていた。そのあと、ヒットしたため2作目から予算増でA級映画に昇格したものが多い。

1位  ダイ・ハード      1988年 アメリカ
 1作目は低予算B級映画だった。そのために、舞台となるビルは映画会社の自社ビルで、俳優陣はTV俳優ばかりである。しかし、これで有名になったアラン・リックマン(こんな凄い悪役俳優とは知らなかった)もアレクサンダー・ゴドノフも死んでしまった。30年の月日は如何ともし難いと思える。
 現在、5作目まで制作されているが、3作目から急にスケール・ダウンしたため、LD・VHS・DVDすべて持っているのは、2作目までである。英語シナリオ所有。

2位  96時間        2008年 フランス
 この1作目は息を継ぐ暇もないほどのアクションの連続で、我々とほぼ同い年のリーアム・ニーソンもようやるなぁ(@_@;) 2作目、3作目と流れるにつれサスペンス感が縮んでいくのは、続編の宿命か。

3位  チョコレート・ファイター 2008年 タイ
 日本人と同じ顔つきで、自閉症少女を演じている主演女優ジージャーの体を張ったスタントなし、寸止めなしのアクションが凄い。エンドロールでNG集が流れるが、ようあれで生きてるわと思うくらいの激しいアクションは見て損はなし。ジャッキー・チェンのアクションよりも凄いでぇ。あ、阿部寛が日本から出演しているのもひとつの見所。
 この映画のためだけにジージャーは4年間の猛特訓をさせられて、この映画でデビューした監督の秘蔵っ子だそうだが、もともとテコンドーでは12歳で国際大会の金メダルを取ったくらいだから、それだけの下地はあったということだろう。
 超オススメ作品の一つ。

4位  マッド・マックス    1979年 オーストラリア
 これも1作目は低予算B級映画だった。スナックで知り合ったバイク好きの飲み仲間に誘われて観た映画である。
 私のお気に入りは2作目。敵役バーノン・ウエルズの演技が凄いが、「コマンドー」に出演したときには往年の迫力はなかったのが淋しい。カーアクションのない3作目は好みではないし、最新の4作目はアカデミー賞を取ったが設定が現実感離れしてしまってあまり好きではない。

5位  ランボー       1982年 アメリカ
 同じく1作目が低予算B級映画だった。私のお気に入りは2作目。このシリーズも4作目で終了したのが淋しい。

6位  ボーン・アイデンティティ 2002年 アメリカ
 3作続けて見て初めてすべての謎が解ける仕組みになっている。ひ弱な感じのマット・デイモンのアクションが素晴らしい。「リプリー」のマット・デイモンはいただけないが、この映画で彼を見直した。
 ちなみに4作目の「ボーン・レガシー」は前3作と同時並行で起こる別事件。

7位  燃えよドラゴン    1973年 香港・アメリカ
 言う必要がないほどのカンフー映画。「アチョ〜!」が一時流行った。他のブルース・リー映画も良いが、これが最も出来が良いと思う。スローで見てもブルース・リーの切れの良いアクションは見えへんもん。そして、昔の香港の姿を見られるのも見所の一つ。今の香港では、この映画に出てくるサンパンや風景自体がなくなっているので、淋しい気もする。
 そう言えば、「燃えよデブゴン」なんてのもあった、あった。千日前国際劇場で観たっけ。

8位  トゥームレイダー   2001年 米・英・独・日
 アンジェリーナ・ジョリーがアクション女優として有名になったゲーム出自の作品。1作目には最近のジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグが端役の悪役で出ている。2作目も良し。

9位  キック・アス     2010年 アメリカ・イギリス
 天才子役クロエ・グレース・モレッツのスタントなしの生身のアクションが素晴らしい。この子はアクションだけでなく演技力もあるので将来、絶対オスカーを手にするはず。でも2作目はグッと落ちたなぁ。

10位 トランスポーター   2002年 フランス・アメリカ
 SFホラー「ゴースト・オブ・マーズ」のジェイソン・ステイサムを一躍アクション俳優にした映画。体を張ったアクションはやはり見応えがあるし、警部役のフランス人俳優のコメディアンぶりも面白い。今のところ4作目まで見ている。
 ジェイソン・ステイサムの動きは一般人とは違うなぁと思って調べてみたら、高飛び込みのオリンピック代表だったとのこと。そりゃやっぱり動きが違うわけだわ。納得。
 1作目の共演女優スー・チーは、ジャッキー・チェンとの共演作「ゴージャス」で知っていたが、この作品では魅力全開。台湾の女優だが、香港時代のポルノグラフィもある。
 4作目は、俳優陣を入れ替えてのリブート作品。カー・アクションが前作に比べて派手になっている。

11位 アルティメット    2004年 フランス
 現代の忍者を思わせる軽い身のこなしを見るだけでも価値あり。調べてみると主役のシリル・ラファエリは他の映画にも端役で出ているようなので、また見直す映画が増えた。
 続編の「アルティメット2」も派手なアクションで面白い。

12位 コロンビアーナ    2011年 アメリカ・フランス
 サスペンス映画に分類しても良いが、「アバター」の主役ゾーイ・サルダナの切れの良いアクションに着目してこちらに分類。サルダナの子供時分を演じる子役のアクションも素晴らしい。

13位 レザボア・ドッグス  1992年 アメリカ
 クエンティン・タランティーノ監督を一躍有名にした映画で、後の「パルプ・フィクション」のように時系列をバラバラにする手法もとられ、一度見たらもう二度と見たくないと思わせるほどの暴力描写など、これ以前の映画の手法との差異が数え上げればきりがないほど印象的なアクション映画。アメリカで"変顔"と言われるスティーブ・ブシェミがいい味出してるなぁ。

14位 ザ・シューター/極大射程  2006年 アメリカ
 最近よく再放送されているが、サスペンス映画としても特一級の映画。初めて見た時は、ローナ・ミトラ(アンダーワールド/ビギンズ、ドゥームズデイ)が出ていることさえ気づかなかった。

15位 ハイランダー/悪魔の戦士  1986年 イギリス・アメリカ
 カルト・ムービーの代表で分類に迷った映画。ファンタジー映画に分類すればよかったか。
 大好きな映画で、1作目「悪魔の戦士」でのロクサーヌ・ハート(評決)、クランシー・ブラウン(スターシップ・トゥルーパーズ)、2作目「甦る戦士」(1991年)でのジョン・C・マッギンリー(ザ・ロック)、マイケル・アイアンサイド(スキャナーズ、スターシップ・トゥルーパーズ)、3作目の「超戦士大決戦」(1994年)でのデボラ・カーラ・アンガー(ザ・ゲーム、クラッシュ)、マコ岩松(ライジング・サン)などお気に入りの俳優が必ず出ている。ただし、1作目と2作目、2作目と3作目にはそれぞれストーリーにはつながりがないので、分かりにくい。最終の4作目「最終戦士」は駄作。

16位 リーサル・ウエポン   1987年 アメリカ
 「マッド・マックス」のメル・ギブソンがアメリカに戻り撮影したアクション大作シリーズだが、1作目の悲壮感が2作目以降なくなってしまい、ダニー・グローバーとの掛け合い漫才が主となり、ジェット・リーが出ているにもかかわらず4作目の最後ではファミリー映画になってしまった残念作。1作目と2作目での評価でこのランク。

17位 アンダー・ワールド   2003年 米・独・洪・英
 一応アクション映画に分類したが、シリーズすべてを通して観るとダーク・ファンタジーといっても良いだろう。ただ、ケイト・ベッキンセイルのアクションが素晴らしいことは確かである。
 1作目と2作目「アンダーワールド:エボリューション」(2006年)はもともと1本の映画だったので、ストーリーや展開・設定において齟齬は見られず、十分楽しめる。3作目「アンダー・ワールド/ビギンズ」(2009年)は1作目の前日譚。1作目と2作目は、フォーカスがはっきりしていてかつ青系の色彩で撮られているが、3作目は黒系の配色である。特に1・2作目のライティングは素晴らしい。レン・ワイズマン監督の力量だろう。
 4作目「アンダーワールド/覚醒」と5作目「アンダーワールド: ブラッド・ウォーズ」は、2作目の続編だが、やはり映画のレベルが落ちている。というよりは、フォーカスが甘く、灰色系の色彩で分かりにくいというのがあるかも知れない。これは、監督が代わったせいもあるだろう。
 時系列順で言えば、3作目→1作目→2作目→4作目→5作目と見た方が、登場人物の相関関係がわかりやすいと思う。3作目まででストーリーの謎解きは終わっているが、それに至るまでに1作目からあちこちに伏線が張られているので、ミステリーの醍醐味も味わうことができる。またヴァンパイアになったときの目の色が変わることなどで観客への説明になっていたりするので、何度も見ると「ああ、そうだったのか」とすべてが理解できるようになっている。
 1作目の終盤から2作目のケイト・ベッキンセールのアクションが最高に良い。1作目と2作目だけならばトップ5に入るホラー・アクションの代表作。
 ちなみに、狼男の一人を演じている黒人俳優が大学で遺伝子工学を学びこの映画の脚本を書いた人である。道理で、この世界設定が納得できるはずだ。

18位 ミッション・インポッシブル  1996年 アメリカ
 中学から高校にかけての懐かしい「スパイ大作戦」のリブート映画だが、トム・クルーズのスタントなしの生身のアクションが作を重ねるごとに良くなっている。1作目はサスペンス・アクションだが、2作目以降は完璧にアクション映画としての地位を保っている。

19位 男たちの挽歌     1986年 香港
 香港ノワールの代表作。チョウ・ユンファを有名にした映画だが「さらば我が愛 覇王別姫」のレスリー・チャンの意地っ張りぶりに腹が立つ映画でもある。音楽が男の哀しさをよく表しているのも、見所の一つ。
 2作目も良いが、3作目は1作目の前日譚。このシリーズは全3作で、「男たちの挽歌」と銘打っている他の映画はこのシリーズとは関係ない。

20位 狼よさらば      1974年 アメリカ
 Death Wishシリーズの1作目でこれ以降「ロサンゼルス」(1982年)→「スーパー・マグナム」(1985年)→「バトルガンM16」(1987年)→「狼よさらば 地獄のリベンジャー」と続くが、これこそ題名を統一してほしい(英題はすべてDeath Wishで統一されている)。2作目までが真面目な映画で、3作目以降見ていると、1・2作目の娘の復讐という大義名分が薄れてきて少々飽きが来てしまうが、ブロンソンの渋さがよい。ウ〜ン、マンダム……

21位 フェイス・オフ     1997年 アメリカ
 「男たちの挽歌」のジョン・ウー監督が渡米して最初に撮った映画。「狼/男たちの挽歌 最終章」(1989年)や後の「M:I-2」(2000年)のようにクライマックスの銃撃戦の前には必ず白鳩が舞うスタイルもジョン・ウー監督の得意技で、ジョアン・アレンと好きな女優のジーナ・ガーションが良い味を出している。口角がキュンと上がったジーナ・ガーションの唇にはなんとも言えない色気がある。

22位 ニキータ       1990年 フランス・イタリア
   アサシン 暗・殺・者  1993年 アメリカ
 「ニキータ」をアメリカでリメイクしたのが「アサシン 暗・殺・者」だが、どちらも良い。ストーリーも素晴らしいし、「ニキータ」でジャンヌ・モロー(死刑台のエレベーター、突然炎のごとく、黒衣の花嫁)の演じた役柄を「アサシン 暗・殺・者」でアン・バンクロフト(奇跡の人、卒業、アグネス)を演じていて、二人の名女優の演技に酔う、これ最高。ちなみに「アサシン 暗・殺・者」の主役はガブリエル・バーン(エクスカリバー)とブリジット・フォンダ(「イージーライダー」のピーター・フォンダの娘)。

23位 七人の侍       1954年 日本
 日本映画の最高傑作、言うことなし。海外でいろいろリメイク・リブートされているが、雨の中での戦いのシーンは、撮影手法も含めて素晴らしいの一言。また一人ひとりの性格描写も詳しいので七人全員が主役となっていて、黒澤明の真骨頂ここにありと思わせる。

24位 刑事ニコ/法の死角   1988年 アメリカ
 この映画と「ハード・トゥ・キル」(1990年)、「アウト・フォー・ジャスティス」(1991年)は本物のセガール合気道が存分に観られる映画。
 実は、セガールが大阪に住んでいたときには私も近くに住んでいて、十三にある道場の近くの焼き肉屋で会ったことがあった。当時はまだ肉を食べていたのに、菜食主義になって太ってしまったような気がする。

25位 007シリーズ     1962年 イギリス・アメリカ
 これも今では大作映画だが、1作目の「ドクター・ノオ」は完璧な低予算B級映画だった。3作目はスパイ映画の公式を作り上げたエポック・メイキングな作品で、90年代からアクション映画の代表作となった。
 今ではほこりを被っているが、20作目までの全シリーズのDVDは値段がメチャ高かった。10作目の「私を愛したスパイ」は「サスペリア2」と並んで私のいちばんの思い出の映画。1977〜1980年は、いっぱい映画を観たからなぁ…

26位 暴走特急       1995年 アメリカ
 「沈黙の戦艦」(1994年)で4大アクション・スターの地位を得たセガールの「沈黙の戦艦」の正式続編。サスペンス映画としてもよいほど。「沈黙の」シリーズはこの2作だけで、他の「沈黙の〜」と銘打たれた映画は無関係。

27位 バイオハザード    2002年 英・独・米
 ゲーム出自のこのシリーズも息が長い。現在進行形で続いているが、アニメ版「バイオハザード ディジェネレーション」(2008年)と「バイオハザード ダムネーション」(2012年)も面白い。アニメと言えないアニメで実写版に近い。しかも日本製というではないか。「〜ヴェンデッタ」も面白い。

28位 デス・プルーフ in グラインド・ハウス   2007年 アメリカ
   プラネット・テラー in グラインド・ハウス 2007年 アメリカ
 ワンセットでアメリカでは公開されたそうだが、デス・プルーフではゾーイ・ベル、プラネット・テラーではローズ・マッゴーワンのアクションが見応えあり、笑える場面もあるし、ブルース・ウィリスが端役で出ていたり、モロB級映画の楽しさを味わえる。

29位 暴力教室’88      1988年 アメリカ
 この映画はVHSで録画したものしか残っていないが、非常に印象深い映画であった。「K-9友情に輝く星」のジェームズ・ベルーシが新任の校長となって、どうしようもない暴力高校に転任するところから映画が始まる。リメイク元の「暴力教室」(1955年)の映画は観ていないが、一度見てみたいと思う。
 これを書いた日、「〜'88」を見ようと思ったら、VHSのテープが切れてしまっていた。どうしよう…。

30位 ドラゴン・フォー/秘密の特殊捜査官 2012年 中国・香港
 ついこの間、期待せずに見たのだが、全3作を連続6時間ぶっ続けで見てしまった。武侠ドラマはほとんど見ないが、これは面白かったし、何と言っても江一燕(ジャン・イーイェン)の愁いを帯びた美貌を見ているだけで時の流れを忘れてしまった。CGとワイヤー・アクションが多いが、それさえ気にさせないストーリー・テリングは素晴らしい。


番外 蜘蛛巣城     1957年 日本
 「暗殺者」(1995年)とどちらにしようか迷った末に、「蜘蛛巣城」に決定。アクションは「七人の侍」に次いで素晴らしいし、矢を射られる三船敏郎の表情が演技とは思えなかったので、こちらをランクイン。
 ちなみに「暗殺者」はアントニオ・バンデラス、シルベスター・スタローン、ジュリアン・ムーアの共演によるサスペンス・アクションで、低予算で作られたとは思えないほど出来の良い映画。

 アクション映画もファンタジー映画と同じく、疲れたときに何も考えずに見ることができるのがいい。

ミステリー映画ベスト30

ミステリー映画ベスト30

鎌田一孝(6組)



サスペンスとミステリーの境界は曖昧で、どちらに分類すべき作品か迷うのがほとんどですある。
ここでは、サスペンスは「犯人が最初からわかっていて途中の経過を(ヒヤヒヤしながら)楽しむ」、ミステリーは「誰が犯人かわからず最後になって謎解きされる」あるいは「最後にどんでん返しが存在する」映画ということで分類してみました。なお、スリラーは「サスペンスの中でも緊張感が恐怖感に近い」映画ということにした。
そのため「サイコ」などの作品は、ホラーまたはヒッチコック映画に分類したいと思う。
どれも甲乙つけがたく暫定的な順位だと考えていただいて結構です。

1位  テキサスの五人の仲間   1966年 アメリカ
 これは完璧に騙された! 最後5分での大どんでん返しの映画。超オススメ。名優揃いの映画だけに、最後まで騙されてしまった。見終わって「エ〜!!!」となり、もう一度見直すことになった映画である。

2位  カル           2000年 韓国
 最後まで犯人がわからなかったが、見終わってもわからない……。消化不良になるが、大好きな映画。麻薬のように禁断症状が出ては、見るのをやめられなくなる作品。何回も見ると犯人は絶対こいつしかいないのだが、途中過程にあるヒントと一致しなかったり(それぞれ別個の犯人だったとか)、わから〜ん・・・

3位  そして誰もいなくなった  1945年 アメリカ
 何本かある同じ原作の映画の中ではベストだが、差別用語(Indianなど)が含まれているため最近ではなかなか見ることができない。やっぱりモノクロの映画は、ミステリーやサスペンス映画に向いていると思う。

4位  ペリカン文書       1993年 アメリカ
 語り口が抜群の大好きな映画だが、日本では問題になる大学院生と教授の恋人関係はアメリカでは普通。ジュリア・ロバーツの「フラット・ライナーズ」(現在の名優そろい踏み)も面白い。

5位  コピーキャット      1995年 アメリカ
 「エイリアン」のシガニー・ウィーバーにこんな役をやれるとは思わなかったが、よい意味での期待外れで、恐怖に打ち震える演技が見物である。「羊たちの沈黙」とよく似た筋立てで、共演のホリー・ハンター(ピアノ・レッスン)も素晴らしい演技を見せている。さすがオスカー女優!

6位  ユージュアル・サスペクツ  1995年 アメリカ
 これも最後までわからず、最後の3分ですべての謎が解明される仕掛けで、1回観ただけではあちこちに散りばめられたヒントを見落としてしまう典型的なミステリー映画。最低2回は見ないと真実は見つけられない!!

7位  さらば友よ        1968年 フランス
 チャールズ・ブロンソンの男臭さとアラン・ドロンの男の友情を描いた秀作で、原作には映画の続きが描かれている。やっぱりミステリー・サスペンスはフランス映画に限る。

8位  サンセット大通り     1950年 アメリカ
 自分と同じ落ちぶれた女優を演じたグロリア・スワンソンの怪演が素晴らしい大好きな映画。これは、殺された記者の独白から始まる珍しい映画である。

9位  雨の訪問者        1970年 フランス
 ヤンリクでこの映画の主題歌がよくかかったが、ブロンソンの男臭さと映像美でグイグイ引っ張っていく佳作。

10位 ゴーリキー・パーク      1983年 アメリカ 
 出演している演技派の名優揃いのこの映画の中で主演のウィリアム・ハートという俳優を知ったが、アカデミー賞を取る前だった。これも好きな映画。背景の自然が美しい。

11位 復讐のビッグガン リヨン連続殺人事件 1985年 フランス
 フランスの名優アラン・ドロンとジャック・ペラン二人によるどんでん返しの映画。中年に差し掛かったドロンの色気が堪能できる映画。

12位 オリエント急行殺人事件   1974年 イギリス
 オールスター総出演でのポワロ映画だが、ピーター・ユスチノフのポワロでない分、減点。このシリーズはやっぱりピーター・ユスチノフ!

13位 L.A.コンフィデンシャル   1997年 アメリカ
 後に有名になる新進俳優二人(ラッセル・クロウとガイ・ピアース)+ケビン・スペイシーとキム・ベイシンガーが織りなすサスペンス・ミステリー。

14位 情婦            1957年 アメリカ
 これも「テキサスの五人の仲間」と同じような大どんでん返しの映画で、名優マレーネ・ディートリッヒに対し大根役者タイロン・パワーの取り合わせがたまらなくイイ。

15位 セブン           1995年 アメリカ
 カタルシスがないぶん減点されやすい映画だが、ストーリー・テリングのうまさに感動。バッド・エンドの結末は、アメリカ映画では珍しい。キリスト教の七つの大罪を理解した上で、見た方がよいだろう。

16位 フライト・ゲーム       2014年 アメリカ・フランス 
 シチュエイション・スリラーだが、最後まで犯人をわからせない語り口が素晴らしい。リーアム・ニーソンは、ここんところアクション映画づいているようだ。

17位 殺しのドレス        1980年 アメリカ
 マイケル・ケインの演技が素晴らしく、最後に思いがけない犯人に至るが、「サイコ」に近い筋立てのサイコ・スリラー・ミステリー。

18位 何がジェーンに起こったか?  1962年 アメリカ
 盛りを過ぎた二人の名女優(ベティ・デイビスとジョーン・クロフォード)による映画でホラーに分類しても良いが、大どんでん返しがあるのでここに分類。本当に怖かった。矢っ張り名優が出ている映画はいい。

19位 マルタの鷹         1941年 アメリカ
 モノクロの映像で早口のハンフリー・ボガードが抜群に素晴らしい。英語のリスニング練習に最適。原作は、中1時代の付録で読んだ記憶がある。当然、概略だったが、それがミステリー小説にのめり込むきっかけでもあった。

20位 薔薇の名前         1987年 仏・伊・西独
 ショーン・コネリーが演技派として復活した記念すべき映画だが、天才子役クリスチャン・スレーターとロン・パールマンの演技が素晴らしい。ただし、ウンベルト・エーコの原作は何度読んでもわからん・・・

21位 動く標的          1966年 アメリカ
 素晴らしい女優陣にポール・ニューマンと来れば面白いに決まっているし、続編の「新・動く標的」も面白い。「チャイナタウン」と双璧をなす探偵もののミステリーである。

22位 フランティック       1988年 アメリカ・フランス
 「推定無罪」とどちらにしようか迷ったが、最初の20分の語り口でこちら。

23位 ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 2009年 瑞・丁・独
 アメリカ映画のリメイク版より、断然こちらの三部作が良い(断言)。原作を読んでから、映画を観た方がよいかも知れない。

24位 ゲーム           1997年 アメリカ
 先の読めない展開に加え、好きなデボラ・カーラ・アンガーが出演しているのでランク・イン。

25位 クリムゾン・リバー      2000年 フランス
 続編も良いが、初作のこちらの方が抜きんでている。

26位 アグネス          1985年 アメリカ
 ジェーン・フォンダと名優アン・バンクロフトの演技合戦(科学vs宗教)で一瞬たりとも目が離せない映画。殺人が出てこない珍しいミステリー映画。

27位 バルカン超特急       1938年 イギリス
 殺人が出てこない唯一のヒッチコック映画で特に好きな映画だが、このおばあさんを演じた女優の他の映画も観てみたい。

28位 薔薇の素顔         1994年 アメリカ
 サイコ・スリラーとして優れた映画で、ジェーン・マーチの男装と精神障害について(ネタバレしてしまった)は最後までわからなかった。

29位 ナインスゲート       1999年 仏・西・米
 ヒッチコック映画によくある巻き込まれ型犯罪映画だが、ポランスキー監督の語り口で最後まで飽きさせない。

30位 推定無罪         1990年 アメリカ
 今は亡き弁護士役のラウル・ジュリア(アダムス・ファミリー、蜘蛛女のキス)の演技にゾクゾクするが、出番の少ない(たった2,3分)のが玉に瑕。

番外 ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最後の七日間 1992年 アメリカ
 これを番外にしたのは、映画版ではなくテレビ版が凄かったから。テレビ版もすべて見たが、次第に話が大きくなって監督自身が止められない様相だった。映画版はそれを絞り込み、ミステリーとして完成させた映画。

番外 F/X 引き裂かれたトリック  1986年
   F/X イリュージョンの逆転  1991年
 これと言って番外にする理由はないのだが、どうしても入れたくて番外とした。VHSテープでしか残っていないが、映画でSFXをどう作っていくかという裏方の男が、その技術を見込まれて政府の仕事に携わるうち、巨大な陰謀に巻き込まれていく映画(1986年版)である。
 犯人がわかっているからミステリーではないが、かといってサスペンスフルな映画でもない。それでも最後の種明かしなどは、ミステリーの形式をとっているのでこのジャンルに入れた。最後にカタルシスを得られる代表的な映画。
 でも、なぜか続編の1991年版は、VHSに3本も録画してあった。

ミステリーやサスペンスでは言いたいことがいっぱいあるが、頭の体操としてはミステリーがよいかも知れない。ただし、カタルシスを得られない映画(小説で言えば麻耶雄嵩の「夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)」のようなもの)も多いので、ミステリーを見る場合は作品を慎重に選ばなければならない。

理系人間は、ミステリー小説を特に好んで読むようである。教え子を見ていてもこの仮説は正しいと思う。
ミステリー小説は与えられたヒントを活用して謎解きをするのが骨子であるが、これは数学・理科に共通する考え方である。序盤から中盤にかけて画面・文章で与えられたヒントから結論を導き出すのは、数学・理科において問題で与えられた条件から解答を導き出すのと同じだからだと考えられる。
京大推理小説研究会の犯人当てクイズと同様、ミステリー映画を見るときは序盤から一瞬たりとも目を離さず、与えられたヒントから犯人を捜し当てる練習をしてみてほしい。そうすればミステリー映画の面白さがわかると思う。

サスペンス映画ベスト30

サスペンス映画ベスト30

鎌田一孝(6組)



サスペンスとミステリーの境界は曖昧で、どちらに分類すべき作品か迷うのがほとんどである。しかし、どちらもB級作品が活躍できるジャンルだと私は考えている。
一歩間違えればホラー映画になったりするが、ここでは独断と偏見で30本選んでみた。

1位  インファナル・アフェア  2002年 香港
 時間経過に伴う緊迫感(ヒヤヒヤ感)がたまらない! シリーズ通して見た方が絶対よい。
 挿入曲「被遺忘的時光」も効果的に使われ、教え子に頼んでCDを台湾で買ってきてもらった。私の選ぶ総合ベスト3の1本である。

2位  太陽がいっぱい     1960年 フランス・イタリア
 アラン・ドロンがサインの練習をするところなど見所満載で、いつバレるかの緊張感に息が止まる。音楽も最高に良い。
 小学校6年の時にこれをテレビで見ていたら、「勉強しろ!」と後ろから親父に座椅子でどつかれた曰く付きの映画。

3位  死刑台のエレベーター  1958年 フランス
 サスペンス映画とくればフランス映画、その代表作がこれで、これもいつ見つかるかという緊張感がすばらしい。日本でのリメイク版(2010年)も平均点以上。

4位  追いつめられて     1987年 アメリカ

 「大時計」(1948年)のリメイクだが、こちらの方が断然素晴らしい。もっと評価されても良い映画。

5位  十二人の怒れる男       1957年 アメリカ
    十二人の怒れる男/評決の行方  1997年 アメリカ
 この映画で民主主義とアメリカの裁判制度を知った。57年版も良いが、97年版も勝るとも劣らない出来で、特にジャック・レモンとジョージ・C・スコットの演技に拍手。民主主義と論理というものは素晴らしいと感嘆させられた映画である。
 少し古いが「スミス都へ行く」とこの2作は、民主主義を学ぶためには最良の映画だろう。

6位  ゆりかごを揺らす手   1992年 アメリカ
 レベッカ・デモーネイの美しさが女の怖さを引き立てていて、ありふれた脚本を鬼気迫る演技でカバーしている。

7位  羊たちの沈黙      1991年 アメリカ
 これは誰が見てもランクインする映画。アンソニー・ホプキンスが難しい役どころを軽々と演じている。続編が多いが、この1作目を凌ぐ続編はない。

8位  評決          1982年 アメリカ
 法廷サスペンスのジャンルならばこれが2位(1位は「十二人の怒れる男」)。ポール・ニューマンは言わずもがな、妖艶な謎の美女シャーロット・ランプリング、晩年のジェームズ・メイスン、新人のロクサーヌ・ハートとくれば面白くないはずがない。さすがに「十二人の怒れる男」を監督したシドニー・ルメット監督だけのことはあるが、ブルース・ウイリスが端役で映画デビューを果たした映画でもある。それにしてもシャーロット・ランプリングの緑色の瞳はきれいやなぁ。
 この映画の頃に、ポール・ニューマンがCMに出演しているニューマン・スカイラインの5ドア・ハッチバックを買って乗っていたのも懐かしい想い出だ。

9位  チャイナタウン     1974年 アメリカ
 脚本良し、配役良し、撮影良しの三拍子揃ったハード・ボイルド・サスペンス。16年後に続編「黄昏のチャイナタウン」が作られたが、1作目のフェイ・ダナウェイの娘が事件に関わっているところから脚本はよくできていて配役も良いが、1作目に比べるとちょっと小粒かな。

10位 真実の行方       1996年 アメリカ
 最後にどんでん返しがあるので「情婦」と同じ法廷ミステリー・サスペンスとでも言うべきか。この映画でエドワード・ノートンを知ったが、演技力に脱帽。それでエドワード・ノートン出演作は大概見ているが、常に一定以上の演技力を発揮している。

11位 ジャッカルの日     1973年 イギリス・フランス
 暗殺者ジャッカルを最後まで冷徹なカメラで追うフレッド・ジンネマン監督の代表作だが、それを追う警部に扮したミシェル・ローンズデールの演技も素晴らしい。

12位 白いドレスの女     1981年 アメリカ
 悪女映画と言うよりファム・ファタールのジャンルがあれば、当然のように1位にランクされるべき作品だが、キャスリーン・ターナーのデビュー作と知って二度びっくり(一度目は最後の大大どんでん返し)。

13位 危険な遊び       1993年 アメリカ
 「ホーム・アローン」のマコーレー・カルキンと実力演技派イライジャ・ウッドの子役演技合戦で、馬鹿にしていた映画だが、初めてこの映画を見たときは背筋が凍り付いた。配役の妙と言える映画だった。

14位 悪魔のような女     1955年 フランス
 名作中の名作で、サスペンス・スリラーの教科書とも言える作品。シモーヌ・シニョレの名演だけでなく、アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の手腕に負うところが大きいと思う。それが最初の場面と最後のどんでん返しで、真実が謎に包まれたまま終わるところが憎い。

15位 コレクター       1965年 イギリス・アメリカ
    コレクター       1997年 アメリカ
 この両者は全く違う作品だが、どちらも女をコレクションするという共通点があり(その意味は異なるが)、65年版のテレンス・スタンプの異常ぶりが怖く、97年版は警察映画となっている。なお、97年版は続編「スパイダー」がある。

16位 ザ・ファーム/法律事務所 1993年 アメリカ
 徳島に帰ってきて最初に観た映画だったが、やっぱりジョン・グリシャムの原作が素晴らしいし、主役のトム・クルーズを盛り立てるのにジーン・ハックマン(フレンチ・コネクション)、ハル・ホルブルック(ダーティーハリー2)、エド・ハリス(ザ・ロック、アビス)、ホリー・ハンター(ピアノ・レッスン、コピーキャット)、ゲイリー・ビジー(沈黙の戦艦)、トビン・ベル(ソウ)と言った名優を配する手腕がシドニー・ポラック監督のすごさ。
 パナマ文書が公表されてふと思ったのは、この映画通りのことが現実に起きていると言うことだった。未来を予見したようなジョン・グリシャムはやっぱり凄いの一言。

17位 コネクテッド      2004年 香港
 アメリカ映画「セルラー」の香港リメイク版だが、こちらの方がサスペンス感が強くアクションも優れていると思う(独断と偏見)。
 もっとも共演女優は「コネクテッド」のバービィー・スーより「セルラー」のキム・ベイシンガーの方が好きだが…、香港映画への思い入れが強いのかなぁ。

18位 ボディ・ヒート      1992年 アメリカ
 徳島に帰って来る前に大阪で観た最後の映画で、邦題名は忘れていたが、英題名の「Poison Ivy」で覚えていてやっと邦題に辿り着いた。
 「E.T.」の可愛い女の子を演じたドリュー・バリモアがアルコール・薬物依存症からの復帰第1作だったと記憶しているが、一家を乗っ取ろうとする悪女ぶりが凄かった。「エイリアン」ノストロモ号の艦長役のトム・スケリットが乗っ取られる家のお父さん役で出ていて(今回は髭なし)彼の表情の変化は良かった。今調べていて初めて気が付いたが、レオナルド・ディカプリオが出ているのを知った。早速帰ってDVDを観ると、ほんの1秒にも満たない一瞬だった。

19位 ブレーキ・ダウン     1997年 アメリカ
 期待せずに見たが、非常に面白かった。サスペンス・スリラーとしてもっと評価されても良い映画。なぜ見たかというと、好きなキャスリーン・クィンランが出ていたから
 序盤はミステリー、中盤はサスペンス、終盤はアクションと見応えアリ。

20位 氷の微笑        1992年 アメリカ
    危険な情事       1987年 アメリカ
 どちらを上位にするかで迷った末、同率とした。この2本の映画で世の男たちは女性恐怖症になり、社会問題化までした曰く付きの映画。「危険な情事」からストーカーという言葉ができ、「氷の微笑」ではファム・ファタールに手玉に取られる男の姿が浮き彫りにされた。この頃からか、今で言う草食男子が増え始めたのは?

21位 エンゼル・ハート     1987年 アメリカ
 最低2回は観ないと真相が掴めない映画で、ホラーよりもサスペンスに分類した。
 最初は冷静、途中からあたふたするミッキー・ロークに対し、妖艶なシャーロット・ランプリング、どっしり構えたロバート・デ・ニーロの対比が素晴らしく、意味のない画面で見る人を怖がらせるアラン・パーカー監督の手腕は凄い。エンディングは特に怖かった。

22位 愛の嵐          1973年 イタリア
 これもシャーロット・ランプリングとダーク・ボガードの映画だが、子供時代に肉体に刻み込まれた戦争の狂気が何十年後かに蘇ってくる怖さがあり、最後の銃声2発で引きずってきた戦後が終わるのか、考えさせられるサスペンス映画である。 

23位 パトリオット・ゲーム   1992年 アメリカ
 好きな俳優であるショーン・ビーンとアン・アーチャーが出ており、子役時代のソーラ・バーチが凄い演技を見せる。
 ジャック・ライアン・シリーズのうちの1作だが、シリーズ作品の中では、この映画のみが唯一サスペンスの王道を行っている。

24位 天国と地獄       1963年 日本
 誘拐の教科書的映画で、脚本・俳優・監督・アイデアすべてにおいて言うことなしのサスペンス映画。この映画を基に、実際に誘拐事件が起こったのも頷ける。
 犯人役の山崎努の演技が素晴らしい。特に最後の金網を隔てて告白する場面。

25位 激突!          1971年 アメリカ
 言わずと知れたスピルバーグ監督のデビュー作で、犯人を最後まで見せないのはスピルバーグ映画の特徴。
 続編も作られたが、全くストーリーに関係なし。好きなゴールディ・ホーンとウイリアム・アザートンが出ているが、どうも俳優陣を生かし切れていない感じ。

26位 エグゼクティブ・デシジョン 1996年 アメリカ
 アクション映画に分類しても良いが、旅客機中でのヒヤヒヤ感でこちらに分類。
 ハル・ベリーの美しさはもちろんのこと、ジョン・レグイザモやオリバー・プラットの演技が緊迫感をいやが上にも高めている。ただし、ダブル主演と言われたスティーブン・セガールが序盤で死んでしまっては看板に偽りあり。

27位 ザ・ロック       1996年 アメリカ
 エド・ハリス、ショーン・コネリー、マイケル・ビーンなど好きな俳優がいっぱい出演しているが、ストーリー・テリングが素晴らしい。
 ジョン・スペンサー(推定無罪)の貫禄の演技、ウイリアム・フォーサイス(アウト・フォー・ジャスティス)のどっしりした演技、デビッド・モース(危険な遊び)の冷静な演技、端役で出演のジョン・C・マッギンリー(ハイランダー2)の必死の演技など見所たくさん。
 また、悲壮感たっぷりの音楽の素晴らしさも、この映画が単にサスペンスだけではないということを物語っている。

28位 オブセッション/歪んだ愛の果て  2009年 アメリカ
 こういう良作をビデオスルーするとは、日本の現代の映画会社には見る目がないといえるだろう。主要人物はたった3人である。会社重役を演じるイドリス・エルバとビヨンセ演じるその妻、そしてイドリス・エルバをストーキングする白人秘書にアリ・ラーター(ファイナル・デスティネーション、バイオハザードⅢ)という配役である。この3人で最後まで緊張感を持って引っ張る演技力は凄いの一言である。
 しかし、それにしてもイドリス・エルバは、「プロムナイト」では少し違うが、ストーカー映画の常連なのはどうしてだろう。

29位 スコア         2001年 アメリカ
 「ゴッドファーザー」のマーロン・ブランドの遺作だが、それだけではなく演技派マーロン・ブランドにカメレオン俳優ロバート・デ・ニーロ、若くして演技派のエドワード・ノートンの騙しあいで、最後にどんでん返しがあるので十分楽しめる。エドワード・ノートンの演技がマーロン・ブランド、ロバート・デ・ニーロを喰ってしまっている。

30位 ダブル・ジョパディー  1999年 アメリカ
 この映画でjeopardyの意味を初めて知った。罠にはめられたアシュレイ・ジャッドが夫殺しで一度有罪になりながら、二重処罰(Double Jeopardy)の禁止のルールを知り、脱獄して別州でのうのうと生きている夫に復讐する物語である。それを追う保護観察官をトミー・リー・ジョーンズが演じている。「逃亡者」でもそうだったが、トミー・リー・ジョーンズに追われるとどうしても逃げきれないイメージがついてまわる。最後は、「逃亡者」と同じ結末を迎えるが、本作は生き別れた息子との再会が待っているところで、ハッピーエンド。

番外 テナント/恐怖を借りた男  1976年 フランス
 「サイコ」に通じるサイコ・スリラーものだが、精神に異常を来していく過程がサスペンス。監督は誰だろうと見てみると、やっぱりロマン・ポランスキー監督。それに加えて、あのエヴァ・イオネスコが出演している!!

 やっぱりサスペンス映画は、脚本や画面構成だけでなく、サウンドも立派な条件として必要である。緊張感を高める音楽を上手に配していくのも監督の重要な仕事だろう。
 サスペンスだけならばTVでも十分だが、大画面映画ならではのアドバンテージがほしい。
そういう意味では、「ブローン・アウェイ/復讐の序曲」や「デッド・カーム/戦慄の航海」などはランクインしてもよい映画である。

SF映画ベスト30

SF映画ベスト30

鎌田一孝(6組)



SF映画もホラーとダブったり、サスペンスだったり、いろいろ混在しているが、ここではスペース(宇宙)もの・近未来・パラレルワールドなどに絞った。
たまには現実逃避をしなければ、日常のストレスに殺されてしまいますでぇ。
そこで、現実世界を離れて楽しめる作品を主旨として選んだ。
異論は承知の上で、一人一人の興味関心が異なるので、ランクも一人一人違って当然だと思う。

1位  ターミネーター     1984年 アメリカ
 1作目は低予算B級映画だったが、2作目では1作目の制作費の17倍が費やされた。コンピュータの反乱における近未来という設定が、時代に即して人気を博した作品。シュワちゃんのロボットぶりが凄い。毎作、映像の進化を楽しめる映画である。
 新作の「〜:ジェニシス」を見たが、作り方に丁寧さが欠けていて、観客への説明がないがしろになっているように思う。1作目の時間軸が異なるパラレル・ワールドでの話だが、1作目を観た人にとっては「なぁ〜んだ?」というのではないだろうか。

2位  エイリアン       1979年 アメリカ
 これを大阪の映画館で始めてみたときに、映画の革命だと思った。出演俳優は知らなかったし監督の名前も聞いたことがなかったが、素晴らしい映像美で光と影の使い方が素晴らしかった。また、腹を食い破ってエイリアンの幼虫が出てくるシーンでは、監督は出演者に何が出てくるか伝えていなかったそうである。だから、このシーンの出演者の驚き方は本物である。9位「SF/ボディ・スナッチャー」にも出演しているヴェロニカ・カートライトは、ここでも恐怖で絶叫する女優として重宝されている。
 「エイリアン2」で監督が替わり娯楽大作映画となり、「エイリアン3」でシガニー・ウィーバーが死んでしまったが、「エイリアン4」でクローンで復活という、すべて毎作監督が異なるのに、ここまで見せる映画は素晴らしい。4作目では母と子の愛をテーマにしていてちょっと泣ける。
 でもすべてに共通するエイリアンのデザインがなんとも不気味。宇宙船も有機的なデザインで言うことなしの映画。初作はディレクターズ・カット版を観るべし。そうすれば、2作目以降と齟齬なく繋がるはずである。

3位  ブレードランナー    1982年 アメリカ
 これぞカルトムービーの代表作だが、大阪の映画館で見てからハマってしまった映画。LD・VHS・DVDを持っていて、劇場版・完全版・ディレクターズ版・ファイナル・カット版のそれぞれのバージョンでエンディングが異なっているし、主役のハリソン・フォードがレプリカントかどうかの疑問も消えないままである。ルトガー・ハウアーのアドリブとかいろいろエピソードがあるのも楽しい。
 それまでの明るい近未来を描いた映画とは異なり、雑多な暗い近未来を描いた初の映画でもある。その点では、アニメ「攻殻機動隊」と相通ずるものがある。映画制作本所有。

4位  ジュラシック・パーク   1993年 アメリカ
 小学5年生の教え子を連れて徳島ホールで見た時、映像の自然さに驚き、CGの進歩に驚いた。続編も多いが、1作目ほどのインパクトはない。最新作が公開されたようだ。英語対訳映画シナリオ所有。この本を見ると、英語の駄洒落が満載されていることに気付いた。
 この映画以降、CGがよく映画使われるようになったエポック・メイキングな作品である。

5位  猿の惑星        1968年 アメリカ
 エンディングのショッキングさだけでランクインする映画。相対性理論が理解できない方はこの映画を見るべし。
 何十年か経って、猿に扮したロディ・マクドゥールが「フライトナイト」のピーター・ビンセント、キム・ハンターが「欲望という名の電車」の美人のステラだと知って、これだけ変えられるメーキャップ技術のすごさにまた驚かされた。
 続編やリメイク版が多いが、その中で評価できるのは「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(2001年)で、リブート版新シリーズの「猿の惑星/創世記」(2011年)「猿の惑星/新世紀」(2014年)については上出来だと思う。CGがすばらしい。

6位  パラダイム       1987年 アメリカ
 この映画のVHSテープが切れてしまい、今では家で見られなくなっているが、非常に印象に残っている映画。けど、WOWOWでの放送を録画できたから一安心。
 ホラーと言った方がよいかも知れない。映像の編集が素晴らしかった。あ、やっぱりジョン・カーペンターの作品なんだ、納得。
 タキオンなど専門用語が出てきたり、ドナルド・プレザンス他大学教授役のビクター・ウォンなど個性派俳優が出演していたが、謎は心の底に澱のように溜まったままである。黒人俳優の唄うアメージング・グレースが何を意味するのかなど謎が解明されないままエンディングに向かうが、これに対する解答が欲しいところではある。

7位  スキャナーズ      1981年 カナダ
 映画館で初めて見た時、特殊メイクが素晴らしいし、脚本もよくできていると思った。この映画でマイケル・アイアンサイドという俳優を知ったが、当時も今も凄い俳優、怪優だと思う。
 続編もいろいろ作られたが、この初作に勝るものはない。

8位  遊星からの物体X    1982年 アメリカ
 「遊星よりの物体X」(1951年)のリメイクだが、ジョン・カーペンター作品らしくおどろおどろしい作り方をしている。リメイク元の51年版は見ているはずだが記憶がない。VHSに残っているので、もう一度観てみよう。
 ちなみに「遊星からの物体X:ファースト・コンタクト」は82年版の前日譚で、メアリー・エリザベス・ウィンステッド(ファイナル・デッド・コースター)が出演しているので許そう。

9位  SF/ボディ・スナッチャー  1978年 アメリカ
 ほんとに低予算のB級映画だったが、コアなファンが多く(自分もその一人)、いろいろリメイク・リブートされてきた作品。「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」(1951年)のリメイクだが、これも面白い作品。エンディングの描き方がうまい。この78年版では人面犬が大人気になった。周囲の誰も信用できず、眠ることもできない恐怖の描き方は秀逸。
 複数形の「ボディ・スナッチャーズ」(1993年)もあるが、これは基地内が舞台なので小粒に終わってしまった。ガブリエル・アンウォーとエイリアンの造形で持っているが、それでも平均点以上。また、「インベージョン」(2007年)もあるが、これも小粒な作品で終わってしまった。いろいろあるリブート映画の中で、「インベージョン」だけがハッピー・エンドとなっている。ただ、「SF/ボディー・スナッチャー」で重要な役どころを演じていたヴェロニカ・カートライトが「インベージョン」でも重要な役で出演しているのは嬉しい誤算だった。彼女は「SF/〜」の翌年、「エイリアン」に出演している。やはり恐怖の表情や叫びが最も似合う女優なのだろう。
 同様の映画に、「ブレイン・スナッチャー/恐怖の洗脳生物」(1994年)もあるが、なぜか「SF/〜」の主役であるドナルド・サザーランドが主演を務めている。続けて観ると間違えそうである。

10位 アンドロメダ…      1971年 アメリカ
   アンドロメダ・ストレイン  2008年 アメリカ
 どちらの映画も原作は同じだが、「〜ストレイン」のほうはテレビ映画という違いだけ。見比べてみると、71年版は今でこそセットがちゃちに見えるが、どちらも緊迫感漂う映画。

11位 ヒドゥン        1987年 アメリカ
 これも大好きな映画でカルト・ムービーのように扱われている。「デューン/砂の惑星」を後で見たのでカイル・マクラクランという俳優をこの映画で知った。カイル・マクラクランは玄人筋の評価が高い俳優だが、なぜか主演した映画はずっこけるというジンクスがある。「デューン/砂の惑星」や映画版の「ツイン・ピークス」とか端役で出た「ショー・ガール」もすべてずっこけたが、それでも熟年になっての「スプリング/死の泉」を私は評価している。
 やっぱりコアなファンが多いせいか続編も作られたが、初作に勝るものなし。

12位 スペースバンパイア   1985年 イギリス
 これもカルト・ムービーで未だにコアなファンの間で語り継がれている映画。奇想天外なアイデアと映像でランクイン。最近のこの映画のDVDはヘア無修正らしい…。

13位 アビス         1989年 アメリカ
 この映画を見てエド・ハリスという俳優がどれだけ凄いかわかった。それ以来、エド・ハリスの出演作はよく見ている。もともとジェームズ・キャメロン監督がCGの可能性を追求するために作った映画だが、水が人の顔になる場面をターミネーター2に生かしたエピソードは有名。このことは、LDの解説にも載っている。
 後半部分がどうも前半部の緊迫感にそぐわないということから、この順位。だからといって、後半部をどう作るかは制作者次第だから、何も言えない。

14位 スピーシーズ/種の起源  1995年 アメリカ
 徳島に帰ってきて初めて買ったLDがこれだった。酷評された映画だが、続編がたくさん作られたことでは、やっぱりコアなファンが多いということだろう。すでに有名だったベン・キングスレーとマイケル・マドセン以外に、後に活躍するアルフレッド・モリーナ、フォレスト・ウィテカー、マーグ・ヘルゲンバーガー、ミシェル・ウィリアムズなど今見れば錚々たる顔ぶれである。アカデミー賞を取った俳優が1人ではないことからもわかるように、監督には俳優の素質を見抜く目があったのだろう。設定も良いし、モンスターへの変身シーンも今見ても他のモンスター映画と遜色はないと思う。

15位 スターシップトゥルーパーズ 1997年 アメリカ
 初めて見た時は、昆虫を踏みつけて殺すシーンがあったのであまり良い印象を持っていなかったが、何度も見ているうちに名作のうちに入るのではないかと思うようになった。「ハイランダー」で敵役をやったクランシー・ブラウンが出演していることにさえ気づかなかった。続編は色々ありアニメもありすべて見たが、やっぱりこれがいちばん。マイケル・アイアンサイドが出ているせいか? ハインラインの原作は読んでいるはずなのに、全然気付かなかった。

16位 2001年宇宙の旅    1968年 イギリス・アメリカ
 ものすごく難解で抽象的な映画だが、キューブリック監督の深謀遠慮だったように思う。コンピュータ時代に突入する直前に、コンピュータの反乱を描いた映画はたくさんあるが、これはその最たるものであろう。モノリスの存在意義、コンピュータHALの考えなど、今でも不明な部分が多いが、キューブリック監督の問題提起であろう。

17位 アバター        2009年 アメリカ・イギリス
 これも映像革命を起こした映画の一つ。この映画から映画の撮影方法が大幅に変わってしまった。3Dでは見ていないが、2Dでも十分に素晴らしさがわかるようになっている。この主役の一人ゾーイ・サルダナの素顔があんなに美人だったとは思わなかった。

18位 パラサイト・クリーチャーズ 2013年 オーストリア
 タイトルに引かれてつい最近見たが、前半部氷河の一部が変色している場面は本当に怖かった。が、後半、女性大臣の八面六臂の活躍ぶりに対し、逃げ回る男たちのだらしなさが非常に面白く、笑えた。

19位 ビデオドローム    1983年 カナダ
 デビッド・クローネンバーグ監督の豊かな才能を見せつけられた作品。若きジェームズ・ウッズが主演を務めているが、難解なこの映画を無理なく演じている。テレビ時代の怖さを表現した映画。あとの「イグジステンズ」と対比してみると時代の流れが良くわかる。

20位 時計仕掛けのオレンジ 1972年 イギリス・アメリカ
 アナーキーな近未来を描いた作品。映画を楽しみたいと思う人には勧められない作品。怪優マルコム・マクダウェルがまだ新人の頃の映画だが、暴力描写などディストピア映画だが、現代社会を痛烈に風刺しているキューブリック作品。
 教え子から無修正版DVDを寄贈されたが、彼の行った高知工科大学では、英語のリスニング練習のために無料でいろいろな映画を見られるらしい。時代は変わったものだ。いいなぁ、羨ましい…。

21位 プレデター      1987年 アメリカ
 1作目はサスペンス・スリラーとして出色の映画。
 20世紀フォックスという映画会社は面白く、自身の映画の設定に一貫した姿勢があって、常に同じ架空の航空会社を作ったり、同じ架空の国を作っている。この映画の舞台となる国バルベルデは「ダイハード2」や「コマンドー」にも出ている。ということは、「コマンドー」が潰した国から逃れてきた元大統領が「ダイハード2」のフランコ・ネロで、その国内には「プレデター」が跋扈しているということか。
 2作目・3作目は駄作だが、スピンアウト作品の「エイリアンVSプレデター」(2004年)は、めちゃくちゃ面白かった。だが、これも2作目は駄作になってしまった。

22位 トレマーズ      1990年 アメリカ
 このシリーズはお薦め。全4作で十分楽しめる。モンスターの造形や地面のうねりなど見ているだけで楽しい映画である。コメディの要素も幾分入っており、病みつきになる人もいると思う。

23位 エボリューション   2001年 アメリカ
 同じモンスター映画でもこれはコメディでもある。エイリアンの弱点がシャンプーだったり、エイリアンの肛門からそのシャンプーを体内に噴射したり、その後のエイリアンの爆発など見どころ笑いどころ満載の映画である。それをまたデビッド・ドゥカブニーや名優ジュリアン・ムーアが真面目に演じているので、見ているこちらまで楽しくなってしまう。俳優が楽しく演じていると観客まで楽しさが伝わってくる代表作。

24位 バック・トゥ・ザ・フューチャー 1985年 アメリカ
 言わずもがなのSF作品。タイム・パラドックスを正面から扱った作品で、他に「ターミネーター」や「タイムライン」(2003年)、「ファイナル・カウントダウン」(1980年)がある。そうだ、やっぱり「ファイナル・カウントダウン」をランキングに入れるべきだったか? エンディングの素晴らしさから、「ファイナル・カウントダウン」を推したい。「ファイナル・カウントダウン」の基になった実験を実録風に映画にしたのは「フィラデルフィア・エクスペリメント」(1984年)だった。
 この映画は名優クリストファー・ロイド(アダムス・ファミリー)あってこその映画である。

25位 キングコング     1933年 アメリカ
 今見ても十分耐えられだけの映画で、制作者の苦労が偲ばれる。ストップ・モーションだけであれだけの作品を作ることができるのは凄いことである。
 鎖に縛られているときの動きにちょっと難点がある1976年版の「キングコング」も良かったが、2005年版は…まあ、ナオミ・ワッツが可愛いから許そう。

26位 ベオウルフ      1998年 イギリス
 あまり知られていないが、私の好きなカルト映画である。イギリスのベオウルフ伝説が題材になっているが、出演している俳優陣がいい。「ハイランダー」のクリストファー・ランバート、「アンダーワールド/ビギンズ」・「ドゥームズデイ」のローナ・ミトラ、「ハムナプトラ」のパトリシア・ベラスケスなど、ただしモンスターは×。よって26位。
 一方、「ベオウルフ/呪われし勇者」(2007年)は金をかけてスター(アンジェリーナ・ジョリーなど)を使った映画だが、CGに頼りすぎて収支とんとん。やっぱりカルトな映画が面白い。

27位 トータル・リコール   1990年 アメリカ
 「ブレード・ランナー」などこの項目の作品の半分近くがフィリップ・K.ディックの原作だが、これもそう。脚本も素晴らしいが、何と言っても俳優陣。シュワちゃんはともかく、この映画で有名になったシャロン・ストーン(氷の微笑)、「F/X2:イリュージョンの逆転」のレイチェル・ティコティン、「ビバリーヒルズ・コップ」のロニー・コックス、そして「ハイランダー2」・「スキャナーズ」・「スターシップトゥルーパーズ」のマイケル・アイアンサイドとくれば面白くないはずがない。
 リメイクの2012年版より、こちらの方がはるかに面白い。

28位 イベント・ホライゾン  1997年 アメリカ・イギリス
 「ジュラシック・パーク」のサム・ニール、「理由」・「マトリックス」・「アサルト13/要塞警察」のローレンス・フィッシュバーン、「ブレーキダウン」のキャスリーン・クィンランが織りなすスペースSF。
 「惑星ソラリス」とよく似た筋書きで、最後のサム・ニールの変身場面など見所はたくさんある。

29位 ゴースト・オブ・マーズ  2001年 アメリカ
 最初は期待せずに見たが、そのうちまた観たいと思わせられた映画。火星の原住民の亡霊に襲われる映画だが、アクションや珍しい設定に注目。

30位 イグジステンズ    1999年 イギリス・カナダ
 「ビデオドローム」がビデオ全盛の1980年代の映画とすれば、この「イグジステンズ」はゲーム全盛の2000年代に置き換えた作品。デビッド・クローネンバーグ監督の気色悪い表現がおどろおどろしくこれでもかというくらい描かれる。

番外 地球へ2千万マイル   1957年 アメリカ
 金星から持ち帰ったモンスターの卵が孵化して大暴れする映画で、モンスター映画のジャンルに入れると確実にランクインする映画。人間の都合で地球に連れてこられたモンスター”イーマ”の哀しい最期に涙がポロリ。パニック映画でもあるが、モンスターの造形や設定は今でも通じると思う。地球に帰還した宇宙船が卵ではなくウィルスが付いているという設定に置き換えれば「ブロブ/宇宙からの不明物体」など多数ある。イーマが可哀想というのが私の感想。で、番外。

こうやって並べてみると、原作はフィリップ・K.ディック、監督はジェームズ・キャメロン、デビッド・クローネンバーグ、ジョン・カーペンター、リドリー・スコットといったところが、SF映画で成功を収めるコツなのかと思う。
他にも色々あるが、あまりに下らなさすぎて却下した映画もある。それはそれで面白いのかも知れない。それ自体を思いつくことが凄い才能なのだから。

ホラー映画ベスト35

ホラー映画ベスト35

鎌田一孝(6組)



低予算B級映画が活躍できる場と言えば、絶対的にホラー映画である。
昔の白黒映画のときは、シナリオと俳優の演技で怖がらせていたが、今やSFX全盛となりシナリオの出来の悪さが目立つようになってきた。
その中で35本選ぶのは大変だった。
ホラーは、ショッカー、スプラッター、スリラーなど細分されるが、分類が難しくここではすべてまとめてホラー映画というジャンルに一括りにした。

1位  エクソシスト   1973年 アメリカ
 何と言ってもこれが1位。恐怖映画の概念を変え、ホラーが映画の一ジャンルとして認められる元になった映画。主役のかわいいリンダ・ブレアの変身ぶりといい、よくできたSFXといい、音楽といい、カメラといい、脇を固める俳優陣の演技といい、文句なしの1位。
 大阪の映画館で5回観て、パンフレットも2冊ある。悪魔と対決する老神父役のマックス・フォン・シドーは当時45歳で70代後半を演じたが少しも設定年齢を疑わなかった。
 続編も多いが、正式な続編は3作目で、前日譚もあるが平均点以下となっている。
 実話からの原作も読んだが、設定をずいぶん変えてある(原作本が行方不明で捜索中)。今見ても通じるホラー映画の代表作だが、ディレクターズカット版はカニ歩きなどのカットされた場面が30分近く追加されている。これはオカルト映画でスリラーの分野。

2位  サスペリアPART2  1975年 イタリア
 本当に背筋が凍ったのは、この2位・3位・4位の映画である。19位の「サスペリア」よりも前に作られたのに配給会社の戦略でPART2をつけられた不遇の作品である。最後に映画史上最大のトリックと言われる場面があるがそれは見てのお楽しみ。
 子供の唄や廃屋の壁に描かれた子供の絵やからくり人形などの場面場面が恐怖を呼び覚ますように出現し、殺され方もリアリスティックに描かれているが、本来はホラーではなくサイコ・サスペンス・ミステリーである。私自身が非常に怖い思いをしたのでホラーに分類した。  

3位  マニトゥ      1978年 アメリカ
 2位と双璧をなす怖さだったが、後半部がスター・ウォーズみたいになってしまって、3位。前半部の怖さだけならもっと順位は上になれる作品。
 特に老婦人が占い師トニー・カーティス(お熱いのがお好き)を訪ねて座っている場面は、その構図だけで恐怖感を植え付けられる。そして急にうわごとを言いながら踊り出すところで恐怖は最高潮に達し、空中浮遊して階段から転落するまで5分くらいこちらが金縛りになってしまった。
 後半に入っては、中盤までの流れから一挙に弛緩してしまうくらいの噴飯物の映画である。本当に低予算B級映画だが、カルト・ムービーの代表作。
 この2位「サスペリアPART2」と3位「マニトゥ」は確か今はなき千日前国際劇場で観たような記憶がある。

4位  シャイニング    1980年 イギリス・アメリカ
 中盤に出現する双子の女の子の場面とエンディングの記念写真にジャック・ニコルソンが写り込んでいる場面は怖かった。さすがキューブリック監督ここにあり、だ。大概の人が見ているので説明不要の映画だが、ニコルソンの怪演、シェリー・デュバルの恐怖の表情、そして監督ならではの映像美などすでに古典ホラーに位置づけられている。
 あ、そうそう、この映画の最初に出てくる山道のシーンのうち、カットされた場面が「ブレードランナー」のエンディングで使われているって、知ってた?
 原作者スティーブン・キング制作のドラマ「シャイニング」(1997年)も見たが、超能力シャイニングを中心に据えて、ホラーよりも家族愛に重点を置いたドラマである。レベッカ・デモーネイがやっぱりいい。

5位  ダーク・ハーフ    1993年 アメリカ
 二重人格の一方が現実化する恐怖映画で、「シークレット・ウィンドウ」(2004年)に通じる作品。よく似た筋書きだなと思って調べたら、原作者はどちらもスティーブン・キングだった。「ダーク・ハーフ」の方の映像が不協和音的な色合いで、より恐怖を増している。
 小説「魔性の殺意」を読んだとき、この映画を思い出した。

6位  サイコ       1960年 アメリカ
 ヒッチコックの代表作で知らない人はいない映画。
 先に言うと、ここで殺される役のジャネット・リーと「マニトゥ」・「お熱いのがお好き」のトニー・カーティスの間にできた娘が「トゥルー・ライズ」・「ビバリーヒルズ・チワワ」のジェイミー・リー・カーティス。
 「ダーク・ハーフ」は色彩が不協和音だったが、こちらは本当に文字通り不協和音の音楽がクライマックスで流れるし、カット割りも恐怖を誘うようなものだった。「羊たちの沈黙」のようなサイコ・スリラーで、後半襲いかかる場面から監房内までのアンソニー・パーキンスの快演が怖い。全4作を見たが、4作目にはオリビア・ハッセーが母親役で出ていて、アンソニー・パーキンスはこの「サイコ」にとりつかれた俳優のようだった。

7位  リング       1998年 日本
 日本の幽霊時代劇は天知茂の「四谷怪談」を始め猫化け映画「怪猫有馬御殿」や「牡丹灯籠」などいろいろVHS・DVDに録画して残してあるが、幼稚園の時にお姉さん(?)に連れられて城南劇場で見た「怪猫亡霊屋敷」がトラウマになっている。ところが、それを覆すようなジャパニーズ・ホラーの代表作がこの映画である。サスペンス・ミステリーの形式を取りながら、呪いのビデオというオカルトな部分を残しており、後半のテレビから貞子が這いずり出てくるところでは思わず声が出てしまった。
 2作目は「らせん」・「リング2」と2通りの解釈のパラレル・ワールドのような作りになっているが、「リング0/バースデー」は原作通りとなっている。アメリカでのリメイク版「ザ・リング」もよくできている。
 原作者の鈴木光司のTV版の「リアル・ホラー」の中の一作「タクシー」は、近来まれに見る佳作である。コメディ・ホラーとしては出色の出来である。

8位  ローズマリーの赤ちゃん  1968年 アメリカ
 冒頭述べた「シナリオと演技で怖がらせる映画」の代表作。ロマンポランスキー監督の手腕によるところが大きいが、ミア・ファーローが恐怖顔から最後に悪魔の赤ちゃんに笑顔を見せるところが怖い。たとえ悪魔の赤ちゃんであっても母性には揺らぎがないということを示唆していると思う。

9位  アウェイクニング    2011年 イギリス
 ついこの間見たが、映像の美しさに見惚れてしまう映画だった。サスペンス形式で進行し、ミステリーのように最後にオチが出てくるので、ホラーと言うよりはサスペンス・ミステリーと言った方が良いかも知れない。しかし、まだ男女差別が普通だった時代に霊の存在を否定する女科学者が体験する恐怖でホラーに分類した。「シャッター・アイランド」(2010年)に通じる大どんでん返しの作品。とにかく画面がきれい。

10位 ドーン・オブ・ザ・デッド 2004年 アメリカ
 ゾンビシリーズの代表作である。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968年)とそのリメイク版「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記」(1990年)も捨てがたい。派生作品に「デモンズ」シリーズなどがある。アメリカではゾンビが本当に存在すると信じている人が半数以上いるらしい。

11位 バタリアン       1985年 アメリカ
 これもゾンビ映画だが、コメディ・ホラーとしては出色の出来でシリーズ化されている。オバタリアンの語源となった伝説的作品。全5作だそうだが、3作目以降は見ていない。
 録画してあるVHSテープがいつまで持つかなぁ。

12位 オーメン        1976年 イギリス・アメリカ
 1作目は低予算B級映画だったが、グレゴリー・ペックやリー・レミックなどの名優を使っているところが素晴らしい。調べてみると制作費の30倍の興行収入があったとのこと。そりゃシリーズ化されるわいな。
 全4作すべて見たが回を追うごとにレベルが落ちていくのはやむを得ないことか。リメイク版「オーメン」(2006年)は少しの見直しだけで1作目を忠実に再現しているが、主役のリーブ・シュレイバーはXメンのイメージが強すぎた(Xメンの方を先に見たから)。

13位 キャリー        1976年 アメリカ
 シシー・スペイセクの名演に加え、「サタデーナイト・フィーバー」で有名になる前のジョン・トラボルタが出演しているし、「ポルターガイスト3」「殺しのドレス」のナンシー・アレン、「ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ」のエイミー・アービング、そして「ハスラー」の名優パイパー・ローリーと、今見れば凄い俳優陣で固められている。
 続編があったが、印象には残っていない。帰って続編を探してみようっと。リメイク版「キャリー」(2006年)は、クロエ・グレース・モレッツ主演だが76年版と同じで、76年版を見た時ほどの衝撃はなかった。でもクロエが出ているから許そう(*^^)v

14位 ミラーズ        2008年 ルーマニア・アメリカ
 これも恐ろしかった。きれいな妹が無残にも殺される場面のリアルさや終盤キーファー・サザランド演じる主役が鏡の中に取り込まれるところは特に怖い。
 最後の場面で、パトカーや看板が鏡文字になっていることに着目(鏡の中からキーファーが見ている)。続編の「ミラーズ2」は録画してあるが、1作目のトラウマからまだ見ていない。

15位 13日の金曜日      1980年 アメリカ
 スプラッター映画と言うよりはスラッシャー映画といった方がよく、ジェイソンという名前が一人歩きしてしまった感が強い。有名になる前のケビン・ベーコンが殺される役で出演しているが、この頃のジェイソンはホッケーマスクは被らずただの紙袋(布袋)?だった。
 「サイコ」を森の中に置き換えたストーリーだが、エンディングはショッカー映画を思わせる。
 全10作+「フレディVSジェイソン」+リメイク版「13日の金曜日」(2009年)すべて見たが、4作目「完結編」までは映画として評価できるが、5作目以降はとんでもはっぷん!!

16位 ミザリー        1990年 アメリカ
 ストーカーものの代表作だが、「ゴッドファーザー」で蜂の巣になって殺される長兄役のジェームズ・カーンがここでも殺されかける役で出演。キャシー・ベイツの穏やかな表情が一転して殺人鬼のような表情になるところがオカルトでないだけに怖い。ローレン・バコールは年を取ってもやっぱり美しい。

17位 ポルターガイスト    1982年 アメリカ
 全3作を通してみることをお勧めする。「エクソシスト」以上に、出演者が4人、監督などスタッフが2人死んだことでも有名な呪われた映画と言われる。主役キャロルアンを演じたヘザー・オルークも3作目撮影中に12歳で原因不明の病気で死亡している。ケイン牧師を演じたジュリアン・ベックやキャロルアンの姉役の女優も死んだ。3作目の副題が「亡き少女の霊に捧ぐ…」となっているのはそういうわけである。3作目は「エイリアン」・「ボディ・ヒート」のトム・スケリット、「キャリー」のナンシー・アレンが出演。

18位 ペット・セメタリー    1989年 アメリカ
 制作年・制作国を調べていると題名が「ペット・セマタリー」となっていることに気づいた。理由については、Wikipediaを参照のこと。初めて見た時は怖かった。特に甦った猫の死体…。「コットンクラブ」・「危険な情事」のフレッド・グウィンが素朴な味を出しながら後悔の念に苛まれる表情をうまく演じた。
 2作目(1992年)は、1作目に比べて主張するようなテーマ(悪いとわかっていても愛する者を復活させてしまう罪悪感との葛藤)がなく安易すぎる展開で駄作。たとえ「ハイランダー」・「スターシップトゥルーパーズ」のクランシー・ブラウンが出ていたとしても…。

19位 サスペリア       1977年 イタリア
 2位の「サスペリアPART2」とは無関係で、3部作「サスペリア」・「インフェルノ」(1980年)・「サスペリア・テルザ/最後の魔女」(2007年)とも出色のホラー。おそらく玄人筋の評価は、「サスペリアPART2」より高いだろう。 3人姉妹の魔女を映画化したものの1作目であるが、これも3作すべて連続して見た方が良いだろう。確かに時代のせいでSFXはチープな部分があるが、それぞれエンディングに至るまでの映像による恐怖体験を実感できると思う。

20位 フライトナイト     1985年 アメリカ
 SFホラーコメディの1本だが、サスペンス・コメディとしてもよくできている。設定(脚本)がよくできているとよい映画になる見本。ホラー嫌いの人にも十分楽しめる。バンパイア役のクリス・サランドンの名演に加え、名優ロディ・マクドウォール(わが谷は緑なりき)で魅せる。これ以降、クリス・サランドン出演の映画を見るようになった。
 2作目(1988年)は見たが、チャーリー役とエイミー役の俳優が変わり、かつ笑いがなくなってしまい、感情移入できない中途半端なホラーになってしまったのが残念。
 1作目のリメイク「フライトナイト/恐怖の夜」(2011年)は全体的に映像が薄くブルーがかって見にくい分、減点されるが、まあまあ平均点。
 この頃はホラー全盛で「ナイト・オブ・ザ・コメット」(1984年)もランクインさせようかと思ったぐらいで、録画したVHS・DVDを全部調べるまでランキングは暫定的なものである。

21位 キューブ         1997年 カナダ
 本来はサスペンス映画だが、どんなワナが仕掛けられているかわからないという登場人物の感情からホラーに分類した。数学的な謎を解く以外に、なぜこんな場所に放り込まれたのかという謎が残ったままになる。しかし、2作目「キューブ2」(2002年)、3作目「キューブ/ゼロ」(2004年)と進んでやっとすべての謎が解明されるようになっているので、3部作すべてを見ることをお勧めする。1作目・2作目はキューブの中が舞台だが、3作目はキューブの外が舞台。
 よく似た設定の「QUBE ■ RED」(2007年)をつい最近見たが、上質なサスペンス・ホラーに仕上がっている。数学問題に興味ある方は、「QUBE ■ RED」を含め、このシリーズを一度ご覧になってください。

22位 チャイルド・プレイ    1988年 アメリカ
 馬鹿にして見なかった映画だが、「フライトナイト」のクリス・サランドンが出演しているので見てみた。面白いではないか。2作目までは合格点。3〜5作目はいくら何でも設定に無理がありすぎるので観ている途中でボツ。調べてみて、まだ観ていない6作目で1作目の謎が解き明かされるらしいので、見てみたいと思う。

23位 ゴーストシップ     2002年 アメリカ・オーストラリア
 過去と現在を行き来しながら物語は進められていくので少々分かりにくいが、幽霊船の中での女の子の幽霊(エミリー・ブラウニング)が可愛いから、ランクイン。まあ、この映画を見たきっかけは、ガブリエル・バーン(エクスカリバー、アサシン/暗・殺・者)が出演しているからで、期待してはいなかったが、ホラー映画としては傑作の部類だろう。エンディングではホラー映画の定跡通りタイム・ループがあったり、中盤の豪華客船内の大虐殺シーンなど定番ホラーと言える。ただし、エンディング少し前の霊のSFXがどうも安っぽくて気に入らないので、この順位。

24位 パラサイト       1998年 アメリカ
 演技派イライジャ・ウッドの学園ホラー。ホラーと言うよりエイリアンものだが、「ターミネーター2」の液体人造人間ロバート・パトリックもエイリアンに乗っ取られるコーチ役で出演している。
 よくできていて、欠点としては、明るいところで見ると(安物のテレビなどでは)暗い画面が潰れてしまうことくらいかな。だから、液晶テレビではなく、ブラウン管テレビで観てほしい。

25位 ファイナル・デスティネーション  2000年 アメリカ
 このシリーズも人気だが、邦題名の付け方がまずい。「ファイナル・デスティネーション」→「デッドコースター」→「ファイナル・デッドコースター」→「ファイナル・デッドサーキット」→「ファイナル・デッドブリッジ」って、ややこしぃやないかい!! 英題名みたいにFinal Destination1〜5と統一してほしい。主役は変わっても死の運命という設定は変わっていないのだから。
 「ソウ」シリーズと同じく次にはどういう死に方をするんだろうという観客の興味を引くエログロものに近いが、3作目「ファイナル・デッドコースター」のメアリー・エリザベス・ウィンステッドが可愛いし、1作目・2作目と連続出演のアリ・ラーター(バイオハザードⅢ、オブセッション/歪んだ愛の果て)もいいから許しちゃう。昨日、2作目「デッドコースター」の主役A.J.クックの新作「ウェアー破滅ー」を見たが、美しさは変わっていなかった。

26位 ザ・グリード      1998年 アメリカ
 「ゴーストシップ」と「リバイアサン」を足して2で割ったようなモンスターもの。低予算と言えるかどうか疑問が残るが、興行的には失敗した作品。それでもカルト・ムービーとしてコアなファンが多いようだ。「96時間」のファムケ・ヤンセン主演でそれなりには面白かったが、これだけモンスター・ホラー映画を見ていると、やっぱりちょっと劣る映画になってしまう。

27位 リバイアサン      1989年 アメリカ・イタリア
 ずっとソ連映画だと思っていたが、調べてみて初めてそうではないとわかった。名前の由来に興味ある人はいろいろ検索してみてください。これを見た当時、モンスター映画としては2流だと思っていたが、それでももう一度見てみたいと思わせる設定の映画である。

28位 ザ・キープ       1983年 アメリカ
 ガブリエル・バーンが出演しているので見たが、公開されてから20年近く経っていた。「羊たちの沈黙」のスコット・グレン、「ロード・オブ・ザ・リング」のイアン・マッケラン、「Uボート」・「ビバリーヒルズ・コップ2」のユルゲン・プロホノフなど錚々たる顔ぶれである。設定がそれまでのホラー映画とは一線を画し、時代をナチス占領の頃に置き換えた作品である。VHSで録画してあるがどこにあるのやら。DVDで録画し直したから、よしとしよう。

29位 キャビン      2011年 アメリカ
 これもカルト映画として一部の熱狂的ファンに語り継がれるのではないだろうか。制作者か監督か脚本家かわからないが、ホラー映画に対するオマージュがあちこち散りばめられていて、ホラー映画ファンにとっては病みつきになるだろう。ホラー映画の中では数少ないSFホラーで、SFとホラーが合体した近未来を舞台にした映画である。
 私が見つけただけでも「トゥルーマンショー」・「悪魔のいけにえ」・「クライモリ」・「死霊のはらわた」・「13日の金曜日」・「ゾンビ」・「キューブ」・「13ゴースト」・「アダムス・ファミリー」・「ヘルレイザー」・「ブレイド」などなど。でも、ホラー映画嫌いでも楽しめるようになっているけれど、SFもホラーも見ないという人にはお勧めできない。

30位 ペンタグラム/悪魔の烙印  1990年 アメリカ
 悪霊が乗り移って殺人犯になり死刑に処せられてもその悪霊が他の人に乗り移って同じパターンの殺人を犯す、というストーリーの最初の映画化だったと思う。このパターンは、後にオスカー俳優のデンゼル・ワシントン主演で「悪魔を憐れむ歌」にも踏襲されている。
 曾根崎センター街のビルの地下にあったレンタルビデオショップで借りたが、衝撃的な映画だった。今はVHSで録画したものしか残っていないが、ルー・ダイヤモンド・フィリップスという俳優に着目できた。そういえば、そのビデオショップのオーナーによく裏ビデオをただでもらったっけ。

31位 悪魔の棲む家    1976年 アメリカ
 実話を脚色して作られたホラーで、この後シリーズ化された。この1976年版がいちばんいい出来であると確信している。シリーズとは別に、リメイクされた2005年版「悪魔の棲む家」には、まだ幼いクロエ・グレース・モレッツが出演していた。
 この家は事件が起こった後は、長いこと売りに出されていたが買い手が付かず、映画のせいで観光地化されて、人形の顔のように窓も改修されたらしい。ちなみに下の写真は、現在のその家。詳しくは、https://ja.wikipedia.org/wiki/オーシャン・アベニュー112番地

 似たような映画に、というよりもこちらの方が先だが、1973年に「ヘルハウス」という映画があった。20位「フライトナイト」のロディ・マクドウォール主演だが、個人的にはこちらの方が好みである。ゴシックの要素をふんだんに取り入れ映画的なのだが、いかんせんホラー度が「悪魔の棲む家」に比べると落ちてしまうから。科学はオカルトには勝つことができないことを証明した映画だった。

32位 サンタリア/魔界怨霊  1987年 アメリカ
 ホラーと言うよりは、サスペンス・スリラーにホラー色が混じっている映画と言えるだろう。しかし、ショッカー的な映像・音楽表現からホラーと言っても十分に通じるだろう。邪教集団が黒幕にあるのは35位「ゾンビ伝説」も同じだが、主演のマーティン・シーンが「ファイナル・カウントダウン」や「炎の少女チャーリー」で活躍していたので、こちらの方が上位になった。
 大阪時代にVHSで録画してあったけれども、祟りのせいかテープが切れ、結局VHSで録画し直したものが手元にあるだけだ。

33位 サンゲリア    1979年 イタリア・アメリカ
 この映画から、ホラー映画におけるグロテスクなシーンにおけるメーキャップ技術が格段に進歩したと思う。単なるメーキャップ技術ならば「エクソシスト」で出来上がっているが、残虐シーンやゾンビの汚らしさなどはこの映画から始まったと言っても過言ではないだろう。この映画以来、ホラー映画に嵌ってしまったのである。
 ストーリーなど無きがごときで、とにかく残酷シーンと汚らしさ・グロテスクさでは群を抜いている。

33位 アパリションー悪霊ー  2012年 アメリカ
 一般では評価が低いようだが、正統なオカルト・ホラーだと思う。だから、「サンゲリア」と同じ33位という同率評価を付けた。
 脚本はともかく、映像・効果音・音楽などは昔のホラー映画の伝統を踏襲して、不必要な映像に頼ることなく、最低限の原則を守っている。ショッカー的な部分が多いが、「死霊館」シリーズほどではない。過不足無くまとまっている。おそらく評価が低いのは、結末のもっていきかたではないかと思う。

34位 ヘル・レイザー     1987年 イギリス
 全9作のシリーズである。すべて平均点以上の出来であるが、回を追う毎に謎が深まっていくのと、逆に解き明かされていく謎があって、見始めると止まらない。
 外連味たっぷりのおどろおどろしい映像表現が、中盤から終盤にかけて、これでもかこれでもかと続く。1作目と2作目は続いているので連続して見た方がよい。5作目から8作目までは、ホラーと言うよりはサスペンスに近いだろう。9作目でスプラッター・ホラーに回帰した。この5作目の主演のクレイグ・シェイファーを久しぶりに「沈黙の粛清」で先日見たが、やっぱり中年の身体になっていたなぁ。
 全作共通なのは、パズルボックスを解き明かすと、異世界の魔道士が現れるという点。この魔道士たちをめぐる物語で、9作目で魔道士の存在意義がわかるようになっている。しかし、もともとは哲学的な内在世界の善と悪の物語の話だから、ストーリーを真剣に考えているとわからなくなるので、素直に映像を楽しんだ方がよいだろう。

35位 ゾンビ伝説    1988年 アメリカ
 「インデベンデス・デイ」の大統領役のビル・プルマンが映画デビューして間もない頃の作品。ゾンビはブードゥー教によって生まれたいう設定が珍しく、プルマンに感情移入すればホラーを味わえる映画。感情移入できなければサスペンス映画となってしまう。

番外
悪魔の毒々ハイスクール 1986年 アメリカ
 こういうB・C級映画があることを知ってほしいという意味で番外に付けた。大阪時代にレンタル・ビデオで観た映画である。
 「悪魔の毒々モンスター」シリーズ(放射能汚染によるモンスター化)の派生作品だが、これはこれでシリーズ化されていたことを調べてみて知った。VHSにしか残していないが、コメディというには語弊があるし、どんなジャンルに区分けすればいいんだろう。放射能汚染でモンスター化した高校生のモンスターぶりが笑えるが、一方、汚さという面でも群を抜いている。バカバカしさに乾杯!


 先日、「絶叫のオペラ座へようこそ」(2014年)を見たが、ホラーでありながらミュージカルかつミステリー・サスペンスでスプラッター映画って、どのジャンルに入れればいいの? 題名からして「絶叫屋敷へいらっしゃい」(1991年)風なホラー・コメディかと思ったら、全然違った。う〜ん、評価が難しい……。
 また、久しぶりに良質のホラー映画を見た。「ジェーン・ドゥの解剖」という2016年のアメリカ映画だが、ホラーの王道をいく映画だった。導入部にサスペンス、前半はミステリー、後半はホラーという一粒で三度おいしい映画である。収束の仕方も続編を期待させるような作りで、ランキングを書き換えねばならないだろう。

香港映画ベスト20

香港映画ベスト20

映画「慕情」のロケ地鎌田一孝(6組)



香港映画と言えば、すぐにジャッキー・チェンとかブルース・リーが出てくるが、その他にもいい映画がいっぱい。
体を張ったアクション映画や黑社会(マフィア)・ホラー・コメディなど多種多彩な映画がある。その中から厳選してみた。できるだけジャッキー・チェンやブルース・リーの作品ははずした。

1位  インファナル・アフェア  2002年
 ハリウッド・韓国・日本でもリメイクされたが、やはり本家が最高。参考までに、時系列はⅡ→Ⅰ→Ⅲの順。
 香港映画「ファイアー・ストーム/風暴」でも、アンディ・ラウとラム・カートンが「インファナル・アフェア」と同じようで正反対の役柄を演じていた。この「ファイアー・ストーム/風暴」も一見の価値あり。超弩級銃撃戦とアクションが味わえる。香港の中心街(セントラル)にどえらい穴が空いてしまうほどのSFXも凄い。

2位  暗戦/デッドエンド  1999年
 続編に比べると初作はサスペンスの醍醐味を味わえる。ラウ・チンワンとアンディ・ラウという香港映画を語る上では欠かせないふたりの共演映画である。お互いの騙しっぷりとエンディングは、特に素晴らしい。ただ、アンディ・ラウの女装には笑ってしまった。

3位  男たちの挽歌  1986年
 香港にいるときに見た思い出の映画である。どこ行きか知らないバスに飛び乗って、九龍城の外れの映画館に入って観た。そのときの題名は「英雄本色」だった。邦題が「男たちの挽歌」であることは、日本に帰ってきてしばらく経ってから知った。
 だが、そんなこと以上に男同士の友情を描いた感動作だった。ジョン・ウー監督を世界的に有名にした映画で、二挺拳銃での銃撃戦やクライマックス直前にハトが舞うのも、この映画から始まった。この映画があったからこそ、ジョン・ウー監督がハリウッドに招かれて「フェイス/オフ」・「ミッション・インポッシブル2」が生まれたと言われている原点の映画である。
 続編も見応えあり。続編の3作目は、この1作目の前日譚である。

4位  エレクション  2005年
 典型的な黑社会映画で、ゴッドファーザーの系譜。米欧とはまたひと味違う血で血を洗う闘争を冷めた視点で活写した映画であり、続編も含めて、一度は観るべき香港映画である。

5位  ゴッド・ギャンブラー/賭神伝説  1997年
 コメディ映画ゴッドギャンブラーの若き日を描いた、コメディ要素を抑えたシリアスな作品。「ゴッド・ギャンブラー」シリーズはあまり好きではないが、この映画だけは気に入っている。
 なぜゴッド・ギャンブラーのコウ・チャンがいつもチョコレートを口にしているのか、なぜコウ・チャンの髪型がオールバックなのか、などの謎がこの映画で一気に解明される。このなかにアラン・ドロン主演の有名な映画の題名が出てくるので聞き逃さないように。
 最近では、「ゴッド・ギャンブラー/レジェンド」を観たが、昔と違いCG多発のコメディ映画だった…。さもありなん、と思うとともに、チョウ・ユンファの激やせぶりが気になった。大丈夫かいな…。

6位  燃えよドラゴン  1973年
 若かりしジャッキー・チェンが端役の悪漢、サモ・ハン・キンポーがブルース・リーの練習相手、そして「霊幻道士」のラム・チェンインが武術指導をした言わずと知れたブルース・リー映画の代表作。「アチョー!」がよく流行ったものだった。

7位  霊幻道士  1985年
 これも香港で観た映画で、アクション+コメディ+ホラーの純粋なエンタテイメント作品。画面よし、脚本良し、カメラよし、音楽よし、キャスティングよしで文句のつけようのないエンタテイメント映画である。
 この映画で主役のラム・チェンインは、実は「燃えよドラゴン」で若くして武術指導をしていたというのは香港映画の常識である。続編も多いが、やっぱり1作目が最高である。

8位  コールド・ウォー/香港警察 二つの正義  2012年
 オールスター出演映画に良作なしと言われるが、この映画は有名俳優が多数出演しているにもかかわらずそれぞれの立場を描ききった佳作。
 警察を舞台にしても、ジャッキー・チェンのユーモアあふれる描き方ではなく、リアリティが凄い。

9位  SPL/狼よ静かに死ね  2005年
 ドニー・イェンのアクションだけではなく名優揃いの迫力ある映画。途中のタイマンだけでなく、年をとったサモ・ハン・キンポーの武術にびっくり!! さすがに拳法の使い手だけのことはある。

10位 デッドポイント/黑社会捜査線  1998年
 最後に一人を除いて警察側がみんな死んでしまうバッドエンドだが、一人ひとりの人生や生き方を上手に描ききった作品。そういう意味では、ドラマにジャンル分けしてもいいかな、とも言える。

11位 ザ・ミッション/非情の掟 1999年
 もっと上位にしてもよいくらいのメリハリがあり、スタイリッシュな映画。何で香港ノワールは、男の世界を描けば、こんなに格好良く撮ることができるのだろう。それもこれも「男たちの挽歌」という映画以降に集中している。日本の健さんのヤクザ映画のようだと、よく感じる。

12位 エグザイル/絆       2006年
 マカオ舞台の香港ノワールの傑作で、俗に言うカッチョイー映画。アンソニー・ウォンの渋い演技が光っている。
 「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」と続けて観たので話がこんがらがって、結局、後日それぞれを見直した。

13位 コネクテッド       2004年
 アメリカ映画の「セルラー」の香港版リメイクだが、絶対的にこちらの方が面白い(断言)。ルイス・クーとニック・チョンを有名にした映画。「セルラー」では誘拐された女性をキム・ベイシンガーが演じていたが、こちらではなんとバービィー・スーが久しぶりに演じていた。

14位 ビースト・ストーカー/証人   2008年
 ひとつの交通事故から派生して、次々とそれぞれの人生の変わってゆく様を冷徹に描いた作品。香港映画って、何でこうもそれぞれの人生の描き方が上手なんだろう。
 「デッドポイント/黑社会捜査線」もそうだが、アクションに目を奪われがちな香港映画だが、どんな悪人・どんな善人にもそれぞれ家族があり人生があることを描いているのは、特筆に値することだと思う。

15位 八仙飯店之人肉饅頭   1993年
 一家惨殺してその肉を肉まんに混ぜて売った実話を元にした映画だが、アンソニー・ウォンの鬼気迫る演技が素晴らしい。

16位 ヒーロー・ネバー・ダイ  1998年
 これぞ男の友情と美学を描いた娯楽作品で、「上を向いて歩こう」が効果的に使われている。どちらかといえば、アラン・ドロン主演の「サムライ」に近い映画。ラウ・チンワンとレオン・ライの共演だが、使い捨てにされるヒットマンを冷めた目で描いている。

17位 さらば、わが愛/覇王別姫 1993年
 中国との合作映画だが、歴史の渦に飲み込まれた京劇役者の芝居に対する愛に同性愛・異性愛を絡め、悲劇の終焉までを描いたドラマ大作。これは、10代・20代の若者にこそ見てもらいたいと思う。

18位 イップ・マン 序章   2008年
 ブルース・リーの師匠のイップ・マンの波乱の人生を描いた作品だが、武術家でもあるドニー・イェンのカンフー・アクションが素晴らしい。続編の「イップ・マン 葉問」もよし。

19位 花様年華  2000年
 いろいろなメタファーが散りばめられていて、1回観ただけではわからないラブ・ストーリー。年を取ってみて初めてこの映画の良さがわかった。
 主役は、「ポリス・ストーリー/香港国際警察」シリーズで永らくジャッキー・チェンの相手役を務めたマギー・チャン。こんなに演技力のある女優だとは思わなかった。

20位 チャイニーズ・ゴースト・ストーリー  1987年
 文学史にも出てくる「聊斎志異」の一編が原作で、霊幻道士などとも通じる映画。そう言えば、桂先生の授業で一度だけだが「聊斎志異」が出てきたことがあったっけ。

番外 狼/男たちの挽歌 最終章  1989年
 「男たちの挽歌」と銘打ってはいるが全くの別物で、チョウ・ユンファ主演ということだけでこのタイトルがつけられた。最近の映画配給会社の能力のなさには驚く、というより悲しい。
 映画自体は、フランス映画の「サムライ」などに通じる男の美学の名作。


 こうやって見ると、香港映画は香港ノワールに尽きると思う。ブルース・リーやジャッキー・チェン、リー・リンチェイ(ジェット・リー)のアクション映画の系統は別項で選ぶとして、男の生き様をフィルム・ノワールとしてスタイリッシュに描く映画が1980年代から非常に多い。
 しかし、それを演じる俳優がハリウッド映画と違い、非常に味があるので大好きである。
ベスト20まで並べてみて、アンソニー・ウォン、ニック・チョン、ラウ・チンワンなどの出演作が非常に多いことに気づく。特に私の好きな俳優のラム・シューはこの20作のうち半分近くに出演している。
これからも香港映画からは目が離せない!!

フランス映画ベスト30

フランス映画ベスト30

鎌田一孝(6組)



 フランスは映画発祥の地。そのため、フランスでは「映画=文化」あるいは「映画=芸術」と捉えられている。
 フランス映画と言えば真っ先に思い浮かぶのがサスペンス映画。次に人生の哀歓を描いた映画。そしてフィルム・ノワール。

1位  太陽がいっぱい  1960年
 何と言ってもアラン・ドロンを一躍有名にした映画。途中のサスペンスは言わずもがなで、後半での引き上げられたヨットのスクリューに絡まっているロープに繋がった死体が見つかる場面、刑事に言われて女店員が金も女も手に入れたリプリーに「Telephono!」と呼びかける場面から一転、地中海の島を映す映像転換の素晴らしさ、言うことなしですなぁ。
 アメリカで「リプリー」(1999年)としてリメイクされたが、後者の方がより原作に近い。が、やはり映画としては「太陽がいっぱい」に軍配が上がる。

2位  個人教授  1968年
 年上の女への純粋な愛に悩む高校生の失恋物語、と言えば身もふたもないが、ルノー・ヴェルレー演ずる高校生、ナタリー・ドロン演ずる年上の女、そしてロベール・オッセン演ずるその恋人の三角関係にフランシス・レイのもの悲しいワルツが重なって、心に響く映画である。

3位  さらば友よ  1968年
 この映画の1968年という年は、私の好きな「あの胸にもういちど」を始めとして良作のフランス映画がたくさん入ってきた年だった。この映画はキネマ旬報で見て、次に映画館で観て、そして原作を読んだ。サスペンス・ミステリーでありながら、ドロンのスマートさに対するブロンソンの男臭さの対決。
 金庫室の中での格闘から芽生えた友情、そしてただ一言、「Adieu L'ami」。ただその一言で男同士の約束を守って頑として口を割らないブロンソン、目配せ一つしないドロン、最高ですねぇ。助演として大人になった「禁じられた遊び」のブリジット・フォッセーが頑張っている。

4位  死刑台のエレベーター 1958年
 「太陽がいっぱい」でドロンに殺される役のモーリス・ロネの名作。調べてみて初めて知ったが、これがルイ・マル監督のデビュー作だとは思いもよらなかった。
 しかし、何といっても本当の主役は悪女役のジャンヌ・モロー。この女優は凄い、の一言に尽きる。年を取っても「ニキータ」(1990年)での暗殺者の教育係の役で往年の凄さを見せつけてくれる。アメリカでのリメイク版「アサシン 暗・殺・者」でも同じ役を名優アン・バンクロフトが演じていた。

5位  悪魔のような女  1955年
 校長は生きているのか、それとも死んでいるのか? 最後まで目が離せない…。ヴェラ・クルーゾーとシモーヌ・シニョレ、二人の名女優の演技で最後までわからないサスペンス・ミステリー。

6位  雨の訪問者  1970年
 フランシス・レイのワルツが効果的に使われたサスペンス映画。映画の中ではパーティ場面に使われているが、それでも半ばフィルム・ノワールの雰囲気を醸し出した極上の1本。「う〜ん、マンダム」のブロンソンの男臭さがいい!
 そう言えば、日本でも「夜の訪問者」とかいう唄があったなぁ。

7位  男と女  1966年
 言わずと知れた「シャバダバダ、シャバダバダ」の曲で有名な映画である。それぞれの過去の想いに囚われながらも、求め合う男と女…。盛り上がりも何もない映画だが、中年に差し掛かろうとする男と女の切ない想いを見事に描いた映画。「今日は帰りなさい」と言われて駅のホームで別れる二人の場面など、身につまされる映画である。この映画の20年後を描いた「男と女Ⅱ」(1986年)は同じキャストで撮られた映画で、老年に差し掛かろうとする男と女の物語である。…こういう恋をしたいなぁ。

8位  サムライ   1967年
    スコルピオ  1973年
 「サムライ」は日本好きのメルヴィル監督とアラン・ドロン、ナタリー・ドロン夫妻の共演の映画である。原題は「La Samourai」で侍そのものである。ドロンは「サムライ」というオーデコロンまで売り出したほど、侍に憧れていた。ナタリー・ドロンとの最後の共演の映画であった。映画の最初に流れる武士道の説明はメルヴィル監督が独自に作り出したものだそうで、武士道をよく理解していると思った。孤独な殺し屋が部屋で飼っている小鳥に対する思いなど、ほとんど台詞がない映画の中で動作・表情だけで演ずるドロンを見直した記憶がある。
 「スコルピオ」は、CIAに挑む殺し屋の話だが、アラン・ドロンにはブラックスーツの殺し屋がよく似合う。最後の場面で野良猫の子供を拾おうと屈んだ瞬間に響く銃声など見所はたくさんある。特にこの映画はいろんな猫が出てくるので猫好きには見逃せない映画である。
 この2作に共通するのは、冷酷非情な殺し屋でも心のよりどころ(サムライでは小鳥、スコルピオでは子猫)を求めているということを改めて思い知らされる。

9位  トリコロール/青の愛 1993年
    トリコロール/白の愛 1994年
    トリコロール/赤の愛 1994年
 トリコロール三部作として有名な作品。フランス国旗にちなんだ青・白・赤を意味している。
 「青の愛」は国旗の青の意味する自由にちなんだ物語で、ジュリエット・ビノシュがこの映画でいろんな賞を受賞している。ここでいう自由とは、家族を事故で失った主人公が自由になったことや、アパートで暮らし始めた主人公が生まれたてのねずみを猫に殺させる自由など、その"自由"の意味するところを深く考えさせる物語に仕上がっている。
 「白の愛」は国旗の白の意味する平等にちなんだ物語である。悲喜劇にコミカルな要素を含んだミステリー仕立ての物語である。離婚を申し立てられた夫が葬式を偽装したが、涙を流す妻と愛を取り戻す話だが、いろいろなエピソードが盛り込まれていて非常に見応えがある。
 「赤の愛」は国旗の赤の意味する博愛にちなんだ物語である。3作すべてこの順で観て、初めて監督の言いたいことを理解できた。「青の愛」、「白の愛」、「赤の愛」のそれぞれの主人公が後半のフェリー事故の場面で一堂に会する場面がある。つまり、この3作とも同時代のごく近い場所で起こっていた出来事だったのである。
 3作とも監督の技術や撮影、ストーリー・テリングなど余すところなく見せてくれる映画である。

10位 ヴィオレッタ  2011年
 大学時代に週刊誌で話題になったエヴァ・イオネスコの自伝映画。「ポルノか? 芸術か?」が当時キャッチフレーズだったような気がする。母が取った娘のヌード写真という現在ではロリータ・ポルノとされる写真集も発売された。その娘だったエヴァ・イオネスコ(当時はイヨネスコ表示だった)が脚本・監督を務めた。
 エヴァ・イオネスコという懐かしい名前に惹かれてつい最近観た映画だが、主役を演じたアナマリア・ヴァルトロメイも当時のエヴァそっくりの顔立ちだと思った。エヴァ本人曰く子供時代の母からの性的虐待が及ぼす影響について作り上げた映画だそうだ。

11位 ポンヌフの恋人  1991年
 実際のポンヌフとは異なり荒れ果てたポンヌフを舞台とした映画だったが、ストーリーそのものと映像美に魅せられた。ただ、如何にも、という設定には辟易したが、ジュリエット・ビノシュここにあり、と存在感を見せつける映画だった。世の評価は高いそうだが、私自身はあまり好みではない。
 昨日、昔のビッグミックオリジナルの漫画「裂けた旅券(パスポート)」を読み返していて、マレッタがアルシャム国皇太子シド王子と出会うのがポンヌフの隣の橋ポン・デ・ザールだと気づいた。

12位 悪魔のようなあなた  1967年
 キネマ旬報でシナリオを読んでから実際の映画を観るまで30年かかった映画である。ドロン演ずるピエールが事故で記憶喪失になり、罠にはめられる映画である。最近ではよくあるパターンだが、当時は斬新だった。カットバックが素晴らしく、説明なしでも状況が手に取るようにわかる監督の素晴らしさに脱帽した。
 サスペンスとしては上出来の部類だが、後半でのご都合主義がなければ、順位はもっと上にするつもりだった。

13位 巴里の屋根の下  1930年
 パリではなく巴里と書くと頭の中にこの映画のイメージが広がるのはなぜだろう。
 この映画のストーリーは、その後、いろいろな映画に転用され、健さんの任侠映画でも見ることができる。出所してくると昔の女が親分の女になっている、って今ではよくあるストーリーだろう。しかし、そういう暗い話をルネ・クレール監督は台詞を殆どなくし、映像転換と音楽で語っていく。ベル・エポックの佳き映画だと思う。

14位 巴里祭  1933年
 古典三部作と呼びたい映画が並んでしまった。これも男と女の出会いが思わぬ所で幾度となく繰り返される話である。赫い糸に手繰り寄せられるかのような男と女の出会いと別れ…。なんとも切ない話を少しコミカルに描いた名作。
 Wikipediaで制作年を調べていて驚いたのは、もともとは「パリまつり」と読むことだった。

15位 天井桟敷の人々  1945年
 この当時としては珍しく殺人の場面があり、フランス演劇の舞台裏を見せてくれる映画である。レジスタンス運動のさなか、芸術の根を絶やすまいとして作られたフランス演劇人の執念のようなものが感じられる。しかし、これが後の映画作りの教科書的な作品になるとは、当時は誰も思わなかっただろう。

16位 レオン    1994年
 子役時代のナタリー・ポートマンの演技が光る一作である。暗殺者と子供の友情と愛を描いた珍しい作品で、最後の場面でのポートマンの行動(レオンが丹精込めた植木を植木鉢から取り出して地面に埋め直す場面)にすべてが封じ込められている。

17位 ヘッドライト  1956年
 市井の取るに足りぬ人々の間にもそれぞれドラマが存在することを教えてくる映画。最後に死んでしまうフランソワーズ・アルヌール(サイボーグ008のモデル!!)の想いをどれだけの人が受け止められるだろうか。
 回想で始まり回想で終わる映画なので、普段の自分にも起こっている話でもある。

18位 カミーユ・クローデル  1988年
 ロダンの愛人だった彫刻家カミーユ・クローデルの伝記映画である。世界史や文学史でもよく出る有名人がたくさん出てきて、まるで教科書の世界を見ているような気分にもなる。最後には精神が崩壊し精神病院で死ぬまでを、冷厳な語り口で見せる良作。

19位 地下室のメロディ  1963年
 フィルム・ノワールの代表作。映画「ボルサリーノ」もランキングに入れようとしたが、イタリアとの合作とわかり断念。これは、ジャン・ギャバンとアラン・ドロンの新旧二大スターによるギャング映画。最後の場面でのプールに浮かぶ札束に呆然とする二人の表情がなんとも言えない。
 なお、主題歌は誰もが耳にしたことがある名曲である。

20位 ベティ・ブルー  1986年
 一時に燃え上がるこういう恋愛があってもいいと思う。精神を崩壊させるまでの恋愛があってもいいと思う。でも自分にはそういうエネルギーがもうないのが哀しい…。
 この映画は一度観ただけで、録画したVHSテープはしまったままになっている。あまりにものめり込みすぎた恋愛に自分が投影されて哀しかったから…。

21位 美しき諍い女  1991年
 4時間近い映画だった。内容的には難解で、芸術を創造する苦悩を描いた映画である。長回しによるカメラワークがリアルさを強調している。全編ヌードで挑んだエマニュエル・ベアールの心意気に拍手。無修正版を見たがポルノチックではなく素晴らしい映像作品である。この映画にぼかしは不要である!!

22位 インドシナ  1967年
 「シェルブールの雨傘」をランクインしようと思ったところ、調べてみて西ドイツとの合作とわかり、「インドシナ」に変更。ベトナム独立までのインドシナ独立運動に関わる人々を描いた大作映画である。
 「シェルブールの雨傘」のカトリーヌ・ドヌーブは、若い頃はあまり好きではなかったが、この映画での老いた祖母の役ではいい年の取り方をしたなあと思った。インドシナを愛しながらインドシナと別れなければならない運命を受け入れる難しい役どころを上手に演じていた。

23位 勝手にしやがれ  1959年
 ジャン・リュック・ゴダールのヌーベルバーグの記念碑的映画のみならず、ジャガイモ顔のジャン・ポール・ベルモンドを一躍有名にした映画でもある。刹那主義をこれほど端的に著した作品は当時珍しかったと思う。ストーリーそのものは今では目新しくないが、何と言っても撮影手法が既成概念をぶち壊したマイルストーンとなる作品である。
 最後の場面で死ぬ直前の台詞「最低だ」は何を表しているのだろう?

24位 クリムゾン・リバー  2000年
 1999年から2000年にかけては良作のサスペンス映画が収穫されたが、これもその一つ。サスペンス・ミステリーの金字塔(言い過ぎか?)とも言える映画である。28位「ドーベルマン」のヴァンサン・カッセルの素顔を見て笑ってしまったが、ストーリー・テリングの素晴らしさに全然気にならなくなった、オススメの一本。続編も良し。

25位 恐怖の報酬  1953年  
 もともとは「ノストラダムス」をこの順位に入れていたが、調べてみるとフランス・イギリス・ドイツ・ルーマニアの合作映画だったのでボツ、だが一度は「ノストラダムス」を見てほしい。チェッキー・カリョの素晴らしい演技でノストラダムスの生涯を見ることができるから。
 さて「恐怖の報酬」だが、トラックでニトロを運ぶ仕事を請け負った4人が目的地の油田まで辿り着いたときにはただ一人となり、その一人も大金を手にした後…。サスペンデッドな展開で片時も目を離せない映画で、油まみれになりながらトラックに轢かれた老人を助け出そうとする場面と最後の場面が非情に印象に残っている作品。この映画を見ずしてフランス映画を語るなかれ!!

26位 ジェヴォーダンの獣  2001年
 ジェヴォーダンで実際に起こった事件を描いた映画だが、武道家でもある助演の日系マーク・ダカスコスの武術が凄い。当時のフランスの農民や王族の生活ぶりがよくうかがえる映画である。

27位 ヴィドック  2001年
 世界初の探偵で実在の人物ヴィドックの探偵ぶりを名優ジェラール・ドパルデューが演じた映画。でも、それだけならランクインさせるつもりはない。なぜランクインさせたかというと、一度この映画を見てもらうとわかるとおり、暗く灰色じみた場面から一転、幻想の世界にいるのかと思わせるような原色の世界に誘う撮影手法や編集の仕方。何と言ってもこの映像美に尽きる。

28位 ドーベルマン  1997年
 この映画を初めて見た時、映画の革命だと思った。短いカット割り、ズームの多用、まるでジェットコースターに乗っているかのようだった。ヌーベルバーグに次ぐ映画の革命と私は評価している。少年ジャンプで見た「ドーベルマン刑事」のイメージと本当にダブって見えた。

29位 白い恋人たち  1968年
 グルノーブル冬季オリンピックの映画だが、ヤンリクでこの映画のサントラ盤がよくかかっていた。この映画を二度目に見たのは40年後だった。1968年は私にとってはいろいろな意味でエポックメイキングな年で、思い出に残る年だった…。

30位 望郷   1937年
 若きジャン・ギャバンの名作。ぺぺル・モコが原題で、文芸作品ベスト10の番外だが、フランス映画の項目では見事にランクインした。古い映画だが、何度も見返している映画で、私のお気に入りである。

番外  復讐のビッグガン/リヨン連続殺人事件
 中年の域に達したアラン・ドロンと名優ジャック・ペランの共演作。娘を殺された元刑事がパリに舞い戻り、親友の刑事の助けを借りて捜査をするが…。中年になり、筋トレだけでなく少し動く度に息切れする役をドロンが演じていたが、ドロン最後の映画「ハーフ・ア・チャンス」も見逃せない。ジャン・ポール・ベルモンドとの共演で、年老いた二人の名優の共演もこれで見納め。


 ここまでフランス映画を書いてきて思うのは、特にサスペンス映画に抜きんでるものが多く、しかも音楽とのマッチも素晴らしいものが多いということである。例としては、「太陽がいっぱい」や「黒衣の花嫁」が挙げられる。
 一方、「鉄路の闘い」や「禁じられた遊び」など名作も多く、普段の生活から切り取る手法もフランス映画の特徴でもある。
 そして、ノワール映画だが、これは香港映画に引き継がれ、未だに健在である。たとえば、フランス・香港合作の「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」がフレンチ・ノワールを引き継ぐ代表的な香港ノワール映画である。
 ノワール、ヌーベルバーグと映像革命を起こし、次にはどういう革命を見せてくれるのだろう。
 こういうところにもフランス革命から脈々と受け継がれている革新精神が現れていると思う。

韓国映画ベスト25

韓国映画ベスト25

鎌田一孝(6組)



 韓国映画を見始めたのは1990年くらいからである。というのは、リスニング練習のために英語での映画を見ることが多く、フランス映画は高校時分から好きだったのと大学での選択がフランス語だったことで、韓国語には興味がなかったというのが正直なところである。
初めの頃は、韓国映画を見ても感動も何もなく夢物語の映画か、1950年代の場末の映画館で上映されるようなC級映画やポルノ映画ばかりだった。ところが、「女校怪談」を見て韓国映画に対する認識を改めた。

 30年ほど前に大韓航空を使い、トランジットで金浦空港から香港に行く途中、喫煙席にもかかわらずパーサーから吸うのをやめてくれと言われ喧嘩になったことがあり、それ以来韓国に対して良い印象を持ってはいなかった。
が、映画だけは別である。
 ホラーやサスペンスに関しては非常に良い映画が多いのだが、恋愛物に関しては韓流ドラマと同じで見るに値しないと思っている。
ホラーやサスペンスでは残虐な場面などもしれっと描いていたりして、「えっ」と思うこともしばしばである。


1位  カル   2000年
 このミステリー・サスペンス映画を見たときには衝撃を受けた。導入部から暗い画面の中にぱっと現れる原色、都会・下町・郊外・飛行機と舞台は切り替わる。まずは色づかい、そしてライティング、カメラアングル、すばらしい。しかし、犯人が最後までわからずじまい。
ストーリーの流れからしたら、中盤まではこいつ、でもそのこいつが死んで全体像が明らかになるが、最後の飛行機のシーンで犯人はあいつと示唆している。あれ〜…? 
 島田荘司の「占星術殺人事件」を彷彿とさせるようなストーリーに韓国独特の味付けがされ、それにハン・ソッキュの演技が隠し味として上手に料理された映画。

2位  女校怪談〜囁く廊下〜 1998年
 コリアン・ホラーの代表作といっても良いだろう。韓国映画に入るきっかけになった映画。学校内での連続死に以前に自殺した生徒の影がちらほら。探偵役の生徒キム・ギュリの美貌は一服の清涼剤。この映画がヒットしたおかげで、この女校怪談はシリーズ化された。

3位  JSA    2000年
 北朝鮮と韓国の境界にある共同警備区域JSAにおける顛末を描いた作品。サスペンスに入るのかなぁ、それともミステリーに入るのかなぁ。最後に明らかになる真実に愕然とする。ソン・ガンホがいい味出している。どこにでもいる普通のあんちゃんなのに…。

4位  シュリ   1999年
 北朝鮮からのスパイと韓国のスパイの恋愛ものと言ってしまえばそれまでだが、アクションは凄いし、後半部では泣かされる。
 この映画も光と影の使い方が絶妙で、特に終盤の熱帯魚店でのやりとりは、「エイリアン」とよく似たブルーの光と影を上手に使っている。女性向けかなぁ。

5位  チェイサー  2008年
 最初に見た時は片時も目が離せなかったが、暗い雰囲気とリアルさで、もう一度見ようという気にはなかなかならない重い映画である。
 制作年を調べていて知ったが、実在の事件をもとにしているらしい。でも、日本でもそれに近い監禁事件が新潟で起こっている(殺人はなし)が、この映画の犯人(実在)は20人を殺害して死刑になったことがWikipediaに書かれていた。

6位  サスペクト/哀しき容疑者  2014年
 最近観た映画だが、超オススメの一品。アクション・ミステリー・サスペンス? アクションのカット割りが早くて見にくかったけれど、素晴らしい映画である。
 ずっと疑われ続ける脱北の特殊工作員を演じている俳優は初めて見た(恋愛ものにはよく出ているらしい)が、凄い!の一言。彼の熱演があればこその映画である。私の自動車の修理工場長とそっくりなんだが…(どうでもいいことだが)。
 絞首刑での首つり状態から腕を後ろに一回転させて逃れる場面(ちょうどこの映画を見た次の日に子役の本田望結がテレビで実演していた)などは驚嘆もの。敵同士に芽生えた男の友情で復讐を果たしてこれで万々歳と思いきや、まだ続きがあった。
 映画中盤で殺された妻の台詞に「お腹の中の赤ちゃんにずっと語りかけていたら、その赤ちゃんは大人になって初めて父親を見てもすぐにわかる」というのがあったが、それが伏線となって、最後に生きているはずの娘を探しに中国まで渡って、6歳ぐらいの娘がチラチラと主人公の方を見るのを見ては、もう滂沱の涙であった。
 それにしても悪役の悪役ぶりも凄くて、韓国の俳優はみんな悪役をやらせれば右に出る者がいない。

7位  テロ、ライブ  2013年
 これもつい最近見たのだが、放送局の視聴率稼ぎを暗に批判した映画でもある。しかし、橋が爆破されるシーンとか、CGも格段に良くなっているし、この映画の持つサスペンデッドなヒヤヒヤ感は、なぜか「死刑台のエレベーター」と共通しているようにも思える。

8位  殺人の告白  2013年
 この映画は何と言っても、設定(シナリオ)に尽きると思う。殺人が時効になった途端、犯人を名乗る人物が犯行を本にして出版し、遺族につけ回されて…。そういう場合、アメリカでは本の売り上げは全額寄付する法律(サムの息子法)があるらしいが、日本でも神戸児童連続殺傷事件の犯人少年Aの本「絶歌」が話題になった。
 ところがこの映画は、最後に大どんでん返しがあった。そこがこの映画の素晴らしいところである。しかし、この映画を見て感じたのは、やはり韓国は"恨(ハン)"の文化だということ。慰安婦問題に見られるように、遺族はいつまで経ってもずっと恨み続ける、というのがこの映画でも表されている。
 この映画は、日本でも藤原竜也主演でリメークされた。

9位  ユリョン  1999年
 反日映画の代表作。一旦死んだことになった兵士たちが乗り込む秘密の潜水艦幽霊(ユリョン)の中でクーデターが起こり、日本を核攻撃しようとする派とまだ早いとする派の間での駆け引きが見物。たとえ架空の話の映画だとしても、この両派とも核攻撃はいずれするという前提のもとでの話である。やっぱり"恨(ハン)"の文化の国。

10位 シルミド  2003年
 1971年に起こった実際の実尾島(シルミド)事件を題材にした映画。
 金日成暗殺の特殊訓練を受けた連中が作戦中止から反乱を起こしてバスを乗っ取り自爆する話だが、南北関係・日韓関係など韓国という国に内在する複雑な事情が垣間見える作品である。日本に生まれていて良かった、と感じられる映画である。

11位 監視者たち  2013年
 初めて見て、どこかで見た記憶があるなぁ、と思って調べると、やっぱりそうだった。香港映画の「天使の眼 野獣の街」(2007年)だった。だってストーリーが全く一緒やねんから…。ただ、香港ノワールの特徴が人間性に重点を置いているのに対して、韓国映画の方はアクションに重点を置いてエンタテイメント性を重視しているように思う。どちらも見ると違いがわかりやすいと思う。

12位 アウトロー/哀しき復讐  2010年
 刑事が救出した女性と結婚して幸せな生活を送っていたが、その妻子を惨殺されて、警察を辞め復讐を開始するという話。
 終盤の公開処刑の場面は圧巻。よく練られた脚本だが、前半少し冗長になるところが欠点かな。どれだけその妻子を愛しているか、がしつこいぐらい繰り返されることを除けば、順位はもっと上。公開処刑の場面とオチだけでこの順位をキープできているのに。

13位 黒く濁る村  2010年
 突っ込みどころ満載、ご都合主義の映画だが、とにかくストーリーが面白い。サスペンス・ミステリーとして見ていると、細かい齟齬などは吹っ飛んでしまう。
 映画のタイトルが出るまでが過去の村で起こった事件、タイトルが出て以降が現在の事件という珍しい構成で、村全体が悪の巣窟みたいである。最後で現在の事件を仕掛けたのが、過去の事件の被害者少女だったことが示唆されている。出演者のぎらぎらと輝くような個性とストーリーで見せる映画である。

14位 青い塩   2011年
 録画したまま観ていなかった映画だが、見てみるとこれが面白い。コリアン・ノワールである。設定もさることながら、共演のシン・セギョンの美人ぶりに驚いた。童顔でありながらスナイパーを演じていて、主役のソン・ガンホに負けず劣らずの存在感を見せつけた。
 ストーリーのあちこちにキーワードの"塩"が散りばめられていて、塩の銃弾まで出てくる(ネタバレ)。最後の場面がなければもっと順位は上にしていたのに…。

15位 悪魔は誰だ  2013年
 誘拐をテーマにしているが、ここにも"恨"の文化が描かれている。
 15年前の誘拐事件の犯人がまたも誘拐を仕掛けてきたが、実は…。声紋を題材にしたミステリーは多いが、なるほどこういう描き方もあったのかと思わせられた。制作陣は殺人の時効に関して問題提起をしたかったのだろう。かつて娘の手術代のために誘拐した犯人(娘は死んでしまったが)、その孫娘を誘拐したかつての被害者の母親、結局誰が悪魔だったのか。

16位 リベラ・メ  2000年
 「女校怪談」のキム・ギュリが出演していたので観てみたが、火災シーンの圧倒的迫力に打ちのめされた。まるで、米映画「バックドラフト」(1991年)を彷彿とさせるシーンの連続だった。実際に廃ビルを燃やしたそうである。
 サイコパスに振り回される韓国警察のダメっぷり(他の映画でも多い)に対し、消防士たちの活躍ぶりが対比され、見応えある作品に仕上がっている。犯人が最初にわかっているので典型的なサスペンスだが、その犯人のサイコパスの心の叫びがタイトルに繋がっている。

17位 悪のクロニクル   2015年
  抜群に出来のよいサスペンスに仕上がっている。昇進を控えたエリート刑事が正当防衛で相手を殺すが(韓国の法律では正当防衛は認められていない)、それを隠蔽するところから始まる。その事件の担当になった刑事は、自分が真犯人であるにもかかわらず、真犯人を名乗る男が自首してくる。さあ、どうするか? 物語は二転三転していく。
 やはり「恨の文化」の国の映画である。しかし、主役を務めるチェ・チャンシクの演技が素晴らしく、少しも目が離せない展開である。画面の色彩は美しいし、もっと順位を上にあげてもよいかなとも思う。やっぱり韓国映画はサスペンスに限る。 

18位 殺人の疑惑  2013年
 公開された誘拐殺人事件の犯人の声が父親の声にそっくりだったことから、娘が父を犯人ではないかと疑うところから物語は始まる。そういう設定そのものが韓国映画は素晴らしいと思う。そのサスペンス感は最後まで維持されるが、時効の時を迎えた途端に一変する。最後のシーンはどうだったのだろうか。"恨"の文化がここでも発揮されてしまい、うやむやに終わってしまう。しかし、父親に疑惑を抱いた娘の心情をソン・イェジンは上手に演じている。

19位 ベルリン・ファイル  2013年
 ここまで書いていて気づいたが、2013年の映画が非常に多い。豊作だったのだろうか。さて「ベルリン・ファイル」だが、韓国映画にしては珍しく外国(ベルリンだから当たり前か)が舞台で、これも北朝鮮と韓国のスパイものである。が、最後は共同で裏切り者に制裁を加えるアクション映画である。韓国映画にしては格闘シーンが多かったような…。

20位 殺人の追憶  2004年
 韓国の三大未解決事件の一つ華城連続殺人事件を題材にしている映画である。
 捜査担当の一人の刑事に焦点を当て、心身共に疲弊していくのを心配した彼女に転職を勧められる。そして、20年後、現場を通りかかったところで当時のことがよみがえり、土管の中をのぞいてるときに少女に声をかけられる。それで初めて犯人を知るのだが…。
 最後の場面があるから、タイトル「殺人の追憶」になったのだろう。タイトルの意味がわかるまで2時間近くかかった映画である。

21位 新しき世界  2013年
 これも2013年制作だった。犯罪組織に潜入捜査していた警察官が組織の跡目争いを利用して、警察官としての自分を抹消して犯罪組織のトップに成り上がるというバイオレンス映画である。
 香港映画の「インファナル・アフェア」の逆バージョンで、同じく香港映画「エレクション」を彷彿させるような暴力シーンの連続で気の弱い方は見ない方が良いと思う。忠告。

22位 グエムル/漢江の怪物  2006年
 ソン・ガンホが普通のオッサンになりきっているのが凄いなあと思った。役柄に応じて顔や雰囲気が変わってしまう、ロバート・デ・ニーロみたいなカメレオン俳優である。
 でもこれが反米映画の一つだと見抜ける人がどれだけいるだろうか。日本映画「リンダ リンダ リンダ」に出演していたペ・ドゥナがお姉さん役で出ていた。グエムルの造形などよくできていたが、ところどころに笑いを散りばめながらもしっかりと反米をアピールするところなんざ、韓国の複雑な心理が見え隠れしている。

23位 カエル少年失踪殺人事件  2011年
 初めてタイトルを見た時は笑いかけたが、実際の韓国三大未解決事件の一つである。犯人捜しに躍起になる左遷されたテレビマンを軸に描いているが、「事件を忘れてほしくない」との思いでウソを言う母親など、やはり"恨"の文化だと思い知らされた。

24位 ザ・タワー/超高層ビル大火災  2013年
 韓国版「タワーリング・インフェルノ」だが、9.11テロを想起させるようにヘリがビルに突っ込むシーンがあったり、ちょっとやり過ぎでは?という感がなくもない
 救出劇を描いているが、最後は消防隊長自ら爆破させることでビルが崩れ落ちるって、ほんまに9.11やないか。泣かせる場面があったりするが、どうにもやるせない後味ではあった。

25位 チェイス〜夜明けまで走れ〜  2016年
 韓国のコメディ映画だが、少しも笑えなかった。が、サスペンス映画としてみると面白い。賛否両論ある映画だ思う。個人的には5段階評価の4.5をつけたい。
 キム・スンウのスリーピースを来たままのアクションもよいが、脚本がよかったと思う。ダブル主演の刑事役ハン・ウォンテクの性格付けが間違っているのではないかと思うが、韓国警察は映画の中ではいつもボロクソに言われることを思えば、それも納得。

番外 カプトンイー真実を追う者たちー  2014年
 もし映画ならば、必ずランキング入りするドラマである。テレビドラマであるのがもったいないと思う。第20話まで続くが冗長な感じもなく、グイグイとストーリーに引き込まれてしまう。一方、キム・ジウォンのかわいらしさに脱帽。
 このドラマだけでなく他の映画も同様に、サイコパスが必ずストーリーに出てくるのが韓国産の作品の特徴であるが、それだけ韓国内にはサイコパスが多いのか、疑問に思ってしまう。


 こうやってみてくると、2013年は韓国映画豊作の年だったと思う。素晴らしい映画だなと思う反面、くだらない映画もいっぱいある、これは日本映画も同じ。
 韓国映画は暗い画面、暗い話で陰惨な場面が多い。しかし、そのネタ元はというと、実際にあった事件や他の外国映画から取っていたり、韓国独自のストーリー展開というのが少ないのではないかとも思う。韓国内の複雑な事情、例えば北朝鮮との関係、米軍との関係などで制作者が自分の意見をアピールするために作っていると思われるものもよく見受けられる。また、"恨"の文化が根付いているのが映画を観ていてもよくわかる。

 俳優面ではハン・ソッキュ、ソン・ガンホなど名優が多いだけに頑張ってほしいと思う。女優陣では美人女優が多いが8割が整形しているとか枕営業とかよくない噂も聞く。もともと映画の描き方には素晴らしいところがあるので、そういう面がなくなって初めて韓国映画も世界で認められる映画になるのではなかろうか。

イギリス映画ベスト25

イギリス映画ベスト25

鎌田一孝(6組)



 イギリス単独での制作映画はなかなか見つからず、他国との合作映画が多く、選ぶのに難儀した。例えば、典型的な映画としては「時計じかけのオレンジ」で、イギリス映画とばかり思い込んでいたのにWikipediaで調べるとなんとアメリカとイギリスの合作映画だった。
 ここでは、純粋にイギリス産の映画ばかりを取り上げた。
《まだ工事中です》


1位  エリザベス    1998年
 エリザベス女王を題材とした歴史超大作。一部史実をひっくり返してはいるが、それでもイギリス史の勉強にはなる。1作目の「エリザベス」はエリザベスが女王として即位するまで、続編の「エリザベス・ゴールデンエイジ」はそれ以降という区分けである。
 主演のケイト・ブランシェットの素晴らしい演技に圧倒されて、途中でトイレ休憩にも立てないほどの映画だった。共演のジェフリー・ラッシュの抑えた演技が緊迫感を盛り立てるが、彼の演じたウォルシンガムは実際の歴史とは存在していた時期がずれている。それでも素晴らしい映画である。

2位  第三の男     1949年
 もしA級映画の特集であれば、文句なくサスペンス・ミステリー部門の一位に挙げられるであろう映画である。だから、ジャンル別の部門ではあえてこの映画を外しておいた。
 監督のストーリー展開とジョゼフ・コットン、オーソン・ウェルズの名優に加え、アリダ・ヴァリが華を添える。騙した友人を逮捕させるため罠を仕組む作家の心理状況を非常に上手なライティングで表した超名作。最後の場面での大観覧車からの一連の目配せ一つない男と女の動きが、それぞれの心理状況を物語っている。

3位  三十九夜     1935年
 原題は「The 39 Steps」で39階段である。どうして「三十九夜」になったのだろう?
 ヒッチコック初期の巻き込まれ型犯罪の典型作品。アメリカに渡って有名になる前の作品だが、サスペンスの基本はちゃんと抑えた映画作りである。
 ヒッチコック映画は別に取り上げようとは思うが、この映画からヒッチコック映画は始まったと思ってほしい。

4位  眺めのいい部屋  1987年
 この映画を観ると、スラングだらけ・リエゾンだらけの汚らしいアメリカ英語のアメリカ映画がつまらなくなってしまうほどだ。
 20世紀初めの、まだ階級意識が存在していたイギリスを舞台に上流階級の英語と下層階級の英語を対比させながら、恋愛模様を散りばめた時代考証も正確な映画である。「マイ・フェア・レディ」と同様、リスニング・スピーキングの練習に最適な映画である。

5位  マダムと泥棒   1955年
 名優アレック・ギネスとピーター・セラーズが観客を映画の世界に引き込んでくれる名演(怪演?)を見せてくれる。マダムと泥棒の駆け引きは松竹新喜劇も真っ青になるくらいの笑い。こういうシャレの効いた映画はイギリス映画特有のものである。

6位  バルカン超特急  1938年
 最後の最後でどんでん返しのあるヒッチコック映画。殺人のないヒッチコック映画だか、そこはそれ、ヒッチコックここにありと思わせる映画作りである。
 初期のヒッチコック映画は、どぎつさではなく英国紳士特有のユーモアあふれる作品が多いので、必見である。

7位  アラビアのロレンス 1962年
 知らぬ人はいない映画である。実在の人物トーマス・エドワード・ロレンスをピーター・オトゥールが女性的に演じ、イギリスの中東政策のゆくえを決定づけた一部始終を映画で表現した。青い眼のオトゥールが女性的に見える演技は素晴らしいの一言。アラブの内情・文化を知るにもちょうどよい映画である。ただ、オトゥールもこの映画のイメージが強すぎたために他の映画での知名度が上がらなかったのが残念である。
 ビッグコミックオリジナルの「裂けた旅券(パスポート)」にも同様な場面がある。

8位  ライアンの娘   1970年
 ジャンル別でも述べたように、どっしりしたロバート・ミッチャムの演技に感嘆。一本筋の通ったライアンの生き方は素晴らしいと思う。

9位  If、もしも…    1968年
 マルコム・マクダウェルが「時計じかけのオレンジ」で有名になる前の作品。学生運動華やかなりし頃の日本と同様、押さえつけられた学生の反抗を描いた作品。マクダウェルの存在感・異次元感はこの頃から存在していたと思わせられた。

10位 オリエント急行殺人事件 1974年
 犯人が誰かはわかっていても、これだけのスターが一堂に会する映画なんてそうそうあるものじゃない。出演俳優の顔ぶれを見ているだけでも満足できる映画である。バネッサ・レッドグレイブ、ローレン・バコール、イングリッド・バーグマン、ジャクリーン・ビセットの名女優陣に加え、ショーン・コネリー、リチャード・ウィドマークなどの俳優陣とくれば、見なければ損、損。

11位 ナイル殺人事件   1978年
 「オリエント急行殺人事件」が列車という密室ならば、「ナイル殺人事件」は船という密室での話である。これもほぼオールスター映画で「ローズマリーの赤ちゃん」のミア・ファロー、「クリスタル殺人事件」(これは米英合作映画)でのミス・マープル役のアンジェラ・ランズベリー、大女優ベティ・デイビス、名優デビッド・ニーブン、「ロミオとジュリエット」のオリビア・ハッセー、そして好きなジェーン・バーキンなど出演陣を見ているだけでもワクワクさせてくれる映画である。アンジェラ・ランズベリーは「ジェシカおばさんの事件簿」にも出演しているが、その声のかわいらしさに魅力があふれている。

12位 地中海殺人事件   1982年
 最後に犯人が証拠を挙げられないポワロを馬鹿にしながらチェックアウトするときに、そのサインが証拠となるギリギリ計算され尽くした謎解きものだが、「猿の惑星」・「フライトナイト」のロディ・マクドウォール、「評決」・「北北西に進路を取れ」のジェームズ・メイスン、ボンドガールのダイアナ・リグ、好きなジェーン・バーキンとやっぱりスター級総出演。でも「ナイル殺人事件」に比べるとちょっと小粒の映画だし、証拠が弱いのが欠点。ピーター・ユスチノフの水着姿が時代を物語っている。

13位 日の名残り     1993年
 過去に想いをはせながら現在を生きていこうとする執事をアンソニー・ホプキンスが抑えた演技で、「羊たちの沈黙」とは対極にある演技を披露している。盛り上がりそのものはないが、人生について考えさせられる映画であり、年を取って初めて理解できる映画だと思う。原作は日系のカズオ・イシグロの作品。

14位 17歳の肖像     2009年
 24歳のキャリー・マリガンが16歳の高校生を演じた青春もの。青春ものといっても明るく前向きに、というのではなく、妻子ある男に騙されて退学する話である。しかし、最後に校長先生が復学を許してくれる、これぞまさに夜回り先生のいう教育である。最後まで見て、初めて原題の「An Education」が理解できるのである。
 キャリー・マリガンは天才女優であるがゆえに、結婚せずに女優を続けてほしかった。こうなったら、離婚することを望もうか。

15位 アルゴ探検隊の大冒険 1963年
 これは何度も見ているが、何度見ても面白い。ギリシャ神話の勉強にもなるし…。何と言ってもレイ・ハリーハウゼンの特撮技術である。「キングコング」から30年で、カラーでストップモーションの技術がここまで進むのだから、人間の知恵は素晴らしいと思う。
 そういえば、人類が初めて空を飛んだ1903年からこの年で60年、そしてこの年にケネディ大統領暗殺が衛星放送で伝えられた。たった60年で宇宙に人工衛星を打ち上げ、しかも放送するようになるのだから人類の知恵は素晴らしい。

16位 スペース・バンパイア 1985年

17位 小さな恋のメロディ  1971年
18位 恋におちたシェークスピア 1998年
19位 ベオウルフ     1998年
20位 ディセント     2006年
21位 アウェイクニング  2012年
22位 わが命つきるとも  1966年
23位 ブーリン家の姉妹  2008年
24位 穴         2001年
25位 ウインブルドン   2004年
番外 月に囚われた男   2010年
  

日本映画ベスト35

日本映画ベスト35

鎌田一孝(6組)



 日本映画そのものは見ているんだけれども、記憶に残る映画というのがなかなかないというのが辛いところである。アラカンの「鞍馬天狗」や猫化け映画、阪妻の「雄呂血」なども録画してあるが、懐かしいという気持ちが先に立ってしまい、なかなか感情移入できないのはなぜだろう。
 古典となる小津映画などはイタリアのリアリズムとどこか似通っているし、特異なカメラアングルやロングショットでの長台詞は今や絶滅危惧種のようで、名作は名作として取っておきたいと思う。
 ここでは、鎌田個人の印象に残っている映画を取り上げてみたい。
《まだ書いていないコメントは後日ということで、ハイ…》

1位  七人の侍    1954年

2位  日本女侠伝/侠客芸者 1969年
 藤純子主演で相手役は高倉健だが、緋牡丹のお竜よりも私はこちらの映画が好きである。1980年代のテレビでの再放送のときに初めて見て、もう一度再放送されるのを待っていたがなかなかされないので、我慢できずにDVDを購入した。
 藤純子が気っ風のよい男勝りの芸者を演じながら、高倉健の前では淑やかな"おんな"になる二面性を上手に演じ分けていて、こういう女に惚れられたいと思ったものである。

3位  華やかな女豹  1969年
 冒頭の白い帽子を被った浅丘ルリ子の毅然とした美しさが何といってもいい。フェアレディZを駆る浅丘ルリ子を取り巻く恋愛コメディだが、ピーターの「夜と朝の間に」、弘田三枝子、黛ジュンの歌やコンサートが入り、それなりに当時を偲ばせる映画作りとなっている。

4位  陰陽師     2001年
 続編の「陰陽師Ⅱ」と合わせて、野村萬斎の男の色気がたまらない。「眠狂四郎」の田村正和の色気とともに、ゾクゾクさせてくれる。続編は小粒な映画に収まってしまったが、この映画は話が壮大で、CGもよくできていると思う。
 また、若いだけの俳優だと思っていた伊藤英明のコメディアンぶりを見て、芸達者な役者だと見直したものである。

5位  アマルフィ/女神の報酬 2009年
 この映画でアマルフィという場所を知ったが、素晴らしいなぁ。一度行ってみたいと思う。「踊る大捜査線」とは対極の役柄を織田裕二が演じているが、それについては成功したと思う。織田裕二と対決する佐藤浩市演じるテロリストは、映画「ホワイトアウト」と同じ配役だが、果たしてどうだったのだろうか。まあ、日本映画で冷酷無比なテロリストを演じることのできる俳優がどれだけいるかを考えれば仕方ないのかなとも思う。
 続編の「アンダルシア/女神の報復」は、失敗作ではないかと思う。黒木メイサの起用やストーリーテリング・撮影・画面の色合い等、文句をつけたくなってしまう作品になってしまった。

6位  夜叉      1985年
 健さんのかつてのやくざ映画を現代という時代背景で描いた作品。田中邦衛・大滝秀治・丹古母鬼馬二・いしだあゆみといった健さん映画に欠かせない脇役に加え、ビートたけし・寺田農が絡む名作である。それだけではなく、遠景と近景の対比が素晴らしい木村大作のカメラ、そして緊迫感あふれる場面では手持ちという使い分けの素晴らしさは、言葉が出ない。
 何と言っても田中裕子の名演が光る。先に観た鈴木清順監督の「カポネ大いに泣く」(1985年)で、田中裕子の演技力に驚いたが、この映画でも本当に自然体での演技でいしだあゆみと双璧をなしている。特に最後の列車内で、夜叉の子を妊娠したことがわかった時の勝ち誇ったような微笑には、ゾクッときたものだ。この最後の場面で、本当の夜叉は田中裕子だったことが示唆されている。この映画は、そういう風にいろんなメタファーが盛り込まれていて、見直す度に新しい発見がある。
 さすがに健さん最後のヤクザ映画のことがある。

7位  リング     1998年

8位  情炎お七恋唄  1972年
 日活ロマンポルノの一作品で、大学1年の終わりに庄内東映の深夜興業で観て、長らく題名を忘れていた作品である。ポルノシーンはそれほどではなく、ストーリーとカメラが素晴らしかった。もう一度観たいと思っていたが、43年後にやっと題名がわかった映画である。八百屋お七を題材とした時代劇で、ポルノとしてではなく一般映画としても名作に入ると思っている。
 しかし、ビデオも廃盤になっていて、もう見ることができないようだ。もう一度観てみたいなぁ…。

9位  居酒屋兆治   1983年
 やっぱり堪え忍ぶ健さんはいい。大原麗子が実生活さながらの死に方をしていることから、どうしても重ね合わせて観てしまう。健さん映画常連の田中邦衛や池部良のほかに多種多様な俳優が出ているが、健さんを支える加藤登紀子と健さんに劣等感を持っている伊丹十三が素晴らしい演技をしていることでもこの映画を観る価値はある。
 最後の場面は、映画として観るのではなく主人公になったつもりで感情移入して観ると、健さんの涙の意味がよくわかる。

10位 さまよえる脳髄 1993年
 高島礼子と神田正輝のホラー・サスペンスである。最初にVHSで録画したときは、ラストシーン直前の高島礼子の表情が一変して男声で汚く罵る別人格になる場面がずっと印象に残っていた。主役二人ともが別人格を持つ(分離脳)に至る経緯を細かく説明してあり、よくできた映画である。
 高島礼子の初期の映画で、最近の離婚騒動での高島礼子とは顔立ちも違うので分かりにくいのではないか。DVDで録画し直して見直すと、その点がよくわかる。

11位 ジーン・ワルツ  2011年

12位 HOUSE     1977年
 日本では珍しいホラー・コメディで、しかもサイケデリックな色彩とアニメを融合させた作品である。日本映画のひとつの革命的作品である。池上季実子や神保美喜・大場久美子らのアイドルに混じって、南田洋子の化け物役など意表を突く映画であった。
 監督の大林宣彦を始めとする著名人がカメオ出演をしているので、それを見つけるのも楽しみである。池上季実子や南田洋子の珍しいヌードシーンがあったりするが、非常によくできた作品である。
 そう言えば、一度香港で池上季実子に会ったなぁ…。

13位 ゴジラ     1954年

14位 モスラ     1961年
 小学校3年の時に親父に連れられて見に行った映画である。ゴジラも好きだが途中からコメディになってしまったのに対して、この「モスラ」は新鮮だった。最初のゴジラが男性的であったのに対して、モスラは非常に女性的であった。ザ・ピーナッツ演じる小美人のせいか。それだけではないはずである。モスラの造形がやはり丸みを帯びた女性的な造形だったに他ならない。
 ゴジラの生態が不明であるのに対し、モスラはちゃんとサナギになり羽化するところも現実味があったのだろう。これ以降、モスラの出る映画は必ず観た。しかし、90年代に入っての第2モスラ・シリーズはあまり好きではない。なぜならば、設定が全く変わってしまったからである。

15位  妖星ゴラス   1962年
 「Gorath」というタイトルでアメリカなどでも公開された映画。妖星ゴラスが地球に衝突するのを地球の軌道を移動させるロケットを南極に据え付けて、数々の障害にも負けず何とか成功するという内容で、小学生の時に見て非常に記憶に残っていた。見直してみて、なぜ記憶に残っていたかよく理解できた。原水爆などの核兵器の使用が最初に考えられて自由主義・共産主義問わず世界各国が協力し合う、それが無理だとわかると南極の基地建設やゴラスの情報収集にも世界みんなが協力し合うというメッセージが込められ、国際色豊かでスケールの大きい映画だったからである。そういう国連を中心とした理想社会を描いていたからであろう。それに加え、1点を除きすべて科学的に捉え科学への興味を引き立てられたからであろう。調べてみると、東大の協力を仰ぎ、黒板などに書かれているのも本物の数式だそうだ。
 現代のCGからすれば当時の特撮はちゃちな面もあろうが、これから実際に起こりうるであろう危機に対する管理の方法や科学に対する夢を持たせる意味でも素晴らしい映画の一つであろう。ゴジラやモスラなどの怪獣映画を凌ぐ科学映画といっても過言ではないだろう。

16位 黒の天使Vol.2  2002年
 高校生の頃にごろつきから助けてくれた男と、成長してヒットマンになった天海祐希の物語である。漫画家出身の石井隆監督ならではのシーンがあり、わりと好きな映画だが、ラストシーンだけはいただけないと思う。しかし、この映画は、天海祐希・片岡礼子の演技とともにもっと評価されていいのではないだろうか。
 前作「黒の天使vol.1」は、葉月里緒奈がヒットマン(師匠は高島礼子)を演じていたが、これは駄作だろう。vol.2のほうをときどき思い出すのはなぜだろうか。相手役の大和武士は今どうしているのだろう。

17位 催眠      1999年
 本来、この順位には「催眠」(1999年)を入れるつもりだったが、よくよく考えてみると「催眠」はテレビドラマだった。

18位 CURE      1997年
19位 羅生門     1950年

20位 魍魎の匣    2007年
 教え子に勧められて読んだ京極夏彦のミステリー小説のシリーズの映画化2本目の作品である。2本とも見たが、前作の「姑獲鳥の夏」は精神面をどう映画化するかという無理難題を見事に映像化したが、こちらの「魍魎の匣」はグロテスクさをどう映像化するかという面で興味があった。谷村美月を有名にした映画だが、もっと主役の京極堂を掘り下げてほしかったというのが、感想である。
 原作の百鬼夜行シリーズは9割方読んでいるが、1作目と2作目が映画化されただけだから、もっと映画化してほしいと願っているのは私だけだろうか。特に、4作目「鉄鼠の檻」と5作目「絡新婦の理(じょろうぐものことわり)」は映画化にむいていると思うんだが…。

21位 スワロウテイル 1996年
 岩井俊二監督のファンタジーSFだが、その世界観がすばらしい。よくぞここまでその世界を作り上げたと思う。制作されて今年でちょうど20年だが、その世界観は揺るぎないものとなっている。作中に出てくるバンドYEN TOWN BANDも独立してCDを出しているし、岩井俊二監督のすごさを思い知らされた作品である。
 主役の三上博史は、主演した映画すべてがずっこけるという不幸な星の下に生まれた俳優であるが、もっと評価されてもよい俳優である。伊藤歩もこの年であれだけの演技ができるのだから、舞台だけではなくもっと映画にも出てきてほしいものである。

22位 アカシヤの雨がやむとき 1963年
 浅丘ルリ子のほっぺたがまだそんなに膨らんでいないときで、可愛かった。新人の頃の高橋英樹との共演だが、1963年当時の背景が非常に生きていた。昭和30年代の町並みや人情、そして職業や髪型など、やはり映画は時代を映す鏡だと再認識させられた。

23位 ある殺し屋   1967年
 市川雷蔵の映画としては、「眠狂四郎」よりもこちらのシリーズを推したい。続編の「ある殺し屋の鍵」はほんの些細なミスが命取りになるが、こちらはそうではない。ゴルゴ13なみの冷静さで暗殺をやり遂げる板前に扮した雷蔵の魅力があふれている。続編では踊りの師匠になっていたが、同一人物の設定で続編も撮影してほしかった。

24位 泣かせるぜ   1965年
 裕次郎映画の中では、この映画と「花と龍」が好みである。渡哲也の素人っぽい(下手な)演技と裕次郎の貫禄、浅丘ルリ子の堪え忍ぶ女の描写が素晴らしいと思う。わざとらしい演技などもあるが、やっぱり浅丘ルリ子をめぐるストーリー展開を軸に据えたのがいいと思う。それが曲にマッチしているのだと思う。

25位 皇帝のいない八月 1978年
 渡瀬恒彦の狂気の演技が何といっても素晴らしい。山本圭や吉永小百合の演技を飲み込んでいる。大部屋俳優時代に鍛えられた演技力が開花した映画である。そして、政界の闇をも映し出したエンタテイメント映画としては、上位の部類に入るだろう。この映画は何といっても、渡瀬恒彦の演技に尽きる。

26位 感染列島    2009年
 映画の冒頭場面から息をもつかせぬ展開になり、観客を引き寄せるストーリー展開はすばらしい。妻夫木聡の映画も檀れいの映画も、これが初めてであったが何の問題もなく映画に入り込めた。
 が、不満点が一点だけある。アメリカ映画「アウトブレイク」の終盤と同じ収束の仕方が気に入らない。よって、この順位。

27位 ハイハイ三人娘 1963年
 この映画を見たのは何十年も後だったが、園まり・伊東ゆかり・中尾ミエの三人娘の高校生映画だった。いちばん年上の園まりの髪型が似合っていて、メチャ可愛かった。相手役もスリー・ファンキーズで当時流行った歌謡映画の一作品である。
 園まりの映画は「逢いたくて逢いたくて」と「夢は夜ひらく」を見たが、この映画の可愛さに勝る映画はなかった。

28位 夜の歌謡シリーズ/なみだ恋 1973年
 深夜の庄内東映で観た映画で、もう一度観たいと思っている映画である。衛星放送の東映チャンネルで2016年4月に放映されたようだが、契約していないので見ていない。DVDは出ていないのかなぁ。
 八代亜紀の「なみだ恋」に合わせて作られた映画だが、八代亜紀も出演していたし、主題歌も歌っていた。レコードを買ったが、どこに行ったんだろう。ステレオをしまってある納戸にあるのかなぁ。「雨のカフェテラス」だったかな、B面もいい曲だった。

29位 山形スクリーム 2009年
 俳優としての竹中直人は認めていたが、監督としての竹中直人の手腕はどうだろうと観た映画である。面白いではないか。竹中直人流のジョークがふんだんに散りばめられ、ホラー映画好きには堪らないホラー映画のパロディがあちこちに隠されているのだから。そのパロディを見つけるのも楽しかった。私が見つけただけでも「エクソシスト」・「ブレードランナー」・「ジュラシック・パーク」・「悪魔のいけにえ」・「悪魔のはらわた」・「悪魔の手毬唄」・「マッドマックス2」などに加え、ゾンビ・シリーズ。竹中直人の映画愛がよく感じられた。
 さわやかな役柄が多い沢村一樹を落ち武者の幽霊に据え、荻野目慶子があたふたするスナックのママを演じたり、普段のイメージとは全くかけ離れた役柄を演じている配役の妙というものが感じられる。それにしても、桐谷美玲や波瑠が出演していたんだぁ。全然気が付かなかった。この後だもんな、彼女らが有名になったのは。

30位 ちょうちん   1987年
 32位「竜二」の金子正次の原作だが、それを陣内孝則と石田えりが見事に演じている。背中に竜の刺青を背負った羽振りのいいヤクザが組を抜けて、それこそ気の抜けた堅気になるが、ヤクザ時代の女が紆余曲折がありながらも支えてやり、ある朝死んでいるところで終わる。という早世した金子正次その人の生き様が描かれている。
 堅気になって石田えりの子どもの幼稚園の参観に行ったときの陣内孝則の身の置き場のないような演技や、石田えりの一夜の浮気の後去って行く陣内孝則を追いかける石田えりの演技など、画面に引きずり込まれる。「遠雷」以来、石田えりの映画は観ていなかったが、この映画で再度見直した。ちょい役で今をときめく内藤剛志や小林稔侍が出ているこの映画はもっと評価されてもいいのではないだろうか。
 そう言えば、陣内孝則の妹役を演じた新田恵利が今日のニュースで脳梗塞の手術をしたと言っていた。

31位 キャバレー   1986年
 野村宏伸主演だが、バックに流れる「レフト・アローン」が素晴らしくいい。東映映画・角川映画のスターだけでなく北方謙三などもちょい役で出ているのを探すのも面白い。なかなか再放送されなかったが、5年ほど前にやっとDVDに落とすことができた。ときどき車の中で「レフト・アローン」を聴いている。

32位 竜二      1983年
 金子正次が一躍有名になった作品である。竜二を演じた金子正次もさることながら、永島暎子の自然体の演技に目を剥いたものである。この映画で、永島暎子は凄い女優だと思うと同時に、どこにこんな素晴らしい才能を持った女優が隠れていたんだろうと思ったものである。
 画面のフォーカスを甘くして、コントラストも薄くし、現実感を持たせた手腕も凄いが、公開されて間もなく金子正次が亡くなったために有名になってしまった映画である。調べてみて初めて知ったが、金子正次の命日と松田優作の命日が同じだったとは、11月6日は名優の厄日なんだろうか。

33位 山口組三代目  1973年
 これと続編の「三代目襲名」も深夜の庄内東映で見たが、高倉健が中学生役を演じているのには驚いた。青大将こと田中邦衛の他、松尾嘉代・菅原文太・待田京介等の出演だったが、アラカンこと嵐寛寿郎や二代目を演じた丹波哲郎に加え、山本麟一・阿波地大輔・汐路彰などの大部屋俳優もいい味を出していた。続編の「三代目襲名」には、まだ大部屋時代の渡瀬恒彦も自転車修理業から幹部になる役で出ていたし…。東映あげての映画だったのではなかろうか。
 そう言えば、大学のテニス部が毎年開催していたダンスパーティの会場は、いつも山口組の幹部のダンスホールだった。幹部の方は我々大学生に対して非常に優しくしてくれたものだった。

34位 魔界転生    1981年
 渡辺裕之版と佐藤浩市版も観たが、やはりインパクトの強烈さはこの深作欣二版である。北新地の入口にあった今はなき梅田東映に観に行ったが、沢田研二と真田広之のキスシーン目当ての若い女の子だらけで、こちらが気恥ずかしい思いをした。
 原作を思い切りはしょって主役を天草四郎に絞った深作欣二はやはり天才である。千葉真一のハマリ役柳生十兵衛、室田日出男の宝蔵院胤瞬もよかったが、何よりも細川ガラシャを演じた佳那晃子と柳生但馬守宗矩を演じた若山富三郎の素晴らしさは群を抜いていた。役作りもそうだが存在感が素晴らしかった。最後の場面の千葉真一と若山富三郎の殺陣は、過去の時代劇の中でも最高傑作と思う。胤瞬との一騎打ちもそうだが、殺陣百般の若山富三郎ならではの迫力である。若山富三郎の殺陣と存在感・佳那晃子の妖しさ・千葉真一の殺陣を観るだけでもこの映画の価値がある。

35位 龍三と七人の子分たち 2015年
 ついこの間観た映画である。平均年齢72歳の俳優陣が面白い。藤竜也演ずる元ヤクザの組長が騙されかけたオレオレ詐欺集団に復讐しようとする時代性もさることながら、ブラックジョーク満載で、大笑いではなくニヤリとする笑いが知らず知らずのうちにもれ出てしまう。
 北野武監督流のユーモア満載で、年齢が近づいている我々世代にこそ見てほしい映画である。

番外 不夜城/SLEEPLESS TOWN 1998年
 制作は日本だが監督は日本人ではないので、番外。主演の金城武のみならず、椎名桔平と山本未来の名演が素晴らしいと思う。ほとんど台詞は聞こえないが、鈴木清順監督も一俳優として出演しているし…。
 歌舞伎町という無国籍タウンを舞台にし、時代性を先取りしたような映画であった。


 なんやかんや言いながらも日本映画も結構観てるやないか。と思う。確かに時代劇は「雄呂血」から観ているし、やっぱり映画好きの祖父の血が流れているのだろうか。

 当初から昭和40年頃までの時代劇は歌舞伎の影響が強く、リアリティからはほど遠いものであったが、庶民の娯楽としては一級のものだったろう。時の流れとともに時代考証が正確になり、事実としての時代劇が一時流行った。
 時代劇という潮流が時の流れに飲み込まれ、小津安二郎などの現実を切り取る映画がネオ・レアリズモの影響を受けて流行したこともあった。現在の若者主演の映画はその延長のようにも思える。その中から都市伝説に着目したジャパニーズ・ホラーが生まれ、今では雑多な種類の映画が次から次へと生まれている。
 幼い頃に、父の買ってくれた幻灯機で「真吾十番勝負」を何度見たことか。それが映画やドラマへの夢や憧れになったと、今になってはっきりとわかる。そして、今はなき城南劇場で観た化け猫映画、OSで観た「101匹ワンちゃん大行進」など、年をとればどんどん昔が懐かしく想い出される。

 映画を観るときには、俳優の演技力に着目することもあれば、ストーリーに着目することもあるし、画面の美しさに着目することもある。「東京流れ者」・「陽炎座」ほかの鈴木清順監督の原色の色づかいや舞台装置の美的感覚は、何物にも代えがたいものである。
 また、画面の片隅にチラッと見えるだけで画面が引き締まるほどの存在感を持つ俳優と言えば、高倉健と若山富三郎、松田優作を挙げたいと思う。女優陣では、田中裕子や時代劇における佳那晃子、若村麻由美などである。こういういい俳優が、これからも日本映画界に生まれることを願わずにはいられない。

TVドラマベスト30

TVドラマベスト30

鎌田一孝(6組)



 番外編として、TVドラマベスト30を挙げてみたい。単発・連続にかかわらず何度でも見返したくなるドラマを並べてみた。
《またまたまだ書いていないコメントは後日…》


1位  刑事の愛した女  1984年
 火曜サスペンス劇場の1作だが、原作は藤原審爾である。当然ストーリーも抜群によく、それにも増して田中美佐子の魅力が全開だった。周囲を実力派俳優で固め、最後まで飽きさせないドラマだった。
 同僚の刑事役の織本順吉がヨボヨボになりながらもいまだにテレビ等に出演してくれていることは嬉しいものである。ドラマの後日談があれば観てみたいと思った。
 再放送されていないので、録画したVHSテープからDVDに落として保存版にしてある。

2位  ママはアイドル  1987年
 馬鹿にして観ていなかったドラマだが、スペシャルの再放送を観て「これは…!」と思った。そして、DVDコンプリートセット版を購入した。
 人間関係・家の造作などの設定もさることながら、画面の隅々にまで行き渡った演技や子役の演技の素晴らしさに驚いた。子役の後藤久美子(この頃は大根)や永瀬正敏、同年代の三田村邦彦・風吹ジュンに加え松澤一之の演技がとにかく素晴らしかった。
 報道のTBSからこういうドラマが生まれるとは思いもよらず、今でもときどき見直している。

3位  青い髪の人魚   1989年
 フジテレビの現代神秘サスペンスで放送されたものだが、ホラーと言っていいのかな。
 小川知子・本田博太郎夫婦の間に紛れ込んだ若い女との三角関係に同性愛を絡め、殺人事件が起こる。舞台はタイで、事件を回想する形で始まる。夏八木勲の前で、小川知子の描いた人魚の絵の目がギョロッと動くシーンでは背筋がゾクリとしたものである。
 VHSテープに録画したのだが、どのテープに入っているかわからず、今も探している。このドラマで、本田博太郎のファンになってしまったほど、彼の演技は素晴らしかった。

4位  親愛なる者へ   1992年
 連続ドラマだったが、最終回の2,3回前から観るようになった。自分の経験と重複するところが多く、最終回では泣いてしまった。韓国でもリメイクされたようだが、やはりオリジナルに勝るものはないだろう。浅野ゆう子の渾身の演技と柳葉敏郎の純朴さがよくマッチしている。また、城南高校の先輩である高津住男も出演している。
 最終回だけ録画したものが残っていて、DVDに落とした上に、いつでも観られるようにHD内に残してある。DVDを出してくれないかなぁ。

5位  眠れない夜を数えて  1992年
 田中美佐子と三田村邦彦の主演の刑事ドラマだが、主題歌の「はがゆい唇」もよかった。笑福亭鶴瓶・浅田美代子・根岸季衣・小林稔侍の実力派に、後に活躍する竹内力・段田安則・村田雄浩・春田純一と川藤幸三を起用したこのプロデューサーの目は確かだと思った。ただ話が大きくなりすぎて収拾できなくなり、慌てて最終回に収束した感じは否めない。まるでTV版「ツイン・ピークス」のようだった。しかし、このドラマの田中美佐子は美しいの一言である。
 これも最終回だけ録画したものが残っているので、DVDを出してほしいと思っている作品である。

6位  ころす・の・よ   1988年
 1位・3位とこの6位のドラマを知っている人は少ないと思われる。乱歩賞作家サスペンスの1作品だが、片平なぎさ・三浦浩一に中村明美のたった三人のドラマである。毒を入れてあるかも知れないウィスキーのボトルをスナックで飲むか飲まないか、ヒヤヒヤさせる純然たるサスペンスだが、最後の片平なぎさの台詞がすべてを物語っている。また、主題歌の「ランダム」(石黒ケイ)の唄もよかった。
 原作・脚本がよければ、面白くなる典型のドラマだったが、これもVHSテープのどこかに残っているはずなのになかなか見つからない。なんせ、VHSテープだけで1200本近くあるから大変だぁ。

7位  白い巨塔     1978年
 映画版ではなく、田宮次郎が財前五郎と同年代になって自らプロデュースして作ったテレビドラマ版である。
 最終回の放映前、田宮次郎が猟銃自殺したことでも有名になった作品である。財前五郎役をライフワークにしていた田宮次郎が渾身の演技を見せた。数ある「白い巨塔」の中で、これが最高峰だと私は思っている。
 田宮二郎の財前五郎役を始めとして、中村伸郎の東教授役、小沢栄太郎の鵜飼医学部長役、山本嘉の大河内教授役、曾我廼家明蝶の財前又一役などなど、その中でも特に山本学の里見助教授役はハマりすぎていた。ああ、忘れてならないのが、私の大好きな太地喜和子の花森ケイ子役である。これだけ豪華な俳優陣がピッタリの役にはまり、なおかつ原作に忠実にドラマ化されたものはないのではないか。
 このドラマの放映時はVTRを持っていなかったので、のちにDVDコンプリートセットを購入した。

8位  豹(ジャガー)の眼 1959年
 小学校3年の冬休み、「豹の眼」の再放送があり、日本編の後半を見逃したことがずっと悔やまれていたが、DVDコンプリート版を購入し、疑問が氷解した。大瀬康一・近藤圭子・天津敏・高塔正康のレギュラー陣が異国情緒あふれるドラマだった。
 「月光仮面」・「怪傑ハリマオ」と並ぶ三大作品である。いずれもDVDで持っているが、「忍者部隊月光」と「海底人8823」のないのが淋しい。もう一度観たぁ〜い。

9位  別れた理由(わけ) 1988年
 中原利恵・高橋長英が離婚した夫婦を演じ、偶然再会したところから始まるドラマだった。殺人などは出てこないが、ある期間結婚していた男と女の心の機微を見事に描いていた。映画「別れぬ理由」の逆バージョンだと思うが、パロディどころか素晴らしい作品になっていた。
 これも録画したVHSテープがどこかにあるはずなんだが…。この頃、1987年から1988年にかけては、腰を痛めてテニスの仕事ができなくなって、塾一本に絞って鬱屈していたときだった…。

10位 北都物語〜絵梨子のとき〜  1975年
 金沢碧のデビュー作で、二谷英明・渡辺美佐子に佐藤友美・沖雅也・木村功・五十嵐じゅん・永井秀和が絡んでくる不倫物語である。緑魔子も出番は少ないが、重要な役どころを演じていた。サンテレビでの再放送を録画していたが、当時は電波状態が悪く写りはあまりよくなかった。そのうちのテープが1本だけ(3話分)残っているが、雨が降っている画面でとてもじゃないが見られたものではない。だから、これもDVDを出してほしいと願っている作品である。
 原作の渡辺淳一が有名になりかけた頃だった。この後、沖雅也は自殺し、五十嵐じゅんは中村雅俊と結婚し、木村功は死んでしまった。

11位 新撰組始末記   1977年
 平幹二朗が近藤勇、高松英郎が芹沢鴨、古谷一行が土方歳三、沖田総司が草刈正雄、一番隊隊長に夏八木勲、山南敬祐に高橋長英、その他実力派俳優勢揃いの豪華な連続ドラマだった。このドラマがきっかけで、原作の「新撰組始末記」だけでなく、その他の書籍も読み漁り、今でもその書籍類は残してある。
 テープもDVDもないので、もう一度観たい映画筆頭である。

12位 夜の恐怖病棟   1982年
 姉の死の真相を探る看護婦に中村れい子、その上司の医師に近藤正臣を配したホラータッチのサスペンスドラマである。このドラマで中村れい子を知ったが、数ある作品の中で、この「夜の恐怖病棟」が中村れい子のハマリ役と思える。火曜サスペンスで、これもVHSテープからDVDに落として保存版にしてある。中村れい子は今どうしているんだろう。最後に観たのは、田村正和の眠狂四郎のスペシャル版だったと記憶しているが…。

13位 月光仮面     1958年
 懐かしくてDVDのセットを買ったが、当時は手回しの蓄音機で「月光仮面は誰でしょう」と裏面の「月光仮面の歌」をよく聞いたものである。このレコードと手回し蓄音機は、今でも事務所の2階に置いてある。

14位 無法松の一生   1964年
 記憶の底に澱のように溜まっているのは、南原宏治主演のTVドラマ版である。これが最初の「無法松の一生」で、それ以降、他の作品と見比べたが、小学6年生の子ども心に植え付けられた64年版の印象がやはり強かった。 最終回のせいで、「無法松の一生」というのは悲しいドラマだと思った。
 80年代中頃、年3回ほど行っていた香港島のスターフェリー降り場には人力車がまだたくさんあった。それを見る度にこの「無法松の一生」を思いだしたものである。

15位 大奧       1968年
 高1のときに毎週見たドラマである。ナレーションの岸田今日子の語りが、甘えたような声でありながらどこか突き放したような冷たい感じがし、バックに流れる主題曲の最初のフレーズが映画「太陽がいっぱい」と同じで、自分で採譜もしたぐらいいい曲だった。肝心のドラマの筋立てはもう忘れてしまったが、ナレーションと主題曲で記憶に残るドラマである。

16位 不信のとき    1984年
 渡瀬恒彦と十朱幸代の主演で年末特番でやっていた。男の哀れさが際立つブラック・コメディで、岡田茉莉子と若尾文子・田宮二郎の映画版を見てストーリーは知っていたが、84年版は脚本がよくできていたと思う。男と女の騙しあいは、やっぱり女が勝つのだろう。
 ラストシーンは非常に印象に残っていて、それまで見た映画版やTV版と異なり、十朱幸代が手切れ金で開いたそば屋(だったと思う)が大繁盛しているのに対し、捨てられた渡瀬恒彦は公園でホームレスになり靴下の穴を繕うところで終わった。この惨めさ・哀れさの描き方が秀逸であった。

17位 生きていた男   1984年
 これは最後の5分間で騙された。ただの2時間サスペンスかと思いきや、アメリカ映画「生きていた男」のリメイク版らしい。オリジナル映画を見ていなかったからなんと出来のよい2時間サスペンスかと思った。オリジナルを見たら、ひょっとすると、サスペンス映画ランキングが変わるかも知れない。
 桃井かおりと渡瀬恒彦の演技力があればこそのドラマだが、プロットの素晴らしさの光る一作であった。

18位 怪傑ハリマオ   1960年

19位 忍者部隊月光   1964年
 小学校6年のときはこのドラマが楽しみだったものだ。細かい筋立てはほとんど忘れてしまったが、何回目の再放送かわからないが一部12話分だけVTRで録画したものが残っている。
 しかし、私のいちばん記憶に残っているのは、常田富士男が誘拐されてある牢獄でドボルザークのユーモレスクの音楽で洗脳されていく話である。そのドラマを見て以来、ユーモレスクを聴くと条件反射的にこの場面を思い出し、怖くなった。調べてみると、第58・59話のホワイト・デビル作戦らしいが、私の録画したVHSテープの中にはない。どなたかこれを録画していればお貸しいただきたい。
 主演の水木襄はすでに死んでしまったらしいが、忍者部隊月光のイメージが強すぎたのではあるまいか。

20位 石の繭      2015年
 WOWOWで放送されたドラマである。WOWOWは受信料を取っているので、視聴率を気にせず重厚なドラマを制作しているので見ることが多い。
 このドラマも1時間ドラマで第5話まで放送されたが、純然たるサスペンスの形式を取っているとともに、実力派俳優で楽しく見ることができた。このドラマで初めて木村文乃を知ったが、凄い演技力でどこにこんな素晴らしい女優が隠れていたのか非常に気になった。女子高生かとも思える年齢にそぐわない幼い顔立ちと、あれだけの凄い演技とのギャップがたまらなくいい。原作も読んでみたくなった1作である。

21位 眠狂四郎     1972年
 雷蔵の映画版ではなく、田村正和版のテレビドラマ版の方である。田村正和の男の色気がたまらなくいい!! 80年代後半からこのシリーズのスペシャル版がときどき放映されたが、そこで初めて狂四郎の生い立ちが明かされていた。
 作者の柴田錬三郎が舞台で狂四郎を演じた田村正和を絶賛して、原作を書き足したと言われるほどのハマリ役である。眠狂四郎を観るなら、雷蔵版より正和版を絶対観るべきである!!

22位 京都殺人案内   1980年
 クロード・チアリの奏でる哀愁あふれる「夜霧のシルエット」が何といってもこのドラマを際立たせている。それが高じて、クロード・チアリのCDを買って車の中でよく聞いている。
 私はこのシリーズの1作目は認めていない。やっぱり主役は音川音次郎でなければいけないのである。藤田まこと演じる音次郎の娘役の萬田久子の大阪弁が素晴らしくいい。地元だけに自然な台詞回しで、普通の家庭を表現していた。それと映画では悪役で鳴らした秋山課長役の遠藤太津朗が一服の清涼剤となっている。
 一押しは10作目の「からたちの花は死んだよ」である。20作目を越えるとやはりマンネリ化か、いやいやエンディングテーマ曲が「夜霧のシルエット」ではなく土曜サスペンスのエンディング・テーマに変わったせいで面白くなくなった。このシリーズは、クロード・チアリの「夜霧のシルエット」あってこその「京都殺人案内」である。
 そういえば、昭和53,4年頃に藤田まことのスナックに連れて行かれたことがあったなぁ…。

23位 鬼平犯科帳    2005年
 私が観たのは松本白鴎版・丹波哲郎版・中村吉右衛門版で、萬屋錦之介版は観ていない。しかし、保存版にしておきたいと思ったのは中村吉右衛門版だけである。ただし量が多いので、スペシャル版だけDVDに落としてある。
 中村吉右衛門の重厚な演技に加え、人情味を前面に押し出したドラマの作りが最高である。成人してからの時代劇ドラマでは、「逃亡者(のがれもの)おりん」や「御家人斬九郎」、「刺客請負人」に毎年の「忠臣蔵」をよく見ていたが、吉右衛門版「鬼平犯科帳」はその中でも群を抜いている。池波正太郎の原作を上手な味付けで味わい深いドラマに仕上げている。また、エンディングテーマ曲のGipsyKings「インスピレイション」が抜群にいい。この曲のバックに映る懐かしき日本の四季の映像を見ていると、涙が出るほど日本人でよかったと思える。結局、GipsyKingsのCDを購入して、車の中で「インスピレイション」をよく聞いている。

24位 乙女学園男子部  1983年
 普段はコメディとか青春物はあまり見ないが、石立鉄男が一人二役を演じた青春コメディである。ほのぼのとした青春を出演者が玄人ずれしていない演技でハートウォーミングなドラマに仕立てたシリーズだったし、エンディングテーマの「笑えないピエロ」が哀愁を漂わせていて非常によかった。古手川祐子も美人だし、小林聡美の自然体の演技に加え、赤塚真人や山田辰夫のそこはかとなく笑わせる演技が印象的である。
 VHSテープに1話分(7作目)だけ残っているので、DVDに落とした。乙女学園シリーズはそれ以外も観たはずなんだが録画していなかったのが、年を取ってきて悔やまれるようになってきた。もう一度観たいものだが、DVD出ていないかなぁ。

25位 振り返れば奴がいる 1993年
 「ドクターX」や「DOCTORS〜最強の名医〜」と比べて、これほど腹の立つドラマはなかった。文系の作る医療ドラマだからか。もし理系がこのドラマを作れば、感情移入がなかったかも知れない。とにかく人物造形が医者とは思えないほど感情に捕らわれすぎである。織田裕二演じる司馬先生と千堂あきほ演じる大槻先生はともかく、石黒賢演じる石川先生と松下由樹演じる峰先生は医者不適格である。感情を殺すことが必要な医者にはとてもじゃないが向いていない。確かにドラマを面白くするためには必要かも知れないが…。
 せやけど、当時の千堂あきほはやっぱりきれいやなぁ。

26位 海底人8823   1960年

27位 橋の雨      1996年
 天海祐希のTV初主演初出演作で、天海祐希演じるクリスチャンと、親と子ほど年の違う緒方拳演じるやくざとの純愛ものである。夏目雅子の夫だった伊集院静の「あづま橋」が原作でストーリー自体はすぐに想像できるものだが、TV初出演とは思えない堂に入った演技をしている天海祐希の素晴らしさを讃えたい。また、江戸風情の残る下町を舞台にしているのも情緒あふれるドラマになっている。
 映画「黒の天使Vol.2」もそうだが、天海祐希がこれだけ情感を演じることのできる女優だとは思わなかった。阿部寛がちょい役で出ていたが、最後あれから幸せになったのだろうか。背中の彫り物はふたりにどう影響するのだろうか。

28位 マリコ      1981年
 NHKのドラマで、アメリカ大使館の寺崎英成が日米開戦直前、娘マリコの名前を暗号に使って日本に知らせていた逸話を元にしている。寺崎英成を演じた滝田栄の演技が忘れられず、再放送をVHSテープに保存したはずなんだがなぁ。こういう教科書に載っていない歴史を知ることも重要なんだが、なかなか放送してくれないのが悔しい。
 庄内→箕面→庄内→新大阪→忍ヶ丘→新大阪→十三→茨木と21年間で8回も引っ越していたら、VHSテープもどこに行ったかわからなくなってしまった。もう一度観てみたい重厚なドラマである。

29位 銀二貫      2014年
 芦田愛菜の演技を初めて見たが、声が出ないほど素晴らしかった。NHKの時代劇だが、主演・共演の誰よりも芦田愛菜が凄かった。後半では芦田愛菜は出演していなかったが、ハートウォーミングなドラマで好きな1本である。芦田愛菜を認めない者たちよ、このドラマを見てからものを言いたまえ!!

30位 御家人斬九郎  1995年〜
 渡辺謙の時代劇で、全シリーズDVDで録画した。岸田今日子演ずる母親と渡辺謙演ずる息子のやり取りにも笑えるが、共演の若村麻由美と塩見三省が素晴らしい存在感を放っていた。若村麻由美の艶っぽさに、塩見三省の地に足をつけた演技力は、もっと賞賛されてもよいだろう。
 第5シリーズの最終回は、渡辺謙の演出・監督だそうだが、最後二十分は時代劇史上に残る名場面であろう。時代劇の様式美だけでなく、着物の色・柄に至るまで、また俳優陣の表情・台詞回しなど、文句の付けようがない。この最終回と第1シリーズの第1回は、見て損はないだろう。気っ風のいい男勝りの芸者役を演じさせれば右に出る者がいない若村麻由美のファンになってしまった。

番外 MOZU       2014年
 シーズン1の「百舌の叫ぶ夜」、シーズン2の「幻の翼」だが、この2作で残った謎の解明が「劇場版MOZU」となっているので、番外にランクした。
 日本のテレビドラマでここまでできるのかという重厚かつサスペンスフルなドラマであった。配役が香港映画「インファナル・アフェア」を日本でリメイクした「ダブル・フェイス」の西島秀俊と香川照之である。この二人がまたピッタリと役柄に当てはまるのが配役の妙であろう。また、香川照之演じる大杉警部補がシーズン2の後、退職して「劇場版MOZU」に至るまでのサイドストーリーとして、「美しき標的編」と「砕かれた過去編」の2作があるが、すべて通して観て、このシリーズの凄さがわかると思う。

番外 タイムリミット   2003年
 スケールの大きな物語で、少し変更すれば映画として立派に成り立つドラマである。人物像を説明できるもう少し丁寧な脚本とカメラワークがあればいいと思う。林海象監督がこの出来で満足するはずはないと思うんだが…。2時間枠のドラマに囚われなければ、もっといい作品になっただろうに…。
 規則一点張りの堅物刑事に緒形拳、その妻にいしだあゆみ、犯人の黒幕役に原田芳雄という重厚派を配し、ヒットマン役に北村一輝、脇に矢島健一・京野ことみ・火野正平・千石規子・佐野史郎・石橋蓮司、そして竹野内豊を前面に押し出しているTVドラマとしては異例の名優揃いである。これだけの俳優陣で、この程度のドラマではもったいない。よって、番外。


 2時間サスペンスは簡単すぎたり、ミステリーのルールを壊したりするのが多いが、横山秀夫や小杉健治などは重厚でリアリティがあるので、必ず見るようにしている。特に小杉健治の「二重裁判」などは名作であろう。

 もともと仕事で必要だから録画するという意味で、ビクターのVTRを買ったのが、新大阪にある2LDKのマンションに引っ越した昭和54年だった。コーチ同士でのエキジビション・マッチをメーカーの人が録画してくれたためである。しかし昭和60年に腰を痛めてから、ドラマや映画を録画するようになった。VTRも何代目だろうか。何代目かの修理されたVTRが壊れてからは、保存できるようにDVDレコーダーに代えたのが7,8年前である。以前に録画したVTRテープが切れたり痛み出したりしているので、デジタルで録画し直しているが、録画する映画が多いのでなかなかはかどらない。

 2016年6月24日現在、録画した映画はのべ6950本あまりにのぼっている。が、ラベルがなかったり文字が消えたりしているテープが50本あまりあるので、まだ調査はすんでいない。いつになったら整理がつくのだろうか。

もっと評価されてもいいバイプレイヤー(日本編)

もっと評価されてもいいバイプレイヤー(日本編)

鎌田一孝(6組)



 主役を張るような俳優には華があるのは当然だが、ここでは私の好みで注目していた、あるいは注目している助演俳優にライトを当てたいと思う。
 確かな演技力で存在感を示しながらも、主役を引き立てることに徹しているバイプレイヤーを私は非常に評価している。スポットライトを浴びることはないし世間からはあまり評価されていないけれども、私はあえて積極的に評価したいと思うのである。

 顔やスタイルで評価するのではなく、なんでもこなせる演技力と味のある雰囲気を中心に選んでみた。どうしても舞台出身者が多くなるのはしかたないと思うし、喜劇出身者が多くなるのは哀しさを知ってるからこそ喜劇ができるのだと思うからである。
 私が評価するきっかけになった代表作とともに載せておこうと思う。順位はつけられないのでご勘弁を。
《コメントはまた後日ということで》


〈男優編〉
奥村 公延    TV「親愛なる者へ」
塩見 三省    TV「御家人斬九郎」
深水 三章    OVA「新 麻雀放浪記」
石倉 三郎    TV「逃亡者(のがれもの)おりん」
六平 直政    映画「山形スクリーム」
石橋 蓮司    映画「いつか誰かが殺される」
松澤 一之    TV「ママはアイドル」
段田 安則    TV「モノクロームの反転」
         TV「眠れない夜を数えて」
蛍 雪次朗    映画「ゼイラム」
石丸謙二郎    映画「けっこう仮面」
堀内 正美    TV「忠臣蔵」
本田博太郎    TV「青い髪の人魚」
ベンガル     映画「なごり雪」
名古屋 章    映画「夕陽の丘」
清水 紘治    TV「肉体の処刑」
金田 明夫    映画「感染列島」
甲本 雅裕    TV「影の季節 刑事」
織本 順吉    TV「刑事の愛した女」
加藤 武     映画「犬神家の一族」


〈女優編〉
余 貴美子    映画「ヌードの夜」
深浦加奈子    映画「狗神」
深津 絵里    映画「阿修羅のごとく」
山下容利枝    TV「催眠」
大家由祐子    映画「D坂の殺人事件」
         映画「座頭市」
絵沢 萌子    TV「怪猫佐賀騒動」
永島 暎子    映画「竜二」
佳那 晃子    映画「魔界転生」
洞口 依子    映画「スワロウテイル」
丘 みつ子    TV「立証」
松雪 泰子    映画「子ぎつねヘレン」
原田美枝子    TV「傘次郎・新子捕物日記」シリーズ
南 果歩     映画「帝都大戦」